Wカップ共同幻想論
とうとう、Wカップサッカーが始まりました。いやはや、これから一ヶ月はタイヘンです。
ところで、国家とは共同幻想であるということを言うために、昔、吉本隆明なんて人が、わざわざ大げさな本を一冊書いていますが、そんなの小難しいこと言わなくても、Wカップサッカーを見りゃ簡単に判ります。Wカップサッカーの世界では、国家とはまさしく幻想に過ぎません。
例えば、国家としては現在一つにまとまっているUK(所謂「イギリス」)は、サッカーWカップの世界では、「イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランド」の四つの協会に分かれます。一方、一つの国家として出場しているスペインは、内部的には、まだ独立運動の残滓がくすぶっています。なにしろ、スペインのバルセロナなんてクラブチームは、一時、中央のフランコ独裁政府に対するカタルーニャ地方の抵抗運動の核になっていたくらいのもので、サッカーと地方独立運動が密接に結びついていたりするお国柄。今でも、バルセロナのホームスタジアム「カンプ・ノウ」には、「カタルーニャはスペインではない」って横断幕が掲げられるくらい。「スペイン」は、Wカップで四つに分かれてる「イギリス」よりも、実は気持ち的にバラバラなんですよね。
また、セルビア・モンテネグロなんてチームは、Wカップ出場が決まってから、モンテネグロが本当に独立しちゃったりして。もう、こうなると、何がなんだか判らん・・・。
結局、最終的には、国家なんて、オリンピックやWカップサッカーを盛り上げるための区分にしか過ぎません。ちょうど、幼稚園の運動会で赤組と白組に分かれるようなもの。まー、運動会の間だけは、赤組のタケシ君とは口も聞かない、って気持ちが運動会を盛り上げるんだげど、運動会が終われば、意味のない区分です。そんな意味のない区分に、政治屋の皆さんが血道をあげて、世界を危機に陥れるようなことのないように願ってやみません。
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