「良心」の死~『古文研究法』小西甚一著
某女性ボーカリストの死が世の中を賑わしていた日、新聞の死亡記事の欄に一人の老碩学の死が、慎ましやかに紹介されました。小西甚一筑波大名誉教授。享年91才の大往生だそうです。
ワタシ、別に小西教授とは面識もなく、もちろん教えを受けたこともないのですが、この方は、「先生」とお呼びしたい気になる方です。(ワタシゃ、自分自身が教えてもいない人間に「先生」と呼ばれるのはあまり好きでなく、従って、他人様をお呼びする時にも、なるべく「先生」をつけません。まあ、個人的に尊敬している人だとちょっと別ですが、単なる同僚には「先生」とつける気になれません)
小西教授と言えば、我々には『古文研究法』です。だから小西教授へのリスペクトは、この本へのリスペクトということになります。今回、ちょっとこの本を見直してみたのですが、こりゃたいした本です。よくもまぁ、こんな本を書いたもんだし、よくもまぁこんな本が売られ続けていたもんだ。
兎に角、ボリュームがあり過ぎます。本編だけで400ページ以上あり、しかも、この細かい文字。硬い文章。こんなもの現代の高校生、買うわけないです。しかも、所々に理解し難い説明が出てきます。例えば、二種類の助動詞「なり」と形容動詞語尾の「なり」を判別する問題に関して、
「判別法は、連用形『に』を作ってみて、成立しなければ(2)(伝聞推定の助動詞「なり」)であり、さらに「に」を「が」に置きかえ、主格にしてみて、それが成立するなら(1)(断定の助動詞「なり」)である」
なんて書いてある。つまり「男もすなる日記」という言い方は、「男もすに」と言えないから<伝聞推定>、「都なり」は「都が」と言えるから<断定>というわけです。
いや、そりゃ確かにそうはなりますよ。でも、その「成立する」とか「成立しない」とかってのを今の子供にやらせて判ってもらえるかしらん。おまけに四段動詞に「なり」のついた「住むなり」なんかについては、文脈からの判断で済ませちゃうし・・・。なるほど、この判りにくさじゃ売れなくなったのも無理はないかもネ。~o~;;
しかし、しかしですよ。この判りにくさ、難解さ、そしてマイナス要素としてのボリュームにも関わらず、この本は昭和三十年の初版以来、五十年に渡るロングセラーで、まだ売られているんです。もちろん、出版社始めとして関係各位の努力もあろうけれど、この本をこれほどまでのロングセラーとなした主要因は、おそらく小西教授の「良心」なのではなかろーか。
小西教授自身が昭和四十年にお書きになった「改訂版のあいさつ」を引用してみましょう。
「『自分の書いた本には、どこまでも責任を持ちたい』という約束に、私は忠実であった。この本は、初版このかた幸いにもずっと好評で、先生がたからも高校生諸君からも絶大な支持を頂戴した。こうした支持に答えるためもあって、私は毎年、すこしでも気に入らない所や新しい考えの出た部分があれば、どしどし書き直してきた。(中略)十年にわたって書き直したけれど、私の本にはまだ不備があるかもしれない。だが、良心だけは、ぜったい不備でないつもりである」
お見事です。「先生!」って呼びたくなる気持ち判るでショ。ワタシはこの文章だけで、この人を尊敬する気になりました。
実際、内容的にも、随分良心的と思わせる箇所があります。例えば、敬語の説明。この本執筆時の従来の学説による説明を紹介した後、この時点での新しい考え方を紹介し、「まことに明快な説明で、将来はこの考え方になってゆくだろう」などと書いてます。こういう書き方、参考書の中ではなかなか出来ないんですよね。煩雑になって読者を混乱させるし、読者にウケるわけがないもの。でも、小西教授の良心が従来の説のみを記してしらばっくれることを許さなかったんですね。
そして、実際にこの新しい考え方は、現在の主流の説明になっていきます。そういう意味では、この五十年前の参考書は、現在のベストセラー、某有名講師Aの本などよりも遥かに進んでいます。だって、某有名講師Aの敬語の説明は、小西教授の「従来の学説」以前だもの・・・。~o~;;;
現在、『古文研究法』は、本屋の片隅でひっそりと売られ続けています。その傍らでは、某有名講師Aの新著や、漫画のキャラクターを使うという思いつきダケで勝負しているベストセラーが平積みされて売られています。まことにウンザリする眺めです。
小西先生のご冥福とともに、小西先生の死がそのまま出版業界の良心の死とならないことを願って、合掌。
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コメント
私はとうの昔に受験を終えて、予備校業界や教育とも無関係の者です。
『古文研究法』はインターネット上での評判を聞いて購入して一読したことがあります。受験参考書というより、教養書といった趣がありますね。
ところで、同書にある敬語法の新しい説明(馬淵和夫説)は、話題についての敬語を「動作主尊敬」「対象尊敬」、話し相手についての敬語を「謙譲」「丁寧」と分類していますが、この分類に則った参考書はどのくらいあるのでしょうか?
