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2007年4月13日 (金)

教え子自慢または牛の育て方

 昨日今日と、かぐらスキー場で、「コブ好き女」K嬢にスキーを教えてしまいました。今までワタシはスキーを教えるのが嫌いで、一緒に滑った友達にアドバイスくらいはしても、教えるってことはほとんどなかったのですが、このK嬢は、ちょっと例外。こんな面白い子は、普通のイントラさんが教えても、角を矯めるだけだから。

 なにしろ、一緒にコブを滑っていると、突っ込み方が半端ではないので、ワタシが傍を通っても無反応な人達が、K嬢が同じコースを滑ってくると、一斉に後ずさりするんです。あまりの無謀なスピードにヤバいって思うんでしょう。~o~

 その結果、何度も大転倒をして、多分、体はアザだらけのはずなのですが、全くメゲません。傍で見ている人が思わず腰を引くような大爆裂をやってるクセに、「今日はあんまりコケなかったってことは上手くなってるのかしら」などとのたまっちゃうんです。~o~~O~

 昨日今日のかぐらは暖かく、雪がグズグズになって荒れていたので、何処でも心配なく滑れるように逆ヒネリ系の小回りから教えました。まず、直滑降から逆ヒネリを使ってストップを交互に繰り返させます。その際、カカトにのって力強く急停止。これで強いエッジングを覚えさせて、次は小回りB。横滑りから立ち上がり抜重をして向きを変えまた横滑りの繰り返しです。これで、抜重を覚えさせます。出来たら、この小回りBの横滑りの時間を次第に短くしていきます。

 すると、小回りBをしているはずのK嬢の板は、どういうわけか弧を描き始めます。それも抜重の直前に、力を溜める動きまで見えます。K嬢にワケを尋ねたところ、「だって立ち上がるのに縮まないと立ち上がれないから、さっきの急停止の時の動きを入れてみました」だって。この子、天才だっ!~o~

 その感じで小回りをやらせたところ、彼女の板は、お見事に丸い弧を描きました。初心者の小回りにありがちなワイパー状の動きは全くありません。最初に強いエッジングを覚えたので、エッジングの後、抜重すると板が走って次のターンポジションが出来てしまい、全くワイパー小回りにはならないんです。

 こういう教え方は、SAJスキー教程に反する教え方なので、普通のイントラさんはやりません。でも、今は亡きグッギーの教えに近いはずです。

 次に、大回りをさせてみると、良いスピードではあるけれど浅い弧でサイドカーブなりのターンをしてきたので、「板がフォールラインを向くあたりで、さっきのカカトを使った急停止の感じで板を外に押してみよう。板がたわんで弧が深くなるはずだから」とアドバイス。彼女の板は見事な深い弧を描いてきました。

 「カカトで板を押すと、板が走ってなんだかキモチ良いです」などと嬉しいことを言うので、「板を押したら、その板を開放してやろう。板がヒューンて走るから」とアドバイス。リフト一本滑る十数ターンの中で、彼女の板は一、二度、キレイに抜けて走りました。滑り終わった彼女の目がキラキラしています。「キモチ良いです~~」。

 そう、それがスキーの面白さってモンなんだよ。~o~

 夕方、ちょっと締まったバーンで大回りさせたところ、見事に板をたわませ走らせました。斜度が急になってスピードが出れば出るほど、変なクセも出なくなり、少し急な斜面で検定してくれたら、テクニカルプライズくらい受かりそう。実は、三日前まで、彼女は普通の二級だったんですけどね。一級を三日で飛び越えました。~o~;;;

 こういう斜度もスピードも怖がらない子は、しっかりしたエッジングを教えたら、あとはそのスピードに任せてやると、スピードが滑りを磨いてくれるんじゃなかろうか、と思いました。むやみにプルークなんてさせてたら角を矯めて牛を殺しちゃうヨ。

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