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2010年4月29日 (木)

日本経済再生への提言

 一昨日、吉祥寺のいつもの居酒屋「わらう月」で、三重県元坂酒造さんの「酒屋八兵衛 山廃純米 無濾過 生原酒」をいただきました。こちらは、以前飲んだ「特別純米」と違って、かなり酸度もアミノ酸度も高く、それぞれ1.9と1.8もあります。これだけアミノ酸度が高いとかなり複雑な味わいがしますが、高い酸でうまくまとめている感じ。多分、ぬる燗くらいにした方が、酸が映えて良い感じになるのかもしれません。

 ネットで調べてみると、この元坂酒造さんは、県外にほとんど出荷せず、三重県内の消費量が生産量の98%なのだとか。これだけの酒を・・・もったいない。

 こういう蔵元さん、全国にいくらでもあるんでしょう。例えば、以前、このブログにも書いたことのある群馬県柴崎酒造さん。上原浩さんの『極上純米ガイド』に関東から六蔵だけ紹介された中の一つでありながら、まったく東京に興味を持たず、ほぼ99%地元の酒屋さんだけを相手に商売をしています。また、ワタシのお気に入りで栃木県渡邊酒造さんの「旭興」なども、ほとんど地元で消費されるらしく、首都圏ではほとんど見かけません。

 こういう蔵元さんがむやみに石高を増やすことは、必ずしも良いこととは思えませんが、もう少しだけ、無理にならない範囲で生産量と販路を広げてくれても良いのではないかと思います。

 ちょうど、高速道路料金の見直しが政治課題になっているようなので、前原国交相にお願いしたい。現在のバカ高い輸送コストが少しでも下がれば、こうしたまっとうな地場産業の東京進出を促進することになるはず。別にいきなり無料にしろとは言わないから、トラックの高速料金を少し下げてくれませんかねえ。

 今までのバカ高料金体系の見直しは、日本経済にとって再生のチャンスです。土日の乗用車だけを優遇しても、観光地を若干潤すくらいの効果しかありません。輸送コスト全体を減らせられれば、農業漁業や地方の製造業、あらゆる地場産業に恩恵をもたらすことになります。地方を活性化し、都市の物価を下げ、日本国民全体の幸福の増進につながります。

 モチロン、んでもって、ワタシも美味い酒が飲めてシアワセになります。あー、もう一度「船尾瀧」飲みてー!~o~

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2010年4月27日 (火)

オキテを破りたくなる頃

 以前は自宅では冷酒しか飲まなかったのですが、ここ二、三年ほど、時々、電子レンジで燗をします。特に、ここのところ、古川さんの本で刺激を受けたこともあって、ウチにある酒を燗して飲んでいます。ウチにある酒ってのは、尾瀬岩鞍にある吟奏の会の酒屋「アサヒヤ」さんで買ってきた「松盛 大吟醸 2006」と、近所の加枡屋さんで買ってきた「秀鳳 純米大吟醸 生原酒」。

 昔は、大吟醸を燗にするというのは厳禁でした。世間的にもそうだったし、自分でもそう思ってました。今でも、大吟醸酒の裏ラベルには、たいてい「冷やしてお飲みください」と書いてあると思います。あら、「松盛 大吟醸」にも書いてあったりして・・・。~o~;;;

 大吟醸を初めて燗で飲んだのは、八海醸造の宴会にお呼ばれした時ですから、もう五、六年も前だと思います。非売品の純米大吟醸のぬる燗を出されて、ビックリしたもんでした。まあ、ビックリついでにベロベロになるまで飲んじゃったんですが・・・。~o~;;;

 この「松盛 大吟醸2006」も、燗がステキに合います。2006から3年半ほど酒屋さんで貯蔵されていた酒なのですが、熟成された分だけ角が取れて丸くなり、そのためか、冷やだとおとなし過ぎてあんまり面白くなかったんです。んで、試しにぬる燗にしてみたら、これがハマるハマる。ジワっとした酸の刺激と熟成のまろやかさが見事にマッチングして、い~感じだ、こりゃ。~o~

