遠ざかる足音
昨日は横浜で授業だったのですが、その休み時間のこと。さきほど授業したクラスの女の子が三人、質問に来ました。「さっきの訳で判らないところがあるんですが、この『面目をほどこす』って何なんですか?」
最初、質問の意味がよく判らなかったのですが、どうも、「面目」という言葉自体を全く知らないようなんです。三人とも。
このクラスは、ウチの予備校では真ん中くらいのレベルの文系クラスですが、マジメな子が揃っていて、授業していて反応の良いクラスです。決して出来ない子ではないばすなんですが。全く聞いたことも見たこともないらしいんですよ、「面目」。~o~;;;
仕方なく、目の前で国語辞典を引いて確認してみせました。うーーん、とうとう「面目」もダメなのかぁ。
以前から、子供達の国語のボキャブラリーの急激な減少について書いてきました。決して難解な言葉ではなく、我々にとって日常的な言葉を今の若い世代は知りません。それが「ゆとり」のせいなのか、あるいはこのブログで何度も書いてきたように、携帯電話のせいなのか、それはハッキリ判りませんが、判っているのは、授業がとてもやりにくくなっているということ。
しかも、単に授業がやりにくいというだけでは済みません。「面目」は古文にもよく出てくる単語なので、この子達、「面目」を古文単語として暗記しなきゃならないんですよね。以前、「いきどほり」を古文単語として覚えなきゃいけない受験生のことを書いたことがあるけど、その時はまだ、そういう子は少数派だったような気がします。今回質問に来た子達は、決して少数派の困ったちゃん達には見えなかったんですよねー。~o~;;;
古文の時代がどんどん遠ざかって、判らないことだらけになっていくというのは、言ってみれば当然のことなのですが、この数年、遠ざかるスピードに異常な加速がついているように思います。いったいどうなっちゃうんでしょうねへ・・・。~_~;;;;;;;;;;
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コメント
語彙の貧困は時代の流れで仕方がありません。それよりなぜ先ず辞書で調べないのでしょうか。古文は辞書で調べても理解できない文がよくあります。それで先生に聞く。これが基本だと思います。学校の授業ならともかく、大学合格という目標があって予備校で学んででいるのですから、辞書を引くのは必須でしょう。古文も語学も。先生を「walking dictionary」と思っているのでしょうか。
投稿: 佐倉晩学 | 2009年10月21日 (水) 15時18分
佐倉晩学さんのおっしゃっていることは、まさに正論なのですが、我々は、もうそんな生徒さんに慣れてしまいました。自分で辞書を引けば解決してしまう質問ってモノスゴク多いんですよ。
というか、聞きに来てくれる分だけマシだなと思ったりします。~o~;;;
だから、聞きに来てくれた子たちには、目の前で辞書を引いたり、目の前で辞書を引かせたりすることで、辞書をひけば判るということは示してあげます。多分、辞書をひけば判るということすら、判っていないんですヨ。
投稿: Mumyo | 2009年10月21日 (水) 23時57分