頑張ってもエラクない!
今日は、横浜で高二の東大志望者のための講座でした。授業が終わった後、講師控え室のワタシのところに、どこかで見たような顔の子が挨拶にやってきました。
彼は、昨年度の生徒さんでした。この春、滑り止めには受かったらしいのですが、志望校に落ち、多分、親御さんとモメたのでしょう、アルバイトして受験料をためながら来年の受験を目指して宅浪しているとのことでした。今日は、なけなしの貯えの中から、受講料を捻出して夏期講習を受けに来ているということでした。
話を聞いて第一感は、うわー、ヤバいなー、ってこと。宅浪はただでさえ妥協せずに努力し続けることが難しいのに、この子の場合、妥協する理由が揃いすぎてます。いよいよって時に、親が理解してくれなかっただの、金がなかっただの、アルバイトが大変だからだのって理由があっては、妥協して怠けちゃうだろー。
志を捨てずに頑張るのは美談かもしれないけど、頑張るだけでは何もエラくありません。もし、今春受かった滑り止めと同じ程度の大学にしか受からなかったら、彼の苦労はただの自己満足だったってことになってしまいます。
「頑張れよ」と激励しながらも、「君が宅浪した当初の目標を忘れて妥協してはいけないよ」とアドバイスしました。さて、何処まで理解してくれたやら・・・。
頑張るだけでは何の価値もないという点では、某TV局でやってた27時間テレビみたいなものでしょう。27時間不眠でしゃべり続けます!頑張ります!って何の意味があるんだ?!
コンビニでさえ、営業時間に規制が掛かろうかというこのご時世に、勝手に身内だけで盛り上がってエネルギー浪費を全国的に促しておいて、頑張りました頑張りましたって言ったところで、何の意味もありません。つか、もういい加減に、気づいてくれませんかねえ、独りよがりに。
逆に、愛の20時間テレビってのをやってくれたら、絶対支持するんですが。つまり、20時間放送したら、四時間は地球のために休みますと宣言するってこと。何処かの局で、やりませんかねえ、一年間くらい続けて。
閑話休題。27時間テレビに比べれば、件の宅浪君はまだマシですかねえ。例えどんなに失敗しても、世の中の厳しさを知って、人間的に成長できますから。
しかし、出来れば、来春、苦労した甲斐があったと美談になってくれることを願いつつ、何かあったら質問においでと言って送り出しました。彼によれば、挨拶に行くと、そう言ってくれる先生も多いけど、案外、冷たい反応の先生もいるんだそうです。まぁ、それが判っただけでも、宅浪した甲斐があったのかもね。
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