私の知る限りでは、馬淵和夫先生が編者になっている『講談社古語辞典』が上記の説の通りで、中村幸弘先生の編著の本(『正しく読める古典文法』、『ベネッセ全訳古語辞典』など)と『新明解古語辞典』が、謙譲語I(馬淵説「対象尊敬」)・謙譲語II(馬淵説「謙譲」)という、同工異曲の分類をとっているようです。
ということで、新説に基づいた古典文法書というのは、『正しく読める古典文法』しか存じ上げないのですが、まだほかにもございますでしょうか? ご教示いただければ幸いです。
投稿: ラッコ | 2009年2月28日 (土) 10時30分
書き込みありがとうごさいます。
実は、現在、その方面の資料の全くない山奥におりまして、お返事を書くことができません。
一週間ほどしたら、またこのブログに来てみてください。
でも、ワタシなどよりラッコさんの方が敬語にお詳しいかもしれませんね。多分、山から下りてもマトモなお返事は書けないかもしれません。ご容赦ください。
投稿: Mumyo | 2009年2月28日 (土) 19時12分
> 実は、現在、その方面の資料の全くない山奥におりまして、お返事を書くことができません。
休暇をお過ごしでしょうか。お邪魔してしまったようですみません。
投稿: ラッコ | 2009年3月 1日 (日) 13時53分
東京の自宅へもどっていますので、ワタシの判る範囲、手元にある資料の範囲でお答えします。
実のところ、ワタシは、国文学系の人間で、国語学系の方から見ればほぼ敬語素人でして…、と先に言い訳をしておきます。~o~;;;
さて、その上での話なのですが、「話題についての敬語」を「動作主尊敬」と「対象尊敬」に分ける考え方は、参考書の世界でもかなり一般的だと思います。例えば、手元にある『0からわかる古文』(武藤元昭著 ライオン社)、『古文の基礎』(宮腰賢著 旺文社)なども用語こそ異なりますが同様の考え方で書かれていると思います。
また、ウチの予備校などでも、多分古文講師の全員がこの考え方で教えています。
ところが、「話し相手に対する敬語」を「丁寧」と「謙譲」に分ける考え方は、参考書の世界ではあまり一般的ではありません。ご指摘の中村さんのもの以外ですと、『古文解釈の方法』(関谷浩著 駿台文庫)が、下二段「給ふ」と荘重体敬語(かしこまった表現)を別枠とする考え方を示している程度ではないでしょうか。
実は、高校生・受験生が古文を学習する上では、「話し相手に対する敬語」を二つに分ける必要は、下二段「給ふ」の説明の時にのみ生じます。ですから、ワタシも授業ではこの関谷さんの考え方に近い教え方をしています。
しかし、「話し相手に対する敬語」を二つに分ける考えた方は、参考書の枠を離れれば、一般の方の目に触れる機会も多くなってきているのではないでしょうか。
学問的多数派なのかどうかはちょっと判りませんが、『敬語』(菊池康人著 講談社学術文庫)なども謙譲語をAとBに分けていますし、2006年秋に文化審議会国語分科会敬語小委員会がまとめた敬語を五つに分ける指針案なども、この考え方の延長線上だと思います。
投稿: Mumyo | 2009年3月 6日 (金) 10時59分
お返事ありがとうございます。大変参考になりました。
「話題についての敬語」を「動作主尊敬」「対象尊敬」に分けるというのは、用語の違いはあれ、定説といってよいようですね。1967年に初版の出た『精講古典国語』(鈴木一雄著・学生社)も、話し手がへりくだる云々といった説をわざわざ誤りと断じた上で、上記の考え方を紹介しています。この点、私の通っていた予備校の講師は某マドンナを「年配系オ○ノ式」などと痛罵しておりました(笑)。
ただ、謙譲語IIがそれほど普及していないというのは、やはり生徒をいたずらに混乱させないためのようですね。その意味では中村幸弘氏の本(『ベネッセ全訳古語辞典』、『正しく読める古典文法』、『入試に出る古文単語300』)は、良かれ悪しかれ学問的忠実さを優先したといえましょうか。
ところで、mumyo先生は生徒さんにどういった古語辞典を推奨されていますか? 私は高校時代に『ベネッセ全訳古語辞典』を教師に勧められて買ったのですが、古文が苦手で興味のなかった私はほとんど使いませんでした。ずっと後になって、古文に興味が出てからようやく、こんなに学問的な辞書だったのかと驚いている次第で、まさに猫に小判とはこのことですね。
投稿: ラッコ | 2009年3月 6日 (金) 13時47分
古語辞典に関しては、「推奨」をしていません。ある程度の厚さの紙の辞書を持っててくれれば十分と子供達には言っています。つか今の子達には、その程度にしか期待できません。
今の子達は古語辞典を電子辞書で済ます子が多いです。理系だと全く買わないなどという剛の者もいます。だから、ある程度の厚さで紙のものがあったら、それでOKと言わざるをえません。
ただし、もしどうしても推薦しろと言われたら、「全訳」モノは避けさせます。例文を全訳しているのは、一見便利そうですが、そういう訳の中には、明らかな誤りが含まれていることもあり、授業と矛盾してしまうことがしばしばあるからです。
多分、例文の訳なんて、辞書執筆者の弟子の大学院生あたりがやってるんじゃないでしょうか。
投稿: Mumyo | 2009年3月 7日 (土) 17時23分
そういえば最近は電子辞書に古語辞典が搭載されていますね。でも、たいてい全訳辞典のようですけども。
紙の辞典を生徒さんに持ってこさせるのはどういう理由でしょうか? やはり一覧性とか、とにかく紙の辞典に慣れておくべきとか、そういったことでしょうか。
ちなみに、mumyo先生はどちらの古語辞典をお使いですか?
