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2008年11月 1日 (土)

値段の不思議

 最近、株式市場や為替の値段がよくニュースになりますが、アレは本当に不思議なものです。最安値などと言ってますが、数字を聞いただけでは全くピンと来ません。全く相対的なもの。素人にはわけが判らないです。

 日本酒の値段は別な意味でわけが判らないです。一昨日、自由が丘の居酒屋「すず屋」さんで、長野県岡谷市豊島屋さんの「豊香 純米原酒 生一本」をいただいたのですが、コレが美味い!ヨネシロという珍しい米で仕込んだものなのですが、みずみずしい香りと甘みは「十四代 本丸」ソックリ。

 でも、「豊香」は定価で一升2100円。居酒屋でも一合六百円ほどです。ところが、コレが「十四代 本丸」だったら、居酒屋値段で一合千円前後のはずです。

 正直言って、「豊香 純米原酒 生一本」は「本丸」より少し美味いと思います。でも、「豊香」って全く名前が売れてませんからねえ。ワタシも初めて聞いくらい。なんでも、豊島屋さんは今まで「神渡」というブランドだけを作ってたんだけど、数年前に「豊香」という新ブランドを立ち上げたらしいんです。だから全く知名度がありません。んで、こんなに安いんですね。

 考えてみると、「十四代」だって、かつては価格の破壊者だったんです。先行メーカーが10000円前後の値段をつけていたYK35に、5000円ほどの値段をつけて売り出したんですから。

 その「十四代」が価格破壊される側に回っています。「豊香」もそうだけど、広島の「本州一」なんかも、「本丸」の品質を、居酒屋では本丸の2/3ほどの値段で提供しています。こういうのと見ちゃうと、日本酒の値段って何なんだろうと思います。

 もちろん、コレはブローカーという「ダニ」のせいなのでしょうが、それにしても極端です。多分、今、日本酒の世界は動きが激しいから、値段の感覚が落ち着いていないということもあるんでしょう。美味しさと値段が、全く釣り合ってないこと、よくありますもんねえ。

 逆に言うと、日本酒は今、とても面白い時期にあるということなんだと思います。「豊香」みたいな思わぬ掘り出し物が、その辺にゴロゴロ転がってるんですから。

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