 一方の「秀鳳」は生だけに、いよいよ燗はオキテ破りのはずなんですが、コレも結構イケます。こいつは冷やしたままでも、フレッシュな甘味と強めの酸がギリギリでバランスしていて、美味いのですが、燗にすると、冷酒のままでは強めに感じる酸が、じんわりと広がりを見せて良い具合です。

 まー、こういうオキテ破りは、これからどんどん増えていって良いんじゃないでしょうか。

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2010年4月24日 (土)

出来ない君たちの幸せ

 今年もまた、「出来ない君」たちの季節がやってきました。出来ない子のための特別授業が、今日、立川であったんです。

 毎年、この授業は、いかに本物の「出来ない」君を選抜して、少数精鋭のクラスを作るかというところに腐心します。それさえ出来てしまえば、授業の成功は約束されたようなものなのです。さて、今年はどうだったのかというと・・・、かつてなかったほどエクセレントでした~。~o~

 当初、五十人ほど受講の希望があると聞いていたので、校舎の責任者に、なるべく人数を絞ってくださいとお願いしたところ、見事に絞ってくれました。結果的に三十人ほど。見事なまでに「出来ない君」が絞り込まれています。

 この絞込みの部分で苦労したこともあるだけに、今回は感激しました。ここの校舎長の手腕は本当に見事。講師のやりやすさを、こちらのちょっとした言葉から考えてくれます。

 授業が終わった後、校舎長と少しだけ話しをしたのですが、本当に出来ない子供のことをわかってくれています。出来ない子というのは、単に勉強の知識がないだけでなく、ものすごくシャイなんです。今までの人生で、授業中に手なんて上げたことが無い連中なんです。だから、教師に対してまともに質問も出来ないんです。

 そういう出来ない子の側の事情を判ってくれている事務方、ウチじゃ意外に少ないんです。やっぱウチの事務方は、自分が学生時代に、優等生だった人が多いんじゃないのかな。出来ない子の気持ちは出来ない子を経験してないと判りにくいんだろなー。

 ところが、ここの校舎長は見事なほどにそこんところを判ってくれました。もしかして、本人も受験生時代、よほど「出来ない君」だったのか・・・。~o~

 こういう人が校舎のトップであるということは、授業する講師にも、授業を受ける生徒にも幸せなことです。少なくとも、今日、ワタシの授業を受けた「出来ない君」たちは幸せでした。徹底的に判るまで面倒をみてあげられたので。多分、今日集まった三十人は、みんな納得して帰ったと思います。良かったヨカッタ。~o~

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2010年4月23日 (金)

薦めない理由~『古文の読解』小西甚一著

 同僚講師が、先ごろ復刊された小西甚一著『古文の読解』を生徒さんに薦めていると聞き、ワタシも購入して読んでみました。

 実は、この本、今まで全く読んでいませんでした。ワタシがこの仕事を始めた時には絶版になっていたと思いますし、ワタシが受験生の時には・・・、ワタシゃ古文の参考書なんて一冊も使わなかったので。~o~;;

 んで、初めて読んだのですが、スゴイ本ですねー。ちとビックリしました。実況中継型参考書を先取りした口語文体にまず驚かされます。また、1981年改訂時の「はしがき」に示された満点を目指さず合格点を目指すというお考えや「太っ腹文法」という提案には大変共感をおぼえます。各章、各項目の説明も、大づかみなようでいて常に本質を踏まえた立派な説明だと思います。

 しかし、にも拘らず、ワタシは絶対にこの本を受験生には薦めません。

 まず、使われている受験問題が古過ぎます。復刻版の後ろの解説には、引用された受験問題の素性が明らかにされているのですが、年度の判っている物は、すべて昭和三十年代です。つまり、五十年前です。いくら何でも、もうこんな古色蒼然とした入試問題はどこの大学でも出しません。

