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2008年6月10日 (火)

新しい酒と古い皮袋

 今、ウチの冷蔵庫には、最新の酒と最古の酒が同居しています。昨夜は、それを交互に飲んでみました。

 「最新」は、先日横浜で買ってきた花酵母の酒「天のしずく」。東京農大醸造科の最新の研究成果です。一方「最古」の方は、先週吉祥寺で購入した「百年前」という酒。これ秋田県日の丸醸造さん、『まんさくの花』の蔵元さんの酒です。なんでも、もう滅びかけていた酒造好適米「日の丸」を復活させたついでに、麹も酵母も仕込みも全て昔ながらに戻して仕込んでみたとか。つまり、百年前そのままの酒というわけです。

 んで、肝心の味なのですが・・・。うーーむ、コリャ勝負にならない。圧倒的に「天のしずく」でしょう。つか、全く別の飲み物みたいです。「百年前」は、生もと造りらしく酸味が強いのですが、ここまで酸が強いと、飲んだ瞬間、「え゛っ!?」って感じです。

 ただし、つまみを食べながら飲むとそれなりに美味さは感じられますから、食中酒としては悪くないかなぁ。一杯飲み終わって、もう一杯飲もうかナァと思えるのだから、それなりに魅力はあるんだけど、美味いかと聞かれりゃ、「うーーーむ」。~o~;;

 今の美味い酒の要素を少しずつ持っている感じはするんですよ。爽やかな香りはあるし、キレは良いし。でも、酸がアンバランスに強くて、乳酸飲料を飲んでいるようです。

 こういう酒を、「これが酒本来の昔ながらの美味さだっ!」って持ち上げちゃう人もいるんでしょうねえ。でも、日本酒が美味くなりだしたのは、つい最近ですからねえ。昔の方が美味いという和食一般のセオリーは当てはまらないと思うんです。日本酒だけは、最新の技術が最古に優ります。

 ところが、サッカーの世界だと、最新の理論で作られたチームは、しばしば古い発想のチームに苦戦します。例えば、先日のオマーンでのアウェイ戦で、岡田ジャパンは全員引いてカウンターの古典的中東サッカーに苦戦してますし、昨夜行われていたEuro08でも、フランスは、ゴール前に引きこもりムトゥを走らせるカウンターのルーマニアと引き分けました。

 さらに言えば、前回のEuro04優勝は、古典的マンマーク守備のギリシャでした。ドイツの古狸オットーレーハーゲルに率いられた守備的チームが、最新の理論で作られたはずの欧州強豪国を撃破し続け、とうとう優勝してしまったのは、未だ記憶に新しいところです。

 昨夜の結果だけ見ると、Euro08死のグループであるグループCの中で、開き直ってカウンターサッカーを展開するルーマニアはかなり台風の目になりそうです。まさか、今回も優勝させたりはしないと思いますが、もしかして、グループリーグを抜けるのはフランスではなく「古い皮袋」のルーマニアかも。

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