投稿: ラッコ | 2009年3月11日 (水) 12時55分
電子辞書でも持っていないよりははるかにマシなので、電子辞書の子を怒りはしないのですが、以前、こんなことがあって
http://mumeinikki.cocolog-nifty.com/miwa/2008/01/post_ffe7.html
やはり、文系の子は、電子辞書以外に紙の厚めのものも持っていてほしいかなと。
ワタシ自身は、福武の古語辞典(「全訳」ではないもの)を主に使ってます。なぜかって言うと、まあ、もらったからなんですが…。~o~;;;
でも、実のところ、あんまり古語辞典にはこだわりがありません。どうせ一長一短だと思うからです。自宅で仕事をする時は福武以外に何種類か持っていますので使い分けてます。
投稿: Mumyo | 2009年3月11日 (水) 17時25分
すみません。上記のアドレスは2008年1月12日の「東京は疲れる」です。
投稿: Mumyo | 2009年3月11日 (水) 17時29分
なるほど。たぶん件の電子辞書に搭載されているのは全訳辞典だと思うのですが、多くの全訳辞典が「入試まで対応」と謳って2万数千語を収録していても、実際にはそれでは間に合わないのですね。
私は『ベネッセ全訳古語辞典』『新明解古語辞典』『講談社古語辞典』を持っていますが、一長一短なのは確かですね。
投稿: ラッコ | 2009年3月13日 (金) 14時28分
はじめまして。辞書ですが、土屋博英『MD古文』はどうですか?もしくは『旺文社高校基礎古語辞典』はどうですか?
投稿: | 2013年1月 6日 (日) 22時35分
まず、質問なさっているあなたを何とお呼びしたら良いのか、また、どういう立場の方なのかが判らなければ、答えようがないと思いませんか。
呼び名は返事を書くのに不自由だという程度なのですが、あなたの立場が判らないのは全く困ります。高校生なのか、受験生なのか、受験生であれば文系か理系か、それとも、趣味で古文を読んでいる社会人の方なのか、あるいは、古典研究を志す大学生や院生なのか、あるいは、塾や予備校の講師なのか、高校の教師の方なのか…。
それがまるで判らない状況で、マトモな答えが出ると考える方がオカシイでしょう。そう思いませんか。
とは言え、実は、今、あまり時間がないので、仮に受験生だとして、簡単にお答えしてしまいます。
受験生だとすれば、『MD古文』だけで済まそうとするのは、あまり感心できないことかもしれません。実は、当該書籍を所有していないために、詳しくは判らないのですが、AMAZONの商品紹介を見ると、「受験生に必要最低限な知識を厳選した」「用例はすべて過去の入試問題から採用し、語義も最小限度にとどめた。受験に関係ない情報は入っておらず」とあります。こうした場合、たいてい「受験勉強」に必要な語彙が網羅されることはないからです。
もちろん、現物を見ていないので、責任持ったことは言えません。一般的な話に過ぎませんので、ご了解ください。
また、『旺文社高校基礎古語辞典』は当該書籍を所有しているので、実物を見ているのですが、いかにも薄くコンパクト過ぎます。この程度の厚さの辞書だと、ある程度長い期間マジメに受験勉強していれば、不自由なことが必ず起こるはずです。
ただし、これらの辞書の利便性は否定できません。早い話が学校へ持って行くだけなら、これらの辞書でも良いのではないでしょうか。その際、必ず、自宅に調べるための厚い辞書を用意してください。
投稿: Mumyo | 2013年1月 7日 (月) 06時24分
私の立場を書かずに戸惑わせてしまい申し訳ありません。私は英語講師ですが、他の科目の勉強も生徒から相談をうけています。朝鮮学校では日本語の授業は、時間がないので古文漢文はほとんどやりません。なので大学受験にどういう参考書がいいかを受験生に教えたいのです。
投稿: | 2013年1月 7日 (月) 10時27分
ご返事が遅れてすみません。
事情はよく判りました。
そういうことでしたら、
古語辞典に関しては、上記のようなことで良いと思います。
また、参考書に関しては、当ブログのカテゴリー「古文の参考書」をクリックして「間違いのない参考書選び」という記事を見ていただけると、ワタシの考えが判ると思います。
投稿: Mumyo | 2013年1月 9日 (水) 23時54分
ご返答ありがとうございました。
しかし、やや私と考え方が違う部分があるようにも思います。
私は、高認予備校や大学受験予備校でも教えたことがありますが、「受験というのは合格点をとればいいのであって、満点を取る必要はない」と言っています。
TOEFLなどの試験でも、英語ネイティブの大学生も知らないような単語が出てきますが、そんなのはわからなくても目標点が取れるのです。
古文で言えば、『土屋の古文単語222』に載っていないような単語はわからなくても、他の受験生もわからないのだから影響ない、と言えないでしょうか?