 改訂版には「共通一次の問題」も掲載されていますが、これとて昭和54年。ナント、ワタシが受けた試験です。~o~~O~

 もし、こんな昔の問題の解法を今のセンター試験の対策だと思い込む受験生がいたら・・・、大変気の毒なことになります。なにしろ、小西先生は、「答案用紙に記入するための時間はわずかなのに、試験時間がタップリ与えられている」ものが客観テストだと考えていらっしゃるのですから。今の、ひたすら時間が逼迫するセンター試験とは全く別物です。

 しかも、小西先生のご説明にも、現代では通用しない説明が含まれてしまいます。例えば、敬語。この本の中で、小西先生は謙譲語を「へりくだり」で説明なさっているのですが、この考え方は小西先生ご自身が、後に『古文研究法』の中で否定なさっているものです。

 恐らく、もし、小西先生がご存命なら、こんな古めかしい本の復刻をお許しにならなかったのではないでしょうか。『古文研究法』の「改訂版あいさつ」で、あれほど改訂する良心を強調なさった小西先生が、この古色蒼然たる本を、改訂せずに出版されるはずがありません。

 もし、この本を現代の受験生が間違って購入し、そのために余計な苦労をするようなことになったら・・・、それは、この本の「はしがき」に示された先生のお考えに完全に反していることになります。草葉の陰で小西先生はどれほど切歯扼腕なさることか。

 それを思うと、絶対にこの本を受験生に薦める気にはなりません。単なる個人的なノスタルジーで受験生を迷わせるようなことは、小西先生の精神に反することでもあり、また、教師たる者のして良いことではないと、ワタシは考えます。

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2010年4月22日 (木)

ふたたびホット問題

 昨夜は町田での仕事の後、町田の居酒屋「さんかつ」さんで夕食でした。こちらはかなり古くからある町田の銘酒居酒屋。今の場所に移転するまではよくお世話になっていました。日本酒の品揃えも豊富だし、従業員さんたちも本当に地酒のことを判っている人ばかりで頼りになります。

 んで、またまたタイムリーな酒を飲んでしまいました。栃木県島崎酒造さんの「東力士 熟露枯 山廃純米 BY17」と「東力士 熟露枯 純米吟醸 山田錦 BY15」。

 島崎酒造さんは洞窟貯蔵をかなり大規模にしている蔵元さんで、この「熟露枯(うろこ)」は、洞窟の安定した温度を利用して熟成を進めたお酒なのだそうです。そのためか、どちらも古酒にしてはキレイな酒で、品の良さがあります。山廃の方が熟成香があり、酸も強くしっきかりした味。純吟の方は、ほとんど熟成香がありません。

 ワタシ的には、この熟成香なるものは苦手です。そのために古酒に対して評価が厳しくなります。今回の「熟露枯」は両方とも品の良い熟成香だったのでOKなのですが、それでも、熟成香がプラスアルファになるとは思えません。多分、古酒好きの人ってこの熟成香が好きなんでしょうねえ。そこのところで熟成に対する考え方が分かれるんじゃないかと思います。昨日紹介した古川さんなんて、ホント、熟成が好きみたいですから。

 山廃と純吟を常温で飲んだ後、山廃の燗を頼んでみました。うーーん、こりゃ燗の方がんまい!常温だと多少尖がっていた酸が、丸くなっているのが判ります、やっぱ、熟成した古酒って燗に向いてるんですかねえ。

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2010年4月21日 (水)

ホットな酒ホットな問題

 最近、どうも身近に迫ってきたホットな問題があります。ちょっと前からチラついていたのですが、最近その問題に接する機会が特に多いような気がするんです。悩ましくて自分一人では解決しそうにないその問題とは・・・フレッシュな酒と熟成した酒、冷やした酒と燗をした酒はどっちが美味いのか???~o~

