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2009年6月 7日 (日)

希望のしずく理念のしたたり

 昨日は八王子の豆腐料理屋「雪花菜」さんで、栃木県仙禽酒造さんの蔵元さんを囲む会がありました。仙禽酒造さんは、29才と26才の兄弟がそれぞれ蔵元さんと杜氏さんをしている若い蔵。お酒も若い感性が生かされた面白いお酒でした。山田錦を全く使わず、雄町と亀の尾で勝負しており、酒質は全体に甘酸っぱ系だとか。

 最初に「純米大吟醸 中取り 無濾過生原酒 雄町」をついでもらった時には、口開けだったせいか、一瞬キツい酢の香りがしてあせりましたが、その後そんなこともなく、蔵元さんが言われたほど甘酸っぱさも際立っているわけではありませんでした。冷たい間はサラリと入ってきて、高い酸と軽い甘さのバランスが上手く取れている感じでしたが、しばらく室温に馴染むと、含み香が立ち、厚みのある旨味が出てきて、こいつぁエクセレント。

 その後、「純米吟醸 中取り 雄町」「純米吟醸 中取り 亀の尾」「木桶仕込み キモト純米吟醸」「木桶仕込み 山廃純米」と次々出てきます。甘酸っぱさでいうと、「純米吟醸 亀の尾」が一番際立っていました。「三芳菊」クラスに甘酸っぱいです。個人的な好みで言うと、「大吟醸」と「きもと」がかなりハマる出来でした。

 蔵元さんに何故甘酸っぱ系なのかうかがってみたのですが、先代の時には淡麗辛口だったものを、これではいかんと今の蔵元さんになってから方向転換したとのこと。別に他の蔵のお酒を意識したわけではなく、現代の食生活に合うお酒ということで自然に思いつかれたとか。

 希望に燃える蔵元兄弟の若さに圧倒されつつも、楽しい時間を過ごしました。気づいたら、酒の方も少し過ごしてしまったらしく、お店を出た時にはかなりフラフラでした。ようやく帰宅してサッカーWカップ最終予選ウズベキスタン戦のTVをつけた瞬間に、TVの前で意識を失ってました。

 今日は、少し二日酔い気味で目を覚ましました。ヤバいです。実は、今日はさる業者さん向けの日本酒のイベントに潜り込む予定だったので。正直、ちょっと昼間からお酒を飲む気分ではなかったのですが、無理に元気を出して出かけました。

 昼食を取る暇もなく会場に駆けつけてみると、会場には食べ物はなく、空き腹で蔵元さん達のお話をうかがい、夏向けの日本酒を片っ端から試飲しました。

 今日、会場にいらしていた蔵元さんは、いずれも日本酒新時代の旗手と呼べるような気鋭の蔵元さんでした。「伯楽星」の宮城県新澤醸造店さんの蔵元さんが「我々は、それぞれの『理念』を持って酒造りをしています」とおっしゃっていましたが、まさにそんな感じでした。それぞれの蔵元さんから、「こういう酒を作りたい」という理念に基づいて酒を造っていることが伝わってくるホットなイベントでした。

 しかし・・・、折角のホットなイベントだったのに、こちらの体調がイマイチ。正直、あまり美味いと感じることが出来ませんでした。でも、多分、こちらの体調に加えて、各蔵とも、夏向けを意識し過ぎていたためのような気もします。糖度酸度を低くしてひたすらサッパリ系だったり、炭酸系の炭酸が抜けて気の抜けたサイダーみたいになっていたり・・・。今日来ていた蔵だったら、もっと普通に近いものを作ってくれた方が美味しいのに。

 そんな中、山形県酒田酒造さんの「上喜元 酒和地(しゅわっち)」、山口県澄川酒造さんの「東洋美人 夏の酒」、佐賀県小松酒造さんの「万齢 純米吟醸 夏の生」、島根県若林酒造さんの「開春 夏の酒 発泡生」あたりが好印象でした。

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