そう考えると、あなたの考え方は完璧主義すぎる気がします。
投稿: 英語講師 | 2013年2月 5日 (火) 15時27分
「英語講師」さんは、古語辞典のことをお尋ねなのではないのですか。いきなり古文単語集を持ち出されても、それは話が違っているのではありませんか。
例えば、英和辞典を推選しろという生徒に英語の単語集を薦めますか。
両者は別物です。英和辞典は調べるための物、単語集は覚えるための物です。当たり前ですね。
ワタシは、別に「完璧主義」ではありません。あなたのお考えとほぼ同じ考えを持っています。「違う部分がある」とお感じになったそうですが、それは単なる勘違いでしょう。
単語集なら「222」でも構いません。実際、生徒がそれを持ってきて尋ねたら、「それで良いよ」と指導しています。しかし、古語辞典は、ある程度詳しい物を自宅に用意しておかないと、学習を進めて行く上で不都合なことが起こるはずだから、厚めの紙の辞典を一冊用意した方が良いですよと言っているのです。
それを「完璧主義」と呼ばれては…。
投稿: Mumyo | 2013年2月 5日 (火) 21時24分
わかりました。あくまで調べるためということですね。
では、調べるための辞書は、きちんとした出版社のものならどれでもいいでしょうか。
英語と違って、古文は変化しないので、新しいものである必要はないですよね。
投稿: 英語講師 | 2013年2月 6日 (水) 10時20分
そうですね。個人的な経験から言って、この25年くらいの間に編集された古語辞典で不自由を感じたことはほとんどありません。
ただし、国語学もゆっくり進歩しているので、新しい物の方がベターであることは確かです。30年以上前の物は避けた方が安全かもしれませんね。
投稿: Mumyo | 2013年2月 6日 (水) 16時46分
ところで、私が東大受験生だったとき(合格できませんでしたが)、鮫島正英の書いた参考書は非常に良いといわれました。しかし出版社倒産のため絶版となっています。貴殿はご覧になったことがあるでしょうか?
投稿: 英語講師 | 2013年2月 7日 (木) 09時13分
寡聞にして、全く存じません。
投稿: Mumyo | 2013年2月 7日 (木) 15時41分
申し訳ありませんが、生徒が入手する可能性の少ない参考書に関して、ワタシが購入するということはありません。他人様が書いた参考書を見るのは仕事に限りたいと思っています。ワタシは他人の書いた参考書を見る趣味はありませんので。
また、そのアフェリエイト云々というのは、申し訳ありませんが、他所に行ってやってください。そのアフェリエイトとやらに関与する趣味も全くありません。
このブログでもアフェリエイトとやらに関わったことは一切やっていませんよね。そういうものに関わりたくないんです。
というわけで、上記のコメントは一週間経ったら削除させていただきます。
投稿: Mumyo | 2013年2月 7日 (木) 22時58分
それは申し訳ありませんでした。fukkan.comで良書が再版された例がいくつもあるので、fukkan.comにできれば協力してほしいと思っただけです。私はfukkan.comの社員でもなんでもありません。
投稿: 英語講師 | 2013年2月 8日 (金) 11時30分
別に英語講師さんを疑っているわけではありません。ワタシの個人的な好みの問題です。どうも、アフィリエイトというヤツは個人的に嫌いなんです。どうか、あしからず。
投稿: Mumyo | 2013年2月 9日 (土) 11時42分
ところで、慶應文学部では古文漢文を出題していませんね。ということは日本古典・日本史などを専攻する学生には高校レベルの古文漢文から教えているのでしょうか?