 なんだか、のーてんきな話ですが、日本酒の世界ではかなりホットな話題だと思います。蔵元さんたちも研究中のようですし。

 最近、古川修という人の『世界一旨い日本酒~熟成と燗で飲る本物の酒』という新書を読んでいるのですが、なかなか面白いです。この人、かなり思いいれたっぷりで熟成に耐える酒だけが本物だ、燗で飲む酒が最高だと訴えています。実際のところ、この人がこの本で紹介している蔵元さんの酒は、ワタシが飲んでも美味しいと思うので、おっしゃっていることは確かだと思うのですが・・・。

 でも、なんだか全面的にうなづくわけにもいかない気がします。例えば、この人は香りの高い吟醸酒の欠点として、「香りの高い酒は食事と合わない」「食事との相性が悪いことは、当然飲む量が少なくなるという結果を生む」と書いてますが、コレってどうなのか。

 確かに、あまりに香りの高い酒は食事と合わせにくいかもしれないけど、ワタシの経験から言わせてもらえば、多少香りが高くったって、吞み進めていけば気にならなくなるモンです。だって、酔ってしまうと嗅覚は一番先にニブくなるから。

 それに「飲む量が少なくなる」からって消費者にとってはマイナスにはならないでしょう。むしろ健康のためには、香りの高い酒を少量楽しむ方が理想的なはず。

 そもそも、この人、大学の先生らしいんですが、「私の研究室の大学生に(自分が熟成させた)日本酒を飲ませてみると全員そろつて、美味しい、これまでの日本酒のイメージが変わったと言う」なんて大威張りで書いてますが・・・、学生ってのは、教授の意に反するようなことは、絶対に口にしないモンですゼ、センセイ。~o~;;

 そんなことを考えている最中の昨日、ちょうどタイムリーな酒を飲んでしまいました。いつもの吉祥寺の居酒屋「わらう月」で、最初の一杯が愛知県長珍酒造さんの「長珍 純米60直汲み」。直汲みらしいシュワっとした微発砲に生らしいフレッシュな香り、酸度2.0のジワッとした酸と深い旨み。んーー良い酒です。

 んで二杯目が同じく長珍酒造の「長珍 純米吟醸 生生熟成」。BY15で七年間貯蔵したものだそうですが、穏やかな熟成香にまろやかな味わい。んーーー、コレも悪くない。

 同じ長珍さんの新酒と七年貯蔵酒だったのですが、どっちが美味いかと言えば・・・、どっちも美味いとしか言いようがありません。結局、ワタシにとっちゃあ、どっちも美味いんだよなー。~o~;;;;

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2010年4月18日 (日)

かぐら花盛り

 昨日に引き続いてかぐらでした。今日は快晴。みつまた集落に泊まったのですが、朝八時半の段階でみつまたロープウェイの駐車場は満車でした。朝食を食べ終わる頃に、泊まっていた宿の駐車場に片山秀斗元デモが車を停めさせてもらいに来ましたから。

 かぐらに上がってみると、すでにスキー馬、スキー鹿の皆さん、うじゃうじゃと滑ってます。朝のうち、さほど気温が上がらなかったので、快晴にも関わらず昨日に続いて雪は悪くないです。まずは整地バーンで大回り。昨日と同様よく滑ります。

 昼が近づくにつれ気温徐々に上昇。午後は主にテクニカルコースでコブ三昧だったのですが、同じように考えた人が多かったんでしょうか。たちまち何本ものラインコブが発達し、テクニカルコースはコブの花盛りでした。しかも、積雪が十分なため、コブ底が出ることもなく、雪がキレイです。

 また、滑ってるスキーヤーも華やかです。元デモが小林平康、山田博之、豊野智広、片山秀斗の皆さん。それに岡田利修選手も来てたし、他にもタダモノじゃない風の人たくさんレッスンしてました。

 ワタシの滑りの方は、モーグル修行の甲斐あってソコソコでした。でも、モーグラーがコース外に作った細かいラインに何度か行きましたが、かなりヤラれちゃいました。やっぱ、モーグル開眼は一日の夢かねえ。~o~;;

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2010年4月17日 (土)

滑るっつ!!

