知らざるを知るとなす人々
昨日は、空気清浄機のような学者さんの話だったのですが、今日は、空気の汚くなりそうなセンセイ達の話。
今日、吉祥寺で例のセンター試験対策の演習授業だったのですが、無事終わって、講師控え室で雑誌を見ていたところ、雑誌『AERA』に某『馬○の壁』のセンセイが「提言」を寄せてました。曰く「早く石油を使い切れ!!」
何のことだろうと読んでみたのですが、どうも、諸悪の元凶は石油だから、一刻も早く石油を使い切れ、ということらしい。石油がなくなれば都市生活は維持できなくなるから分散化社会になって都市が産み出す諸問題は解決、医療問題も人々が適度に運動するようになり解決、子供もニートになってる暇はなく教育問題も改善され、石油資源が原因の地域紛争もなくなって良いこと尽くめ、っていうんですが、コレ、この人、真面目に言ってるんですかね???
まず、石油がなくなったら、分散化社会になるのか、なりゃしませんよ。石油に代わる代替エネルギーが開発されるだけでしょ。具体的には原子力に対する依存度が大きくなるだけ。従って、医療問題も解決するワケがなく、教育問題も解決しません。それどころか、今のまま石油資源が枯渇し始めれば、残り少ない資源を巡って地域紛争は激化するだろうし、第一、石油資源を使い切る過程で出る大量のCO2による温暖化はどーすんですか。
よーするに、肥満に悩む人に、出来るだけ美食を尽くして金を使い切って貧乏になれ、そうすれば嫌でも痩せる、と言っているようなもの。アホらしくて話になりません。最初、この文章、何か諧謔的なブラックユーモアの類なのかと思ったのですが、最後まで読んでも、オチがないんですよね。どうもマジメに提言してるらしい。
このセンセイ、ご専門は解剖学なんですよね。なんだって、こんな専門外のことで「提言」なさっちゃうんでしょう。つか、何故、この雑誌は「提言」させちゃうんでしょう。多分、こういう記事載せちゃう側は、面白がってるってところがあるんだろうけど、やっぱ、有名な学者さんだから発言させちゃおうってのがあるのかしらん。学者って、そんなに何でも知ってるわけじゃないんですけどねえ。むしろ、専門外では頓珍漢な人が多いワケで。
ただ、昨日取り上げたようなマトモな学者さんは、専門外のことは、あまり大きな声では語りたがりません。『論語』にも「知らざるを知らずとなせ、これ知れるなり」とあるように、自分が知らないことをキチンと「知らない」と認識出来るからです。
何にでも口を出しちゃうセンセイってのは、「知らざるを知るとなす」人達なワケで、こういう「チシキ人」の方達、信用しちゃいけないと思うんですがねえ。例の、『国家の品格』センセイなんかも、妙に信じられちゃってるみたいだけど・・・。学者ならなんでも知ってるってのは、コンピューターなら何でも出来るみたいな幻想ですよね。
予備校屋的に言うと、こういうセンセイは、他の教科のことを自信たっぷりに指導しちゃう講師のようなものです。ロクなもんじゃありません。でも、なぜかこういうセンセイの方が、マトモな学者より、もてはやされちゃうんですよね。ちょうど、ロクに知りもしない他の教科のことまで指導しちゃう講師が人気講師になるみたいに。イヤハヤ・・・。~o~;;;;;
ついでに言っちゃうと、某SAJなんていう組織が、自分ではろくに滑れもしない大学のセンセイをイグザミナーにしてるのも、この類でしょうねえ・・・。~o~;;
| 固定リンク
コメント