投稿: 英語講師 | 2013年2月13日 (水) 22時07分
すみませんが、質問する相手を間違えてます。大学のカリキュラムに関しては、個々の大学のサイトをご覧ください。
http://www.flet.keio.ac.jp/dep/jlit.html
投稿: Mumyo | 2013年2月13日 (水) 22時21分
『難関大突破 究める古文』は自習用としてどうでしょうか?
投稿: 英語講師 | 2013年4月15日 (月) 14時20分
当該書籍を所有していないのですが、立ち読みでザッと見た範囲で感想を言わせてもらうと、
・大げさなタイトルの割に、文法の説明がしばしば我流で、首をかしげたくなることもある。
(例)「謙譲語の敬意の対象は目的語」「『こそ…已然形、~』は、『こそ…已然形+ど、~」の省略形」などという説明は、キチンと文法を学んだ人間はしません。
・ずいぶん大げさで偉そうな物言いをする割には、内容はありきたり。
しかし、この程度の欠点をあげつらっていくとキリがありません。ワタシの方針は「間違ってなければ○」です。おそらく自分の生徒さんに積極的には薦めませんが、この本をすでに持っている子に対しては、特に止めなさいとは言わないと思います。
投稿: Mumyo | 2013年4月16日 (火) 22時34分
おひさしぶりです。
先日、灘校の名物教諭であった橋本武さんが亡くなったとの報道がありました。
ところで、橋本武さんの『古文重要単語』(日栄社)は、Amazonで中古品がなんと98,000という値で売られていてびっくりしました。どうしてこんな値がついているのかわかりますか?
投稿: 英語講師 | 2013年9月20日 (金) 22時06分
残念ながら、当該書籍を拝見する機会もなく、どうしてそんな値段が付くのかは、全く分かりませんが、間違いなく言えることは、普通の受験生は買わないし、また、その値段で購入しても値段に見合った価値などないということです。
我々とは別の世界の、趣味で参考書を購入したがる方がいらっしゃるということなのではないでしょうか。
投稿: Mumyo | 2013年9月20日 (金) 23時18分
そうですよね。ところで、日栄社は良心的な出版社として信頼して良いのでしょうか?英語の美誠社も良心的出版社でしたが、名著といわれた高梨健吉『基礎からの英語』を絶版にしたのが残念です。
投稿: 英語講師 | 2013年9月21日 (土) 10時47分
日栄社に関して何か詳しい情報を持っているわけでもなく、そもそも、出版社が良心的かどうか、何をもって判定したら良いのかも分かりませんので、積極的なコメントは控えたいと思います。
投稿: Mumyo | 2013年9月21日 (土) 16時31分
質問です。もし貴殿が高校教諭だったら、古典の教科書はどれを選びますか?
もしくは、検定教科書は使わずに授業されますか?
投稿: 英語講師 | 2013年10月15日 (火) 04時52分
すみません。高校の教科書は比較して研究したことがなく、まったく分かりません。
投稿: Mumyo | 2013年10月15日 (火) 07時57分
言い訳をしておくと、我々にとって、高校の教科書とは、教材作成の時に中身が重複しなければ良いという物でしかないので、自分で授業するという想定で見たことなど皆無なのです。
投稿: Mumyo | 2013年10月15日 (火) 08時00分
ところで、慶應義塾大学が、早稲田大学より偏差値を上にみせかけるために、入試科目から国語を排除していることについてどう思われますか?
国語をなくしてその代わり小論文にしてあるわけです。小論文も悪くはないと思いますが、基礎的読解力・思考力を試す試験は必要です。また、文学部の日本文学や日本史などを専攻する学生には、古文・漢文の知識は必須だと思います。
投稿: 英語講師 | 2013年10月16日 (水) 00時58分
「偏差値を上にみせかけるため」なのかどうかは、ちょっと判りませんが、国語の教師としては、「国語」を入試科目にしてほしいという気持ちはあります。
しかし、個々の大学の教育方針に関しては、我々が口を差し挟むことでもないので、まあ、お好きにやってくださいというしかありません。
投稿: Mumyo | 2013年10月16日 (水) 08時29分
すみませんが、お書込みになった情報に関して、ワタシは全く興味を持てません。また、「元大手予備校職員」とやらからのまた聞き情報などというアヤフヤ情報を、現役予備校講師のブログにさらしておくわけにいかないんですよ。
よって、この英語講師さんの書き込みは、明日削除させていただきます。あしからず。
投稿: Mumyo | 2013年10月19日 (土) 20時32分
申し訳ありません。
ところで、貴殿は上智大出身の「マドンナ」講師をたびたび批判されていますが、経歴詐称の吉野敬介についてはどう思われますか?