 今日は、かぐらでした。朝、自宅を出て昼頃かぐらの駐車場に着いてみると、なんと、駐車場は満車。駐車場の外のどこかの宿の駐車場に停めさせられました。なんだってこんなに客がいるんだー?!

 昨日からの寒波で、夜の間に雪が降っていたこと、他のスキー場がすでにクローズドしている時期であることなんかが原因なんでしょうが・・・、今シーズンもまた、かぐらの一人勝ちってことですか。

 かぐらまで上がってみると、意外に良い雪です。湿気を含んだ新雪だったのですが、気温が低いままだったので、妙にツルツルと滑ります。板が走り過ぎて最初のうち体が着いていきません。しかも、積雪量がハンパじゃありません。クワッドリフトの真下のコース上に「頭上注意」なんて看板が立ってます。リフト上のスキーヤーの板が頭に当たりそうなくらいの積雪量ってこと。ひえー、この季節にコレかよ?!

 天候は曇りのち晴れ。時々ガスがかかりましたが、まずまずのコンディションでした。そんな中、スキー馬、スキー鹿の皆様、うじゃうじゃと滑ってます。デモ有名スキーヤーのキャンプもたくさん来ていた模様。知り合いにもたくさんお会いしました。

 湿気のある雪だったので、小さなボコボコは出来ましたが、比較的良いバーン状態のまま夕方まで滑れました。こりゃあ今年は、まだまだスキーシーズン終わりませんゾ。~o~

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2010年4月16日 (金)

ガラガラと春の顔

 昨日から一月期の授業が始まりました。第一週は毎度おなじみの「買ってはいけない」バナシです。各クラス全部同じ話になってしまうので、だんだんデジャブーが起こってきて、「コレは話したはずだ」との戦いになります。~o~;;

 春期講習の最後の授業で、ちょっと張り切り過ぎたのか、あるいは授業後のうがいが不十分だったのか、声がガラガラになってしまいました。予備校屋はどうしてもチョークの粉を吸い込むので、授業後にキチンとうがいをしないとノドを痛めてしまいます。あんまり体に良い仕事じゃないよなぁ。

 ガラガラ声がなかなか回復しないうちに一学期が始まってしまい、今日あたり、ちょっと話すのがツラかったのですが、仕方ありません。土日でなんとかノドを回復させないといけません。まあ、土日は、声を使うところに行かないので大丈夫。足は使うケド・・・。~o~

 今日の夜は、八王子で高校生の仕事でした。ウチの高校生クラスは、ウチを卒業した大学生を頼んで各クラスの面倒見係りのアルバイトをやってもらっているのですが、今日の授業のアルバイトの子は、どうも見覚えがあると思ったら、昨年のこのクラスの卒業生でした。第一志望の東京外大に入ってくれたとのこと。あらためて挨拶されるというのは、ちょっとテレますが、まあ、卒業生の希望に満ちた明るい顔というのは、良いモンです。

 春だなぁ~。~o~

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2010年4月15日 (木)

ほのぼのときわやかな前日

 昨日は一学期開講前日。のんびり出来る最後の日です。午前中はのんびり雑用、午後はこの時期毎年恒例の模試の作成会議でした。

 毎年のことですが、この会議は長いこと一緒にやっている先生ばかりなので、ほのぼの和気藹々です。何かトラブルがあっても、たいてい誰かが解決策をひねり出してくれます。こういう時に、ウチの古文の先生方のレベルの高さを実感します。

