「祭」前夜の屁理屈
新潟八海山にもどっています。八海山は一昨日から昨日にかけて雪。雪が降れば花粉も抑えられるので、こちらでは比較的楽に過ごせます。
今日金曜朝、土日に向けて常連客が宿に集まりつつあります。昨晩は、そんな常連客達と宴会でした。この日曜、八海山ではテクニカルプライズという検定が行われます。常連客の中にもテクニカル挑戦中の人が何人かいて、毎年、彼らの挑戦を応援しつつ茶化しつつビデオ撮りしてその晩の酒のつまみにしています。人呼んで「八海山テクニカル祭」。
今年もそんなテク祭の主役が、お二人ほど、週末に備えてすでに山に入って練習しています。昨日は、そのうちの一人がテクニカル検定で普段乗っていない競技用板を使用することがちょっと話題になりました。
スキー雑誌などでこの二、三年、時々話題になるのですが、テクニカルやクラウンプライズなどプライズ検定では、種目に合わせて複数の板を使用するのが一般化してきています。それに対して、全ての種目を一本の板でこなすのが王道だと主張する人達もいます。
ワタシは、複数板派です。テククラプライズというのが、全日本技術選を頂点とする「基礎スキー」という名の競技会の末端に位置していると考えているからです。「基礎スキー」では、その名に反して普通のゲレンデを滑るにはいささか特殊なテクニックを理想の滑りとして評価する傾向があり、その理想的な滑りを実現するためには、特殊な板の方が有利なのです。
早い話が、カービング的な小回りを理想と考えた場合、セミファットやGSベースの板では著しく不利です。コブのバンク滑りを理想と考えた時、180cm以上の板では実現困難です。逆に整地バーンで内足主導的な大回りターンをしようとする場合、160cm以下のモーグル系の板などでは危なくてやってられません。かと言って、所謂オールラウンド系の板は、それら全ての場合において可もなし不可もなしの滑りしかできません、一般人のテクニックでは。
これが、超絶的な技術を持つ人なら話は別です。例えば、このブログには何回も登場しているモーグラータクヤなどは、163cmのモーグル板でカービングの大回りもキレキレの小回りもしてしまいますし、不整地大回りすら見事にこなしてしまいます。でも、アイツはナショナルチームですからねえ・・・。~o~;;
加えて、複数の板でトレーニングすることによる上達という効果もあります。例えば、トップ部をたわませる技術はトップの柔らかい板でなければ身につきにくいものですし、ラディウスの小さな板でカービングした方がカービング時の倒す感覚や先行動作などを覚えやすいものです。逆にラディウス21以上の長い板を履いたことがないと、谷回りが楽過ぎるので、自分で外足のエッジを斜面に食いつかせ板をたわませる感覚をなかなか覚えません。板のラディウスまかせのターンになりやすいんです。
こういう感覚や技術は、一旦身につけてしまえばどんな板を履いた時にも応用できます。だから、いろんな板を履くことが上達のための有効なトレーニングになったりするんです。
十分に上手くなってからなら、一本の板で全ての種目をこなしてしまうというのは、結構カッコ良かったりするんですけどね。たかがテクニカル検定受験の段階では、一般的には、まだいろんな技術を習得する途上のはずなんですよね。
なーんちゃって、マニア以外にはどーでも良い超マニアックな話題も、「八海山テク祭」前夜ならではなワケです。~o~;;;;
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