投稿: 英語講師 | 2013年11月10日 (日) 10時45分
他の予備校の講師の方個人個人の事情については、まったく知らないし興味もありません。
某有名講師Aの参考書や授業内容について批判したことはありますが、Aさん個人の事情について批判したことはないはずです。
おっしゃっている「吉野」さんという方個人については、執筆された参考書以外に全く知識を持っていませんので、「どう思うか」と問われても、「何とも思ってません」としかお答えのしようがありません。
ちなみに、特定の個人についてではなく、一般的な予備校屋の「経歴」や「学歴」というものに関して、個人的には、どうでも良いことだと思っています。予備校屋は授業が全てです。「経歴」や「学歴」はその個人の授業を彩る装飾品でしかありません。
したがって、そんなものを「詐称」したがる方がいたとしたら、それはそれでその方の自由なんじゃないでしょうか。他人様がどんな装飾品をつけていようと、それに関して、口を出す趣味は持ち合わせていません。
投稿: Mumyo | 2013年11月10日 (日) 11時10分
>予備校屋は授業が全てです。
確かにその通りでしょう。しかし、受験生は何十人もの講師の授業を受けて選択するということはできません。周りの評判や経歴などから判断するしかありません。しかるに、経歴詐称して自分を大きく見せかけようとするのは許されないと思います。
受験生の側でもバカな者もいますけどね。ある予備校の東大クラスの数学講師が東京理科大卒だったので、「理科大レベルの奴に教わりたくない」などといったたわけ者がいました。
漢文の宮下典男先生は、大学卒業後に早稲田大に学士入学したとの経歴を公表していますが、最初に卒業した大学を公表していません。それは全然構わないと思います。宮下典男先生の参考書を読めば良い講師であることはわかりますから、早稲田に学士入学する以前がどこであろうと関係ありません。しかし経歴詐称はどうでしょうか?
投稿: 英語講師 | 2013年11月18日 (月) 23時55分
うーん。多分、英語教師さんは、予備校のシステムを理解してませんね。
「経歴詐称」しようがどうしようが、授業がダメなら簡単にクビになるのが予備校というところです。そして、「ダメ」という決定権は生徒さんの方にあります。そこが高校と決定的に違うところなのですよ。
そういうシステムの元で、何年も講師をしているというのは、その先生に生徒に評価されるべき何かがあるからです。その「何か」が判らずに、こんなところで「経歴詐称」などとどうでも良い事を非難するのは、どうなんですかねえ。
それに、もう一つ。各予備校、細かいシステムは違うと思いますが、多分、共通しているのは、各教科、何人かの先生の授業を受けられること。例えば、ウチの場合、浪人生なら各クラス一週間に古文の授業は2~3時間あり、それぞれ別の先生が教えています。
ある一人の先生が自分に合わない場合、そちらの授業を切って、他の先生の授業だけ受けるというのは、よくあることです。もちろん、「切る」ということは、その生徒さんにとってはマイナスなのでしない方が良いのですが、先生が個性的過ぎる予備校に入ってしまった場合、「合わない」はありがちなことです。その場合、「切る」はよくあることです。そして、その選択の権利は生徒さんの側にあります。
その場合、「切る」ことによるデメリットは、そういう予備校を選んだ生徒さんの自己責任ということになります。これは、厳しい言い方になるけど、仕方ありません。
何にしても、この場で、他の講師の方の「経歴詐称」を問題にするというのは、お門違いな話なんですよ。
投稿: Mumyo | 2013年11月19日 (火) 00時56分
辞典のことですが、
>必ず、自宅に調べるための厚い辞書を用意してください。
とのことですが、高校や予備校なども用意しておくべきですよね?
大野晋・佐竹昭広・前田金五郎『岩波古語辞典 補訂版』
大野晋『古典基礎語辞典』
小西甚一氏『基本古語辞典』
を推薦している人がいましたが、これらを図書室に用意しておくべきですよね?
投稿: 英語講師 | 2014年1月14日 (火) 02時59分
ども、おひさしぶりです。
>高校や予備校なども用意しておくべきですよね?
それぞれの学校に事情はありますから、「べき」とまで言えるかは判りませんが、「のぞましい」のは確かだと思います。
また、
大野晋・佐竹昭広・前田金五郎『岩波古語辞典 補訂版』
大野晋『古典基礎語辞典』
小西甚一氏『基本古語辞典』
の三冊を上げておられますが、特にこの三冊が図書室になければいけないとは思いません。何でも良いので、生徒が調べることのできる厚めの古語辞典が一冊あれば良いのではないでしょうか。
投稿: Mumyo | 2014年1月14日 (火) 07時03分
初めまして、私は約10年前受験期に読んで、小西さんの言われる良心にがっかりした者です。なぜ昭和40年から一切改訂されなかったのでしょうか?