 なんとなくほのぼのと良い雰囲気のうちに会議は終わり、夕方は、内弟子Yと待ち合わせて吉祥寺で映画を見ました。内弟子Yは洋画好きで、もう一月も前から、レオナルド=ディカプリオ主演の話題の新作「シャッターアイランド」を見に行きたいと言っていたんです。

 んで、終わった後の彼女の第一声、「ディカプリオが朝青竜デス!」。内容に関しては、「何だかサッパリ判らなかったけど、気持ち悪かったデス」だそーで。~o~

 ワタシゃ結構面白いと思いましたけどねえ。レオ様だって、演技派に脱皮したいんですよ、きっと。

 映画の後、吉祥寺の居酒屋「ヘチ貫」で夕食。一杯目は三重県元坂酒造さんの「酒屋八兵衛 特別純米 無濾過生」。含んだ瞬間にインパクトのある含み香。くわー、なんとも際立つ酢酸イソアミル。直後に豊かな甘旨味があって切れています。きわやかな香りと甘味が印象的でした。伊勢の小規模な蔵元さんのようですが、久々に、やってくれるなーという感じでした。

 こんな良い酒飲んで、美味い物食って新学期を迎えちゃったら、頑張らないわけにいきませんかねえ。~o~;;

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2010年4月13日 (火)

今日だけのモーグル開眼

 今日は、昨日に引き続き、丸沼で試乗トレーニングでした。今日の丸沼は大快晴。暖かくなって雪も緩みましたが、そんな中、ゴンドラをグルグル回ってコブ三昧でしました。

 

 昨日に続いてモーグル板と自分のコブ板を交互に乗っていたのですが、最初は自分のコブ板C5.2SPが乗りやすくなるというだけでした。しかし、トレーニングを進めていく中で、次第にモーグル板の方に乗りやすさを感じてしまった自分が怖ひ・・・。~o~;;;

 

 どうも、モーグルポジションを徹底すると、モーグル板の方が失敗が少なくなるような気がします。モーグル板は、むやみに回りすぎないし、柔らかいけどある意味ニブいので、返り過ぎてオツリをもらうことも少ないので。

 

 それで、今まではモーグラーの特殊なテクニックだと思っていた直線的なライン取りも、ある程度できるようになってしまいました。モーグル板は、モーグルポジションさえ保てれば、ホント素直に直線的に落ちて行ってくれます。モーグラーの直線的な滑りは、実は板の特性に適ったことだったんです。

 

 今日の最後の一本は、ホント我ながら、マジのモーグラーのようでした。モーグル開眼です。

 

 まー、もっとも、IDoneをアルペンさんに返してしまったので、もう来週になったら出来ない滑りなのかもしれませんが・・・。~o~;;;;;

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2010年4月12日 (月)

試乗トレーニングと今シーズン最大の後悔

 昨日、試乗を終えてから丸沼に移動。今日は丸沼で滑りました。今日の丸沼は雨。一日中、小雨が降り続きました。気温もそこそこ低くなったので雪になるかと思ったのですが、ギリギリで雪に変わりませんでした。しかも、時折ガスが掛かって所々視界も悪くなります。

 そんな悪コンディション、しかも平日なのに、人がいますねえ、丸沼。主にパークで遊んでいるボードの子達なのですが、このコンディションの中、一日遊んでいるとは、なかなか根性のあるヤツらです。

 ワタシの方は、先日試乗に失敗したIDoneのモーグル板を持ち込んでコブの練習でした。今日の丸沼は、シルバーコースに掛かる第三リフトを動かさないのだそうで、仕方なくゴンドラを利用して山頂からグルグル回ってのトレーニングだったのですが、かなり効果あったと思います。

