ネット文体!?にタカトシを思う(笑)
今日は池袋と市谷で授業の日でした。昨夜から、昨日、移動の最中に買った『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(光文社新書)という本にハマってました。太田直子さんという映画字幕翻訳者の方のエッセイなのですが、コレ、マジで面白いです。こういう特殊な位相から日本語に関わっている方のご意見って、妙に共感できます。ワタシも同じような立場だからでしょうか。
この本の中で、メール文体の「(笑)」や「!」「?」の多用について、太田さんは嫌悪感を示されているのですが、全く同感です。
「『(笑)』だけはどうしても好きになれない。少なくとも自分では絶対に使わない。あまりに安易だし、笑いを強要されているようで、うんざりする。」
ごもっともです。実は、以前から全く同じことを感じていました。メールに限らず、ネットの世界でも「(笑)」が出てくるたびにちょっと引いてました。ウチの古文の講師で、テキストの前書きにこの「(笑)」を使う人がいるのですが、このテキストを初めて見た時は本当にキレかかりました。若いモンに媚び売ってんじゃねーよ!って。
何故ですかねぇ。やっぱり、太田さんの言うように「笑いを強要されている」感覚なんでしょうか。可笑しくもねーのに笑えねーっつーの。
しかし、初期のネットコミュニケーションに必要な記号だったんだろうというのは理解できます。なんせ、ネットコミュニケーションでは全ての冗談は悪意に取られる可能性を秘めていますからね。~o~;;
ずっと以前、ネットを始めた頃、スキー関係のBBSで事あるごとに荒れる原因を作っていたことがあります。「この人が書き込むと荒れますねえ」とまで言われたこともあります。自分では冗談のつもりなのに、全く冗談と取ってくれないマジメな方が必ず出て来て。
それで、冗談だということを示すために「~o~」や「~o~;;」という記号を使うことを覚えました。「(笑)」よりは押し付けがましさがないと思って。まぁ、ホントんとこ、この記号だってちょっと不本意だったんですが、「~o~」なら、自分が笑いながら言っているニュアンスになるかと思いました。「(笑)」では、書いた側が笑ってるんだか、読む側に笑えと言ってるんだか判然としませんからね。
もしかすると、「人笑われ」を最大の恥辱とする日本社会においては、「笑っても良いよ」と許容する記号が必要なのかもしれません。考えてみれば、漫才における「ツッコミ」だって、笑いを許可する記号として機能しているのではないかと思いますし、所謂「お笑い芸人」達の、意味不明な「ギャグ」だって、「お客さん、ここは笑っても良い所なんですよ」という許容の記号なのかもしれません。だって、ホントんとこ、「欧米か?!」だけで笑えるって変でしょ。~o~
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コメント
(笑)に関しては、私も100%全く同感。だ~い嫌いです。「笑え!」とでも、言っているのかい?それとも、「ここが面白いよ」と教えてくれているのかい?
ってなわけで、私は見るたびにイヤになります。で、顔文字は可。とかく冷たくなりがちなメールの文章を和らげる効果があると思います。海外との英語でのビジネス上のやり取りでも、ちょくちょく使います。まあ、これも多用し過ぎると間抜けになるのも否めませんが。
「!」は多用しています。まあ、普通に話しているときでも、日本語でも「ちょ~!」とか「ものすごい」とかが好きだし、英語でも「very」「super」「extremely」などを乱発するクセがあるので....
投稿: Shu | 2007年6月20日 (水) 23時10分
へええ、顔文字って、英語圏でも通用するんですか。つか、あっちの人も使ってるんですか。
投稿: Mumyo | 2007年6月21日 (木) 01時43分
そうそう。でも、日本語フォントと比べてアルファベットは極端に少ないので、かなり限られてきます。一般的によく使われるのは、:-)とか:-( HTML形式のメールを使えば、もうちょっとキレイになります。日本語フォントを使った顔文字のバラエティはすごいですね。言語としての語彙の豊富さに比例する!?
投稿: Shu | 2007年6月22日 (金) 18時47分