予備校屋に向かなかった人達の思い出
今日はオフの日です。ホントは、今日から丸沼で人工雪ゲレンデがオープンするので、行ってきたいのですが、昨日の帰宅が夜遅くなったってことと、今やっとかないとマズいデスクワーク&雑用があるので、仕方なく自宅で雑用こなしてます。
スキーに行かないで仕事すると決めたのですから、ブログなんて書いてる場合じゃないんですが、やっぱ一応、今日の分は書いとかないと落ち着かないもんで。なんだか、最近ほとんど義務みたいになってきましたねえ、ブログ。~o~;;;
んで、今日は予備校ネタ。長いことこの仕事をやっていると、時々、予備校屋に向いていない人に出会うことがあります。この予備校屋という仕事は、とても簡単になれるし、向いている人ならすぐに人気講師になれるのですが(06'2/19「簡単な予備校屋の作り方」参照)、向いてない人がウッカリなると、悲惨なことになります。本人にいくら学力があって熱意があっても簡単にクビになるんです。
ワタシと同時期にウチに入った古文の講師は、確か十数人いたはずですが、今残っているのはワタシを含めて、えーと・・・、四人かな。
もちろん、高校を定年退職なさってからウチに入ってきた先生もいらっしゃるので、そういう方は年齢的に引退しているわけですが、適性がなくてクビになっちゃった方も何人かはいます。
例えば、ワタシがウチで働き出して三~四年目のこと。同期の先生が急に辞めることになりました。あまりお話ししたことはなかったのですが、口数の少ない大人しい人でした。学力はあったと思います。でも、この人、高校生に嫌われて高校生クラスの出席率が異常に悪くなり、ウチにしては珍しく年度の途中で先生交代、まあクビですね。
どういう理由で失敗したのか、正確なところは判りません。ただ、ワタシは、辞める前から、この人予備校屋には向かない人だと思ってました。大人しい人だったってこともありますが、服装に全く構いつけない人で、リクルートスーツに安いネクタイ、襟元フケだらけってな人だったんですよね。コレじゃ女子高生に絶対嫌われます。
予備校屋って、見てくれの部分かなり大きいです。『人は見かけが九割』っていう本がワタシの嫌いな新○新書から出てるそうですが、予備校屋に関しては、かなり当たってます。特に女子高生に関しては、「見かけが九割」は正しいと思いますよ。
予備校屋に向いてないという点で言うと、この人と双璧をなすのが、英語のH先生。やはり十数年前のこと、背は高いけどお坊ちゃまクンという感じの人で、学力はあったらしいし、熱意もあったんですが・・・。
最初に講師控え室で話をした時は、随分よくしゃべる明るい人だなあと思いました。なんでも、ウチの「卒業生」で、大学在学中もずっとウチの講師になりたいと思って勉強していたのだそうです。生徒さんの質問に対しても熱心に丁寧に答えているようだし、良い先生なのかなぁと思っていました。ところが・・・。
生徒さんの質問に対して答えているのを何度か聞いているうちに、可笑しなことを言い出すんですよ。「君はおうし座のA型だから、こういう勉強法は・・・」とかって。
「先生は、生徒さん一人一人の星座と血液型をご存知なんですか?」「いや~、大人数のクラスは把握できてないんですけど、さっきの子は少人数のクラスなんで、授業中に全員の星座と血液型聞いておいたんです」・・・・ヲイヲイ。少人数ったって三十人くらいいただろ、あのクラス・・・。~o~;;;;
この人、どうも生徒さんに対して密着していないと不安になるらしいんです。なにしろ、生徒さんからの支持がなくなったら、我々はクビですからね。だから、生徒さん一人一人に密着したいのは判ります。そういうのって、まあ、よく言えば、「ふれあい」とか「親身になってる」って言えないこともありません。でも、授業そっちのけの「ふれあい」は度が過ぎると嫌がられるんだよなあ・・・と思っていたら、一学期の学生アンケートが我々に通知された頃のある日、講師控え室でこのH先生、周りの講師に対してしきりに大声で嘆くんです。
「僕、アンケートひどかったんですよ。ホントひどいですよ。何故なんでしょう。こんなに一生懸命なのに。今日、授業中に生徒に聞きまくっちゃいましたよ、『僕、どこが悪いんだと思う?』って」・・・あらら、ダメだよ、こりゃ。~o~;;;
受験生はただでさえ自分のことで不安一杯です。誰かに頼りたくて頼りたくて、我々の授業を受けてるワケです。それなのに、自分のアンケートがひどかったって授業中に生徒さんに向かって告白しちゃうってのは、自分が不良品でございますと迷ってるお客さんに対して大声で訴えちゃうみたいなもんです。おまけに、あろうことか、生徒に相談しちゃうとは・・・。~o~;;;;;
この人、二年目にはまだウチの予備校で働いてました。ウチは、受験界でも長い目で見てくれる方なので。でも、三年目にはいなくなってました。多分、他の大手だったら、一年目の途中でクビだったんじゃないかな。
予備校屋って、学力がなくても成れるし成功もできます。でも、生徒さんに対して自信満々で接することの出来ない人は、絶対クビになります。その自信が学力の裏づけを伴うものであっても、まったくのハッタリであっても、兎に角、自信たっぷりの講師でなければ、生徒は頼りません。
そういう意味では、予備校屋の一番の適性って、結局、楽観的で図々しいことなのかもしれませんねえ。~o~;;;
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