 モーグル板と自分のコブ板C5.2SPとを交互に乗っていると、次第にC5.2SPが楽に乗れてくるのが判ります。

 基礎板でばかりコブを滑っていると、切り替えからコブの最大斜度のところへ向かってトップを落とし込んでいく中で、どうしても立ち上がったり足首膝を緩めたりしてしまいます。それでも滑れるからです。ところが、モーグル板だと、モーグルポジションをキープしなければ、天然コブの中では板がバラけてしまって上手く滑れません。自然と、フォームに気を使ってコブを滑ることになります。

 強制されたポジションで、今度は基礎板に乗ってみると、先落しの部分で余裕が出来るのが判ります。そこで余裕があれば、コブの中では何でも出来ます。

 今日だけで、少しコブが上手くなったんじゃないかと思います。惜しむらくは、このようなトレーニングを車山の都技選八技選の前にやらなかったこと。ちょっとは結果が違ったでしょうにねえ。

 それが、もしかして、今シーズン最大の後悔かも。~o~;;

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2010年4月11日 (日)

ヒミツの隠れ試乗会かよ?

 今日は珍しく早朝に自宅を出て、岩鞍へ向かいました。実は岩鞍スキー場は、先週の日曜でクローズドだったのですが、今日はヒミツの隠れ試乗会があったんです。

 とゆーのは、もちろん冗談。実は、リンクファストというショップの試乗会なのですが、まだ昨年立ち上がったばかりのショップなので、知名度がなく、お客さんが極端に少ないんです。ちゃんとスキー雑誌のサイトで告知していたんですけどねえ。お客さん、全部で、十数人くらいじゃないかしらん。もしかして、ショップの人とリフト係りを合わせると、客の数と同じくらいかも。~o~;;;

 しかも、先週スキー場がクローズドしてしまったため、ゲレンデの一番下には融雪剤が撒かれていて滑れず、リフト一本分車で上がっての試乗会。なんか、極秘で開催された隠れ試乗会みたいな雰囲気なんです。

 にも関わらず、試乗会バーンのチャンピオンコースはかなりキチンと整備されて硫安が撒かれ、ポールセットまで立っています。実は、リンクファストというのは、一昨年までここでずっと試乗会をしていたミナミさんが、昨年からスキーを扱わなくなったため、スキー部門の方達が独立して立ち上げたショップなんです。そのため、岩鞍スキー場とも上手く連携がとれているらしく、かなり手際よくグッドコンディションを作ってくれました。

 これでお客が少なかったのは、本当に気の毒なのですが、我々参加者にしてみれば、コレは大ラッキー。希望の板には乗り放題だし、ゲレンデはガラ空きの上、整備されてるし荒れないし、言うことありません。思う存分、滑らせてもらいました。~o~

 唯一の心残りは、お目当てのBlizzard G-Force Supersonicが来てなかったことですが、まあ、それは仕方ないでしょー。その他の乗りたい板には存分に乗せてもらいました。

 つーことで、なんとなく、来期の購入板が見えてきたかも。~o~

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2010年4月10日 (土)

春の冒険とちょっとした「ここから」

 一昨日は吉祥寺で仕事の後、普段であれば、いつもの居酒屋「わらう月」へ行くところなのですが、ちょっと思いついて八海山常連仲間のN君に紹介された居酒屋「鮮魚屋」へ行ってみました。

 魚屋さんが経営している居酒屋なのだそうですが、繁華街から外れた場所にあり、しかも、入り口が判りにくいために、ちょっとした冒険気分でした。若い男女二人で板場を仕切っているようなのですが、このお兄ちゃんの板さんの方がなかなかの日本酒マニア。メニューにもなかなか良い筋の蔵が入っているし、ワタシの見たことのない銘柄が四つほど含まれていました。

 しかも、ここの店のうれしいのは、ミニグラスで注文できること。一合で頼んでも良いのですが、ミニグラスでいろんな種類を飲むことも可能になってます。これは地酒マニアにはうれしいシステム。なかなかやるなぁ、お兄ちゃん。~o~

