常識人は弱いんだよなぁ
今日は横浜で授業でした。授業そのものは順調だったのですが、授業後の質問の時間でのこと、またもや勉強方針についての質問がありました。センター試験を受験する理系の子だったのですが、文法と単語の勉強は一通り終わったのだが成績が伸びない、これから何をやったら良いか、という質問。
常識的に考えて、センター試験まであと100日のこの段階で出来ることは限られます。まず、どうしてもやらなければならないのは、過去問を使った演習。時間の使い方を体でおぼえるためです。自分のベストパフォーマンスを出せる時間の使い方は、自分で時間を計って過去問を解いて見出すしかないものです。このところのセンター試験の傾向から言って、過去七年分くらいは練習になりますから、本試追試を入れて十二問ほど練習出来ます。これは最低限やっておきたいこと。しかし、これにおそらく一月以上は掛かるでしょう。だって、古文だけ勉強するわけにはいかないのですから。
とすると、過去問の練習には、11月中旬、遅くとも11月末には取り掛からなければなりません。とすると、自由に出来る時間は、あと一月余り。この間に何をやったら効果的か、相談に来た子供と一緒に考えてみたのですが、結局、「今までの方向は間違っていないのだから、これから一ヶ月は、その方向を守ってテキスト中心に勉強しましょう」というやたらに常識的な結論に達してしまいました。
質問に来た子も、やっぱりそうかと納得したようなガッカリしたような顔をして帰りました。んで、思ったんですが、もしかすると、こういう時、ワタシはちょっと常識的過ぎるかもしれません。常識人の考え方は、長い目で見れば効率が良いはずなのですが、最早、センター試験までは短期決戦。どんな勉強法でも良いから、もっと子供のモチベーションを煽るような方向性を示してやった方が良かったのかもしれません。
単純で、必死になれて、これさえやればと信じられるような方法を示してやった方が良いのかもしれません。例えば、何かの参考書や問題集を強力に推薦するとか。
常識的に考えれば、参考書や問題集の類は、だいたい文系に配慮して作られていますから、センター試験を受ける理系の子には向いていません。おまけに今の時期から新しい参考書を始めるのは、やらずもがなの中途半端に終わる可能性がかなりあります。でも、そういうスガるべきワラを示してやった方が子供は安心するし、安心して必死で勉強すれば思わぬ効果が上がるかもしれません。
もっとも、いくら安心して必死で勉強出来るといっても、むやみに文法書や「公式」の丸暗記なんか勧めるのは全く無意味でしょうけどねえ。~o~;;
常識人のやり方では、勝率は良くても勝負弱くなるというのは、現実の様々な勝負所で実証されるテーゼのように思います。例えば、偉大な常識人、ソフトバンクの王監督は、レギュラーシーズンには強くてリーグ最強チームを編成できるのですが、短期決戦のプレーオフには極端に弱ひ・・・。今年も残念な結果に終わっちゃいまひた~。~_~;;;;
そんな例を先ほど、某NHKの『その時歴史は動いた』でも紹介していました。本能寺の変後、秀吉と覇権を競った柴田勝家、常識人だったみたいですねえ。合議制によって織田家を守ろうとした彼は、新体制を目指す非常識人秀吉に敗れ去っていきます。非常識なやり方の方が、短期決戦の戦国時代には有効なんでしょう。なんか悲しいなは・・・。
でも、自分で信じてもいない方法を子供に強力に押し付けるというのは、ワタシの趣味ではありません。しょうがないんでしょうかねえ。
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