宣言さるた通りに改訂を続けておられれば、今にも生きる参考書になったろうに、残念でなりません。
投稿: なべなベ | 2014年2月15日 (土) 03時14分
うーん、どうなんでしょう。ワタシにもわかりません。
ただ、本の改訂というのは、かなり大変なことですから。
多分、先生ご本人としては、あの内容で満足なさっていたのではないでしょうか。あの内容でも、決定的に間違えとは言えませんから。
投稿: Mumyo | 2014年2月17日 (月) 21時00分
はじめまして。
現在大学2年生で、来年東大を再受験しようと考えております。
当方かつて、某美人古文を使用して、K塾の模試でまあまあの成績を残すことができていたので(今思えば、解けないのでフィーリングで切り抜けた問題も多々あったな、、) 正直、このブログを見たとき愕然としてしまいました笑
さて、質問ですが
独学で勉強する場合、どのような勉強方法をとればよいのでしょうか?
幸か不幸か2年間古文に触れる機会が無かったため、古文の知識は忘れております。
私は小西先生の本(ちかみち、研究法、読解)をこなすしか、手が無いように思えてきましが、
具体的に、オススメの参考書があれば御教示いただければ幸いです。(このサイトを読んで、本屋に行くと、面白いとか30秒とかとんでもないキャッチフレーズの本ばかりで、まともな古文参考書など一冊もないのかと思うようになってしまいました笑)
よろしくお願いいたします。
投稿: K大生 | 2014年4月 9日 (水) 01時44分
東大を再受験ですか、うーーん。大変ですね。
センターで高得点を得るための速読能力と長文の大意を把握し選択肢のウソに騙されない読解力、二次試験を突破する正確な現代語訳の能力と説明問題に対処するための記述力が求められるということですね。
幸か不幸か、古文のことは忘れているとのことで、一からの出直しになります。せっかく一からの出直しですから、硬い本で文法の基本を学び直しましょう。文法系の参考書は買ってはいけない危ない本以外ならOKなのですが、昨年改訂された『古文解釈の方法』(関谷浩著 駿台文庫)などはかなり硬いシッカリした内容です。ただし、内容だけでなく文章も硬すぎて、根気のない方にはお勧めし難いのですが…。~o~;;
また、近年のセンターでは和歌が重視されています。和歌修辞を含めた和歌独特の表現や世界に慣れましょう。『百人一首』の注釈書で学習参考書として書かれたものがたくさん出版されています。そういうもので和歌に慣れておいてください。
古典語の語彙も増やしておかねばなりません。手っ取り早いのは、2~300語くらいが収録された単語集です。ゴロで覚える安直なものは避けて単語の説明が出ているものを選び、説明を熟読して一語一語の単語の理解を深めるよう心掛けてください。
ここまでがベースの部分です。なるべく早く済ませてください。
ここから先は、実戦的な訓練になります。予備校等に通う方ならテキストに頼るところですが、再受験ということは所謂「仮面」ですよね。
「仮面」の場合は、昔使っていた高校や予備校のテキストを再利用することになるのかと思います。『古語辞典』を頼りに設問に答え、自分の力で全文現代語訳する訓練をしてみてください。
過去問は、なるべく早い時期に一年分やって最終的な目標を把握しておきましょう。センターに関しては今年の問題は特殊なので参考になりにくいです。昨年までのものが良いと思います。
残りの年度の問題は夏からで良いと思います。センター古文は2001年頃から今の方向性が固まっていくので、2001~2014年の十四年分を使えます。また、二次はそれほど傾向に変化がないので、いくらでも過去を遡って出来るだけ多くの問題をこなしてください。出来れば、誰かアテになる方に答案を添削してもらうことをお勧めします。
「仮面」はいろんな意味で難しいし苦しいと思います。何が起こっても逃げない強い意志が必要です。頑張ってください。
投稿: Mumyo | 2014年4月10日 (木) 07時17分
御返事ありがとうございます。
オススメいただいた参考書で基礎固め頑張ります!
実戦的な訓練における添削が、頼りになる人間がいないので先生の授業とって見ていただこうと思ったのですけど、できないですね笑
自分でやるしかないようですので、鉄緑の本使って頑張ろうと思うのですが、添削における注意点はありますでしょうか?
