『のだめ』第五話補遺
先ほど、三回目を見終わりました。気づいたことで書いてなかったこと。
映像的に、シュトレーゼマンからのだめが時計を受け取るシーンがセピア色で、直後のシュトレーゼマンと千秋の絡みの「これで日本ともしばらくお別れですから」のシーンで竹中さんの表情を映さず口にだけスポットを当ててるトコ、印象的で良かったデス。
それと、のだめがラフマ2番の千秋の演奏を聞くところですが、原作ではのだめが純粋に音楽的感動を得て、自分もピアノを弾きたくなるという流れであるために、演奏の途中からホールに入ってくるという設定は有り得ないのですが、ドラマでは、直前に、シュトレーゼマンに時計を渡され、「今のままでは千秋とは一緒にいられなーい」と言われた直後なので、のだめは千秋との漠然とした距離感が念頭にあり、音楽的な感動よりも、演奏者として成功する千秋、着ぐるみを着た自分という距離に焦燥感を感じているという流れであるように見受けられます。だから、演奏途中でホールに入るという設定もそういう流れの中で考えるべきではないかと思います。
着ぐるみのままホールへと走るのだめに、二人の恋の行く末の暗雲を暗示するラフマ2番の演奏がかぶっていくシーンは、そのような文脈の中で初めて意味を持つのではないでしょうか。
何にしても、原作からは少し離れた映像表現になっています。原作に縛られたまま見ていると、違和感を感じるだけになってしまいますが、それではドラマを楽しめないかのでもったいないかと。
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