丸沼のちょっとした思ひ出とアルティミットグリップ総括
今回の丸沼では、貴雄さんの他に、渡部浩司デモ、渡部三郎元デモ、榎並雪彦元デモ西村斉デモなどがレッスンを行っていたのですが、Kのみテラスさんで西村デモと同宿してしまい、宴会に同席させてもらいました。いやー、西村さんって良い人ですねえ。ちょと良い人過ぎて心配になるくらい。またまた応援する人が増えてしまいましたー。~o~
あちらでちらと小耳にはさんだネタ。オガは、新しいプラ板を準備しているらしいです。今のAG-HXにメタルを入れたもの。HXよりグリップが良くなるらしいです。そんなもの出たら、また欲しくなりそうでコワひ~。~o~;;;
グリップと言えば、アルティミットグリップですが、このブログではまだアルティミット自体のちゃんとした総括を書いてなかったですね。
アルティミットグリップとは、エッジのサイドをわざと凸凹にすることによってグリップ力を増そうというシステム。パンきり包丁からヒントを得たとか。板のセンター部分の両エッジが0.5mmくらいの深さでボコボコしています。ワタシは二年前から基礎大回り用にアルティミットを入れています。狙いはズバリ、車山対策です。アルティミットグリップはアイスバーンに強いのです。
ただし、二年乗ってみて判ったのですが、アルティミットはかなり極端に向いている雪質と不向きの雪質が分かれます。向いているのは、やはり車山のような人工雪と寒冷地の硬い斜面。アルティミットを入れた最初の年、車山のヴィーナスコース大回りで、ヴィーナスコース最大斜度のデコの下のアイスバーンを物ともせずに切って行って、東京都予選大回り種目で結構良い点を出したのが、一番良い思い出です。NZのMt.Huttあたりのハードバーンもアルティミット向きです。硬い雪で大回りをするには、本当に頼りになります。
しかし、向いてないのが新潟のキョロ雪。キョロ雪は湿気の多い中途半端にグリップする雪で、普通の板でも上手くズレてくれず、板が落ち着かなくなるのですが、アルティミットの場合、それが極端になり、ほとんど全くコントロール不能になります。アルティミット板で、キョロ雪のボコボコ斜面を降りた時は、怖かったですよ~。死ぬかと思いました。~o~;;
向いてないと言えば、部分的に青氷がのぞいている斜面というのも危ないです。アルティミットと言えども青氷の所はグリップしないのですが、その他の所で急激にガツンとグリップしてしまうため、膝を痛める可能性があります。
また、目的によっても向き不向きが分かれます。アルペンレースのGSの場合、ある程度以上のレベルのレーサーには向いていません。エッジが凸凹している分だけ摩擦が大きくなってターン中のスピードが落ちるんです。なので、硬い雪に四苦八苦する草レーサーには有効なのですが、ノーマルエッジでも狙ったラインをトレース出来る上級レーサーには向きません。
しかし、基礎大回りには向いています。基礎大回りはターン中のスピードが多少落ちても全く関係ありません。むしろ、アイスバーンで足元がしっかりしているメリットの方が大きいでしょう。
スキーヤーによっても向き不向きが分かれます。まず体力のある人、体に故障のない人が向いています。グリップが強いということは体への負担が大きいということですから。また、ある程度技術のある人じゃないと向いていません。グリップするということはズレ難いということです。雪質によってはかなり扱い難くなります。それに対応出来る技術がない人が履くと怪我の元になります。
さらに、メンテの点でも簡単ではありません。アルティミットを扱ったことのない職人にチューンナップさせるわけにはいきません。なので、どうしても、アルティミットを入れたショップでチューンナップを頼むことになります。
要するに、アルティミットは、車山のような硬い雪の斜面で行われる地方予選に出場する基礎の選手で体力に自信のある人が、大回り種目限定の板に入れるとかなり威力を発揮します。しかし、それは板のオールラウンド性を犠牲にした上での話。中途半端な気持ちではアルティミットはマイナスに働くだけです。根性決めて、こういう斜面のこの種目専用と割り切る気持ちがあれば、かなりの武器になってくれます。
こんなふうに使い方の限定されるアルティミットグリップですが、プラスノーは比較的向いているシチュエーションだと思います。プラスノー専用の板に入れるのは、昨日も書いたけど、それほど悪くない選択だと思いますヨ。
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