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2006年2月 9日 (木)

携帯禁止令

 中教審という所で、小中学生の新しい教育指導要領の方針が打ち出されたのだそうですが、テーマが『国語力』なんだそうで「言葉のチカラ」を高めることが目標なのだとか。そこで、文部省のお役人さんに提案があります。小中学生対象で結構なので、携帯電話所持の年齢を法律で規制しませんか。

 きっと何を言っているのか判らないと思いますが、現場で子供に接していて、感じた切実な実感です。最近の子供達は「言葉」を知りません。そりゃ最近に限ったことじゃないと思うかも知れませんが、最近の特に顕著な傾向として、当たり前の会話で使用する言葉を知らない子が増えているのです。

 例えば、こんなことがありました。ある英語の先生が英文の和訳で「お勘定を払う」という訳をつけたんだそうです。そうしたところ、授業後質問があって、「先生、あの『お勘定』って何ですか?」っていうんだそうで。その先生、ちょっとアセって、これこれだと説明したところ、「なーんだ、先生、それは、『お会計』っていうんですよ」。これウチの予備校での実話です。

 この話、つまりこういうことだと思うのです。「お勘定」は我々にとってごく普通の語彙です。ところが子供(それも質問に来る子ですから、マジメな子です)に通じていないというのは、「お勘定」が彼らの仲間内で使用する言葉ではないからでしょう。彼らの出入りするコンビ二やジャンクフード系の店では、全てマニュアルが「お会計」になっているはず。従って、彼ら自身が「お会計」という言葉を好んで使うのは無理ありません。しかし、以前だったら、そんな子供達でも大人の使う「お勘定」という言葉を知っていたはず。なぜこんなこんなことが起こっているのでしょう。

 ここからは、ワタシの推測なのですが、彼らと大人とのコミュニケーションが希薄になっているのではないでしょうか。人間は、正常な精神状態であれば、他者とのコミュニケーションなしでは生きていけません。だから、子供達も、周囲の人間とコミュニケーションを取らざるをえず、その過程で言葉をおぼえていくのです。しかし、少年少女期に特定の仲間とのコミュニケーションが異常な密度になってしまったら・・・。外部とのコミュニケーションを必要以上に取らなくなるんじゃないでしょうか。そして、「異常な密度」のコミュニケーションをもたらしているのは、もしかして携帯電話ではなかろうかと思うのです。

 まー、難しいことを言わずとも、”携帯で友達とおしゃべりしてるのと大人と会話しているのではどちらが言葉をおぼえるか”を考えりゃ明らかですよね。だから、友達とのおしゃべりが過剰になってしまう携帯というツールを制限すれば、大人とのコミュニケーションが増加して、言葉をおぼえてくれるのではないかと。

 まー、こんなことを考えるワタシは、当然ながら”携帯嫌い”です。それについては、また明日にでも。

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