ドラマ『のだめ』の研究その六
『のだめ』第六話、三回目見終わりました。ドラマ的には佳境に差し掛かったという感じで、盛り上がっているのですが、いくつか気になった点も。
まず、脚本ですが、多賀谷彩子の「コシ・ファン・トゥッテ」のエピソードや卒業演奏をカットしたため、やや無理があったような気がします。多賀谷さん、出てき方が中途半端になってしまいました。「コシ・ファン・トゥッテ」のエピソードで声楽家として吹っ切れるというのが原作の設定なのに、それがカットされてしまったので、この人何故出てきたんだろ、って感じになりました。ただし、原作でも多賀谷彩子がカラオケ店のトイレに現れるのは、やや不思議な設定なので、ヤケになってカラオケ熱唱というのは、ある意味説得力があります。ただ、声楽家にしては、ちと音を外し過ぎてますけど・・・。~o~;;
また、卒業演奏のエピソードをカットしてしまったため、真澄ちゃんの「愛のサウンド・オブ・パーカッション」が太鼓名人になってしまったのは、いくらなんでも可愛そう。おまけに太鼓名人を聞いて、千秋が新オケのメンバー入りを決めるというのは、あまりに無理が・・・。あれでは新オケ入りを断られた鈴木姉妹も浮かばれなひ。~o~;;;;
細かいことをいくつか。冒頭ミルヒーが現れるのはちょっと驚きました。もうラフマ演奏前に時計は渡しちゃってたので。アレは、結局、のだめの夢ということになるのでしょうね。原作では、夢うつつのうちにミルヒー現れ、朝、のだめの手に時計が残されるという幻想的なシーンなのですが、完全に「夢」という解釈なのでしょう。のだめに渡したはずの懐中時計をミルヒーが持っていたから。
演奏後、クラシックライフ河野けえ子が取材に来るシーン。何故、河野さん千秋の携帯番号知っているのでしょう。原作では学校まで会いに来るんですが。裏軒でいきなり「クラブハウスサンド」、ちょっと無理かと。あれは、原作では試験の一夜漬けで裏軒に泊るエピソードがあるから可能なのであって、いきなりはちょっと・・・。雑誌『クラシックライフ』、印刷早すぎます。学園祭の後、千秋がマエストロに連れまわされたのは四日間。その直後の取材のはず。のだめはまだ学祭の後、ピアノ引き続けているっていうのに、もう「夢☆クラ」のピンナップ、印刷できちゃってる。『サッカーマガジン』並みの早刷り。~o~
でも、佐久間さんのポエムは良かったですよ。及川光博の怪演も良かったけど、貧乏ゆすりから「来たわ」で後光が差しちゃうってのが、最高。原作より面白いシーンでした。~o~
あと、ちょっと気になったのが多賀谷彩子が千秋の部屋を訪れるシーン。千秋はコンビ二に行っちゃうけど、原作は風呂に入るんですよ。何故コンビニ?もしかすると、原作と違って二日酔いしてないからですかねえ。
原作と異なっていたと言えば、今回目についたのは、カラオケ店での多賀谷とのだめの絡み。のだめの「大きな手」を見て、「あの男はこーゆーのに弱いのよね。わたしもだけど」って言うんで、のだめを許してしまうんだけど、最初にのだめが「大きな手」をしているという設定をしていないので(06'10/17「コメディエンヌとマイフェイバリットの誕生」参照)、ここに無理が来ちゃいました。やっぱ上野樹里の手じゃ「大きな手」という設定に出来なかったのでしょうかね。ここはちと残念。
原作から外れたと言えば、いくつか原作にないギャグが。ミルヒー、温泉での卓球、スリッパで打ってます。のだめ「ほたるの墓」になったところでハエ飛んでます。細かい仕掛け。多賀谷彩子、ドアに爪立てて、ドア削れてます。千秋、缶詰買うシーン、とどめが「カンガルーのお肉」って、そんな缶詰あるのか?~o~;;
あと、Sオケの打ち上げシーン。焼酎の張り紙「腹中の思惑」「甘美な閃き」「謀」を上手く状況に合わせて映しこんでました。張り紙の位置、カメラの角度まで工夫して遊んでるのは好感が持てます。
演技陣ですが、今回は何と言っても、及川光博の怪演にトドメを刺しますネ。素晴らしい。アレはあのお人しか出来ないでしょうねえ。上野樹里ちゃん、先日、口紅のことを書いたけど、もしかして口紅はしてないのかもしれませんが、口紅付けてるんじゃないかと思うほど、血色が良すぎ。風呂に入った後とは言え、のだめは何日も飲まず食わずで練習してたはずなので、ちょっとアノ色艶の良さはイタダケマセン。
来週は、いよいよのだめの大川弁ブチ切れのシーンがあるらしいので、上野樹里ちゃんには期待しています。難しいでよね。普段、のほほんとしている九州女がブチキレて方言丸出しにするわけですから。さー、どんな演技になるんだろ、楽しみ~。~o~
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