時代と夢の終焉
ホークスの王監督が辞任なさったそうです。ワタシゃ南海時代からのホークスファンなので、何とも・・・・。
95年に王さんがホークスに来た頃はハッキリ言ってひどいチーム状態でした。王さんが監督になっても二、三年は勝てる気のしないチームでしたが、これは、もう1977年に野村監督が辞めて以来の低迷ですからねえ。年季の入ったダメチーム。仕方の無いことでした。なんと、この時期、二十年連続Bクラスの日本記録を作っています。ワタシの青年期は、この超ダメチームとともにありました。暗~い時代でしたねへ。~o~;;;
しかし、王さんは、そのダメダメのチームを常勝チームに育てあげました。98年にAクラス入りして以来、リーグ優勝五回、日本シリーズチャンプ二回、十年連続Aクラスですもん。この十年間、良い夢見せてもらいました。~o~
王さんの監督として素晴らしいところは、いろいろ言われていますが、何と言っても目先の勝利だけを追わず、選手のための長期的展望を持っているということでしょう。例えば、95年の就任とともに取った城島健二捕手を使い続けて、とうとう日本球界を代表するキャッチャーにまで育てたこと。最初の数年城島は、ハッキリ言って、プロのキャッチャーとして通用するレベルではありませんでした。王さんの、城島の才能を見抜く目と使い続ける忍耐力が、城島の才能を開花させたのです。もっとも、ちょっと開花させ過ぎて、一番花のキレイなところで逃げられてしまいましたが。~o~;;
また、2003年の新人和田毅の起用法も記憶に残るものでした。この年の和田はすでに完成されたピッチャーでしたが、一年を戦うスタミナがまだなく、夏場にバテて投球内容が悪くなっていました。この時、ペナントレースを激しく争っている最中にも関わらず、また大きく勝ちこしているローテーションピッチャーであるにも関わらず、王さんは和田を二軍に落とし調整させたのでした。コレにはワタシもちょっと驚きましたが、このことが和田を見事に復活させました。結局、和田はこの年14勝5敗、日本シリーズの胴上げ投手にまでなり、新人王を獲得しています。
つまらない精神論で選手を追い込んだり酷使したりせず、選手のことを考えてやれるから、才能のある選手は長期的に活躍できるのです。だから、当然、選手に慕われます。ホークスの選手は、よく、「監督のためにも頑張ります」と言います。WBCで活躍したイチローも「この人のためにやりたい」と言っています。こんなタイプは、日本人の監督にはなかなかいなかったんじゃないでしょうか。
ただ、惜しまれるのは、有力選手の大リーグへの流出と2004年からのプレイオフシステム。王監督のやり方は、長期的には最強チームを作れるんだけど、短期決戦には弱いんですよね。プレイオフシステムさえなければ、少なくともあと二回は日本一になっていたはずです。それと、ジョー。マリナーズの城島は好きだけど、今となってはちと恨めしひ。
何にしても、我々ホークスファンは、王さんのおかげで良い夢を見せてもらいました。今、一つの時代が終わったって感じです。そして、きっと、ホークスファン以外の人も、一つの時代の終わりを感じているんじゃないでしょうか。それは、多分、野球というものに限ったことではなく、日本という国の一つの時代の終焉なのです。
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