アイコの敗因
昨夜、トリノ五輪モーグル女子がありました。友達のモーグル選手タクヤ(全日本のランカーです)と一緒にTVを見ていたのですが、タクヤが言うには、トリノのコースは、Wカップレベルのモーグルコースとしては簡単なのだそうです。それで予選の始まる前に、「今日はエア勝負になるよ」とのこと。コースが簡単だと、ターンでのミスが少ないから、エアを完璧に決めた者の勝ちになるのだとか。
実は、基礎スキーの方でも、簡単なバーンで競技が行われると、勝負所が難しくなることがあります。滑り降りるだけなら誰でも出来るとなると、上手さをジャッジに見せるのはとても難しいのです。ジャッジに対してアピールするポイントを自分で決めて、それを中心に作戦を立てねばなりません。
上村選手の敗因も、多分、それと関係があるのではないでしょうか。コースが簡単なので、エア勝負ということになれば、普通に考えると、女子選手随一の3Dの完成度を持っている上村選手有利です。本人がそれを自覚した時に、”自分は第二エアの3Dで勝てるのだから、そこまで慎重に行かなければ”という気持ちが芽生えてしまったのでしょう。そのため、第一セクションの滑りがいつもより慎重になり、スピードが乗らないまま第一エアを迎えてしまい、結果、第一エアのヘリコプターが小さくなってしまった・・・。
簡単なコースというのは、勝負に於いては、実はとても難しいのです。受験問題も全く同じだと思います。問題が例年より簡単になった時というのは、実力以外の要素が勝負を分けやすいものです。問題が簡単な時ほど、実力のある者は注意しなければならないのです。
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