素人のタワゴトに悩まされた午後
今日は仕事オフの日でした。午前中は、例の「めまい」の病気のため通院。午後は・・・。今日の午後は、デスクワーク、それも、最悪のデスクワークでした。
実は、以前、塾教材専門の出版社で、中小予備校の教材になる問題集を作ったことがあったのですが、その時の解説に対して現場の先生が質問してきたのです。和歌の物名歌というものに関する質問なのですが、その質問ってのが実に悲惨なもので・・・。
このプログで何回も取り上げたことのある某有名講師Aの和歌の修辞法に関する参考書のコピーを添えて、「この参考書に書いてあることと解説が矛盾する。この解説では『掛詞』と説明しているが、正しくは『物名』ではないのか」ってんです。イヤハヤ。
そりゃ確かに「物名」なんです。でも、「物名」って「掛詞」を用いて物の名前を和歌の中に隠し込むことなんです。この「現場の先生」の言ってることは、「カーステレオは、車の中にあるからステレオじゃない。自動車だ」と主張しているようなものです。車に用いられていたからってカーステレオはステレオの一種だよ。「物名歌」に用いられていたからって「掛詞」は「掛詞」なんだよぉ。~o~;;;
厳密に言うと、学問的には、「物名」と「掛詞」の発生は別です。でも、やってることは全く同じになってしまうので、「物名歌」中の掛詞だって広義の「掛詞」と言って差し支えなく、「物名歌とは掛詞を用い和歌の中に物の名を隠し込むこと」って説明したって全然間違えじゃないはずなんです。それなのに、某有名講師Aの参考書では違うものだってことになってるんです。
ところが、某有名講師Aの参考書で説明してる「物名」と「掛詞」との相違点てのが、もーまるでデタラメで、こんな説明ではいくらでも反例が出てきてしまうようなシロモノ。現に某有名講師Aの本の中にさえ、よく読めばこの説明の反例が出てくるんです。それなのに、この「現場の先生」ってのが、何にも考えずに有名講師の言い分に盲従してしまう人らしくて・・・。
こんな人に何を説明したら判ってもらえるんだろう、と思いつつ、仕方ありません、午後は半日かけて丁寧な説明を書きましたよ。どんな大○鹿モンでも判るようにっ。
いったい、これから先、どれほどこんなことが起こるんでしょう。日本の古文教育について、暗澹たる思いを禁じえません。たかが素人のオバサン一人のために、日本の古文教育全体がゆがめられているんです。素人オバサンのタワゴトが日本中の(力の無い)古文教師達を支配しつつあるんです。この状況は限りなく悲惨です(5/10「句読点幻想その二」参照)。
しかし、考えてみると、このオバサン、スゴイ人ですねえ。改めて感心しちゃうなあー。某有名講師Aよ、アンタはスゴい!スゴいゾっつ!!~o~
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