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2008年6月14日 (土)

日本酒ソムリエにはなりたくない

 昨日の朝の仕事に備えて、一昨日は夜の間に池袋に移動、池袋のホテル泊まりでした。池袋へ行く前に、以前からちょっと気になっていた飯田橋の「萬集」という炭火焼の店に寄ってちょっと一杯。

 なかなか良いお酒を置いているようです。一杯目は石川県車多酒造の「五凛 純米大吟醸生」。二杯目は滋賀県畑酒造の「大治郎 純米吟醸 迷酒」でした。どちらもキレイなジワっとした酸と旨味を感じさせるお酒で、美味いです。「五凛」の方は想定内だったのですが、「大治郎」は予想外に美味くて驚きました。

 やや生っぽい風味があって、酸が口中でゆっくりとはじけていきます。酸度1.9なのだそうです。生原酒を瓶火入れしたんだそうですが、生っぽさが適度に抑えられてバランスの取れた良い酒だと思いました。

 んで、「五凛」を飲んだ時のこと。こちらのお店は酒と食べ物の組み合わせに凝るお店で、「五凛」に合わせた白レバーのパテを勧められたのですが、それをセットで注文して、出てきた酒を飲んでみると、室温になっています。以前から、居酒屋さんで時々不満に感じていたのが酒の温度のことでした。冷やし過ぎのことが多いんですよ。良く出来た日本酒は、ある程度、室温になじませた方が美味しいのに。

 なるほど、そういう点でも良く考えているなぁと感心して、お店の人に、「この酒はわざと室温になじませているんですよね」って聞いてみたら、「あれ?! 冷えてませんでしたか?」だって。ナンも考えてなかったんかいー。~o~;;;;;

 日本酒って、温度によって全然香りも味わいも違います。だから、お店の側が、その酒に一番あった温度ってどのくらいなのか、それを計算して客に提供してほしいもんだと思います。食べ物との相性を研究する店はあっても、そういう基本的なところに拘る店って意外と少ないんですよね。ほとんどの店が冷えてれば良いと思ってるらしいんです。

 だいたい酒の名前さえ間違えるお店多いですもんね。以前、「十四代」が売り出し中の頃、「としよ」と読んだお店のことを書いたことがありますが、「萬集」から飯田橋駅まで歩く途中で、「美酒」と看板に謳ったお店の、表に出したメニューに、「天の戸 美穂」って書いてあってブッ飛びました。「うましね」は「美まし稲」なんだけどねへ・・・。「善和鳥」(もちろん正しくは「善知鳥」)、「喜楽町」(「喜楽長」)なんてのも見たことがあります。いやまあ・・・酒なんて美味きゃ良いんですけどネ。~o~;;;;

 それと、日本酒を味わっていて不満に思うのは、批評する言葉の少なさ、基準の不確実さ。ワインなんかだと、批評する言葉が豊富で基準が明確なように思います。やっぱ、批評の歴史があるから。そこいくと日本酒は、雑誌なんか読んでても、ピンと来ないことが多いです。まあ、ワタシが知らないだけかもしれませんが、でも、目に付く範囲でしっかりした批評用語を使っている文章に出会ったことがありません。

 例えば、「百年前」はどこが不味いのか。同じ強い酸があっても「大治郎 迷酒」はどうして美味いのか。酸の質が違うんだと思うけど、明確にする言葉がありません。「大治郎 迷酒」の、酸がはじける過程で感じられる微妙な風味はどう表現したら良いんでしょう。判りません。誰か、しっかりした味覚の人、言葉と基準を作ってほしいもんだと思います。

 ・・・・・・「日本酒ソムリエ」とか「利き酒師」「酒匠」なんて呼ばれる資格があるようですが、上記のようなウルサイことを言う客が出てくるだろうと思うと、そんなものにはなりたくないなぁ。~o~ ~O~

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