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2006年11月29日 (水)

ドラマ『のだめ』の研究その七

 ようやく、『のだめ』第七話の二回目を見終わりました。今回はまた、かなり原作からはみ出してます。ただ、はみ出した割には、大きな破綻はなく、むしろある程度説得力のある作りになっていたかなと。

 まず、脚本ですが、「三善家」のエピソードをすべてカットしてしまった関係で、かなり原作にないシーンを作り出さねばなりませんでした。しかし、それらが比較的無理なく納まっていたと思います。

 具体的には、味噌汁の差し入れの魔法瓶が小さかったのも(いくらなんでもオケ全員で飲める量が入るわけがない)、最後の千秋のトラウマを引き出すシーンのためだろうし、千秋が「オマエの担当はハリセンだろ」というシーンも、「オマエは先生に向いてない」という「三善家」エピソードの最後の台詞を言わせるためだろうし、多賀谷彩子が「まだ選曲してるの」なんて言ってくるのも、本来「三善家」で聞かされる飛行機アレルギーをのだめに知らせるために必要だし。そういう原作にない新たに作った場面が、けっこう上手く機能してました。

 ただし、いくつか、原作からはみ出した場面でオカシなところも。まず、冒頭のハリセンの初レッスン場面。のだめの持っているのが「モジャモジャ組曲」でなく「おなら体操」だったのは、ハリセンに「おなら体操」を踊らせてウケを狙ったんでしょうが、後で谷岡先生が「僕は3年間、『おなら体操』や『モジャモジャ組曲』制作の指導に尽力してしまった」って言ってるんですケド。

 しかし、なんで『キラキラ星』じゃくなく『メリーさんの羊』なんでしょうね。

 菊池君が人妻の車で練習に現れるシーンも原作にはありません。まぁ、あのシーン自体は菊池君のキャラを紹介する上で有効と思うのですが、「人妻のいずみちゃん」って、わざわざ「人妻」と菊池君に言わせるのは、無理ありませんか。

 多賀谷さんが出てくるシーンは、「三善家」カットの影響である程度止むを得ないのですが、ホールの予約が多賀谷さんってのは、やはり無理があります。昨日も書いたけど、木村君は多賀谷さんを知らないはずだから。

 「オマエに先生は向いてない」の話の後、のだめが学校で黒木君と会うシーン、原作だと差し入れとは違う日なのですが、差し入れの日の夜にしてしまったため、無理が生じました。練習終わった後の夜のシーンだっていうのに、「今日学校がなくてヒマだったから」という原作の台詞をそのまま言わせるのは、ちょっと・・・。黒木君は夜学なのかい。~o~;;

 それと、細かいことですが、黒木君の演奏に「武士って感じだな、くろきん」っていうのは、峰君の台詞のはずなのに、なんで真澄ちゃんに言わせたんでしょう。峰君の方が感じが出るのに。

 今回の佐久間さんのポエム、R☆Sオケの公演の後の大川総太郎のコラムのアレンジですね。てことは、大川さんはドラマには出てこないってことか。

 ハリセンに相談された千秋が「なんで逃げるてるんだ」とつぶやくシーン、原作では、「オレとハリセンの違い、好きか嫌いか」→自信過剰というその場限りの解決をしてしまうのですが、ドラマではどうやら、のだめのトラウマへの導入にするつもりのようですね。でも、だったら、のだめブチキレの所は、ハリセンにたたかれていきなりキレる原作の方が良くないですか。

 ラストの千秋が飛行機のトラウマを思い出すシーン、魔法瓶が転がるくらいではやや無理がありそうです。魔法瓶が転がる程度で思い出せるんだったら、あんな深いトラウマにならないんじゃないかな。まぁ、「三善家」をカットしちゃったから、催眠療法出てこないワケで、仕方ないのかもしれないけど、やや説得力がないような。

 さて演技陣ですが、なんと言っても今回の白眉は、のだめブチキレの上野樹里。よく出来ました。キレる前の演技が良かったんじゃないでしょうか。原作にはない追い込まれておびえる感じののだめが良く出てました。

 差し入れの時ののだめも悪くなかったと思いますが、音大にエプロンしてくるのかい。それと、良妻ウォークはちょっと感じ違いませんか。漫画だと生活臭のない良妻なんだけど。まー、ドラマはエプロン姿だから、あんな感じになるのかなあ。「何故挨拶する」「妻だから」の台詞はなかなか可愛かったですね。~o~

 ハリセンの豊浦さんも今回良かったと思います。おなら体操、頑張ってたのは、カワイソウだったけど。でも、他の所のマジメな演技も良かったです。特に、「丸腰や」って情けなさそうに目をつぶる所、原作にはない演技だけど、とーっても感じ出てます。~o~

 来週は、千秋の母親が出てくるらしいけど、三善家のエピソードなしにどうやって出てくるんでしょ。

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