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2006年2月28日 (火)

解答速報のちょっとした不測の事態

 今年の解答速報で、ちょっとした「不測の事態」が起こってしまいました。と言っても、実は、予測していたことなので、厳密には「不測」ではないのですが・・・。某W稲田大の某S経学部が、またやってくれたということです。今年度の古文問題の問六は、三大予備校の解答速報の解答例が全部違っています。某文系私立に強いとされているゼミがイ、ウチがハ、もう一つの大手が二。

 これは一体どういうことなのかというと、まず、間違えなく言えることは、このようにプロの予備校屋が自分の信頼の掛かった場で発表した解答が食い違っていたら、それは、出題者側に問題があるということです。つまり、我々は、それぞれに人を納得させるだけの根拠を見出して解答例を選んでいるわけで(そこは勘で解いている受験生と違います)、三通りに解答例が割れたとしたら、三通りの根拠が存在しているということです。三通りの解答の根拠の存在する問題って、やっぱマズイっしょ。

 さて、それを前提に今年のS経学部の問六にだけ絞って言うと、やはり、某私立文系に強いとされているゼミの選んだイは変でしょう。明らかにイを否定できる根拠を我々は持っています。一方、もう一つの大手の選んだ二は、微妙です。我々も、ハか二かで大分迷いました。んで、どちらを選んでもそれなりの理屈はつくんだけど、取りあえず、ってことでハを解答としました。

 このような場合、イを選んだゼミはちょっと気の毒です。というのは、解答速報の発表が一番早いから。多分、そうとう急いで解かされているのでしょう。だから、ミスが多くなります。我々ともう一つの大手は、比較的時間が与えられるので、ゆっくり検討出来、間違えも少ないのです。だから、その二つの解答が食い違うってことは、相当マズイのです。

 我々は、もう一つの大手の先生が二を選ぶ根拠を理解しています。一方、もう一つの大手の先生も、我々がハを選択した根拠を理解しているはずです。お互いに判ってるんだけど、どっちかと言えばこっちかなー、という感じで解答例を選んでいるのです。そういう判断をプロにさせるということは、出題者側の責任でしょう。今度の場合、選択肢が紛らわしすぎたのです。難問を作る能力のない出題者が、無理して難易度を上げようとすると、こういう問題が起こってきます。困ったことです。

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