お忙しいとは思いますが、御教示いただければ幸いです。
投稿: K大生 | 2014年4月13日 (日) 08時08分
授業さえ取れば、たいていの予備校屋は添削を引き受けると思いますので、もし、時間と予算的に可能ならば、ウチじゃなくても良いので、どこかの予備校の授業を取ることをお勧めします。
それが可能でない場合。「鉄緑」さんの本は、所有してないし研究したこともないので詳しくは知りませんが、生徒さんが時々持ってきて質問したりするのを見せてもらうと、やや考え過ぎてヒネった解答になる場合があるようです。そういう場合にも詳しい解説があると良いのですが、さほど解説も詳しくなく、「こんなことまで書かなきゃいけませんか」と生徒さんが困惑しているのを見たことがあります。
もし、解答解説について理解できないことがあったら、他の本の解説も参考になさると良いと思います。
投稿: Mumyo | 2014年4月15日 (火) 10時38分
>K大生さん
とりあえず、今日の書き込みは削除させてもらいました。おっしゃるようにメアドをここにさらすのは不適当かと思ったからです。
さて、その上で、うかがいたいのですが、今日のK大生さんの書き込み対して、疑問の点がいくつかありました。
>高卒で単課授業とれるところがYしかなかったので受けてみたのですが、、ダメでした笑
とありますが、この「ダメ」というのは、「添削」を受け入れてくれなかったという意味ですか?
また、
>先生の御教鞭を承りたいのですが
とありますが、ワタシの授業を受講したいと言う意味なのでしょうか。それとも、メールで個人的に添削してほしいということなのでしょうか。
メールでの個人的添削というのは、申し訳ないのですが、受けつけていません。というのは、主に時間的に無理があるからです。そんなことをネットで無限定に受け入れていたら、ワタシは寝る暇がなくなります。そんなことを受け入れると表明したが最後、K大生さん一人では済まなくなるでしょうから。
また、授業を受講した上で添削してほしいというのなら、それはOKです。ただし、K大生さんがワタシの出講している校舎の近くに住んでいることが条件になります。
多分、ウチの予備校でワタシの出講している校舎に行って相談してくれれば、何か手段があるのではないかと思います。
実は、ウチの予備校の受講システムについて、ワタシはよく知らないんです。なので詳しいことは校舎の職員さんに聞いてください。
投稿: Mumyo | 2014年5月 2日 (金) 21時45分
御返事ありがとうございます。
いえ、添削は受けてくれたのですが、赤本を見ながらの添削です、、汗
更にこの間、東大の問題を質問したのですが、こんなものの訳を問題として出す大学はないと言われ、質問にすら答えてもらえませんでした、、
1番オススメと言われた先生なんですけどね、、
御教鞭は、無名さんの授業を受けたいの意です。
単課はないので、先生ならなにか手段をご存知かと思ってお尋ねしたのです。
ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。
投稿: K大生 | 2014年5月 3日 (土) 08時23分
添削は、我々でも赤本を見ながらになります。その方が時間を節約できますから。
でも、「こんなものの訳を出す大学はない」は…。うーん、忙しかったんですかねえ。~o~;;
ウチの予備校の受講システムなのですが、よく知らなかったので、今日職員さんに聞いてみました。その結果判明したのですが、高校生クラスの授業は、K大生さんのような方は受講できないことになっているようです。ワタシは、その辺を勘違いしていて、高卒生でも事情によって高校生の授業が受けられるのではないかと思っていました。
高校生が受講しやすい雰囲気を作るため、高卒生が紛れ込むことを許可していないのだそうです。ゴマかして紛れ込んだ高卒生に対して、事情が判明した後に退学していただいたという事例もあるようです。
とすると、高卒生にとってもらうライブ授業の単課はないようです。すみません。ウチの授業を取ってもらうとすると、夏期講習になります。
投稿: Mumyo | 2014年5月 3日 (土) 23時05分
『古文研究法』の最終版は何年の第何版でしょうか?洛陽社はサイトがなく問い合わせできないので…
憲法の代表的教科書である芦部信喜『憲法』(岩波書店)は、第四版まで出ましたが、芦部さんの死後に高橋和之が改訂して第五版が出ました。それと同じように、『古文研究法』もこれからも深い学識を持った学者が改訂していってくれるのでしょうか?
投稿: 英語講師 | 2014年5月 7日 (水) 00時47分
うーん、お尋ねの件、全く判りません。僕も、この本の関係者というわけではないので、ネットで得られる情報ぐらいしか知らないんですよ。
投稿: Mumyo | 2014年5月 7日 (水) 09時43分
おひさしぶりです。
『古文研究法』は洛陽社倒産のため絶版となっていましたが、ちくま学芸文庫から土屋博映解説つきで出るようです。
http://www.amazon.co.jp/%E5%8F%A4%E6%96%87%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%B3%95-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E5%AD%A6%E8%8A%B8%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B0%8F%E8%A5%BF-%E7%94%9A%E4%B8%80/dp/4480096604/
これからも改訂していってくれる学者がいるでしょうか?
それとできれば、小西甚一『国文法ちかみち 改訂版』もどなたかに増補改訂していただきたいのですが。
以前、スキーについて述べたことがあるかと思いますが、また書いてみたいと思います。
投稿: 英語講師 | 2015年1月19日 (月) 04時56分