 当然、見たことなかった四つの銘柄を次々頼んでみました。四つとも比較的糖度が低く、どちらかと言えばサッパリと爽やかな酸を感じさせるタイプだったのは、こちらのお兄さんの趣味なのでしょう。その中では富山県富美菊酒造さんの「羽根屋 純米吟醸 槽しぼり」と石川県宮本酒造さんの「夢醸 純米吟醸」に好感を持ちました。

 どちらも大変小さな蔵なのですが、マジメな酒造りで現在売り出し中らしいです。んで、これをアジの刺身に合わせてみました。先日、記事にした田崎さんの本によると、アジの刺身は、「純米酒でも特別純米酒のような爽やかさも感じられるふくらみのあるタイプを、タタキなら10度くらいの温度で」とのこと。「羽根屋」でも「夢醸」でもこの条件にほぼ合います。刺身自体も美味しかったし、んー、満足。

 さて、このついでに田崎流のマリアージュに合いそうな酒を、今まで飲んだものの中から考えてみました。

 ・マグロ大トロ

 「トロの脂の風味をより楽しむのであれば、甘口と称されるタイプで、数年間熟成させ、ほんのりと山吹色に変化しナッツ様の風味の備わっているような長期熟成酒がよいと思う」

⇒「旭興 特別純米生原酒 二段式酸基醴もと仕込み」~田崎さんの言う熟成じゃないけど、甘口で長期熟成に負けないコクと風味は、この酒でしょう。

・サーモンの刺身

 「サーモンの脂の香りと柑橘類の風味もよく合うので・・・日本酒のタイプは、大吟醸酒のように華やかで爽やかな香りのあるものである。純米大吟醸ではなく、醸造用アルコールを使った、よりシャープな味わいの大吟醸酒をさらに爽やかに味わうために5~10度の温度で合わせるとよい」

⇒「まんさくの花 別格大吟醸」~華やかで爽やかでシャープな感じの大吟醸というと、コレくらいしか思いつきません。

 ・ホタテの刺身

 「柔らかな甘みと上品な旨み、滑らかな酸味のバランスはホタテ貝の身質によく合う。・・・香りの穏やかなタイプの吟醸酒を10~15度の温度で」

⇒「花陽浴 純米吟醸 山田錦」~上品で穏やかな吟醸酒というと、まずコレが思い浮かびます。「愛乃澤純米吟醸 山田錦50 オレンジラベル」なんかも良さそうです。

 ・ホヤ

 「大吟醸酒の華やかな果実香はまったく合わない。ならば、純米酒かというと、香りが上品で、滑らかな味わいの純米酒では、ホヤの苦味に負ける。山廃造りの純米酒のように乳酸やアミノ酸量の多いタイプがよく、2度の火入れを経て1年以上熟成せさ、香りが穏やかでミネラル香がより強調されたタイプの酒を、45度くらいの燗で甘味度合いを上げ、ホヤの苦味を酒の甘旨味で包み込むように味わうとよい」

⇒「旭興 玄米仕込み 生酛純米」~田崎さんはホヤにシェリー酒を合わせると言ってますが、ならばシェリー酒のような香りを持つこの酒でどうでしょう。山廃じゃなくても生酛ですから、その点でもOK。この酒を燗にした時の甘旨味なら、ホヤに負けないはず。

 ・マダイのカブト煮

 「一般にマダイのカブト煮の味付けは、キンキよりも濃い味に仕上げる。したがって、酒の味も、より濃い印象を持ったもので、例えば、3年ほど熟成させた山廃造りや、精米歩合が70%ほどの純米酒で、色がほのかに山吹を帯び、ナッツやカラメル、樹脂や枯葉などの香りを感じるような日本酒をやはり燗で味わう。コクのある味わいと、複雑な香りにより、濃く味付けされたカブト煮とマッチする」

⇒「竹鶴 合鴨農法16BY」をぬる燗で~3年はちょっと過ぎてるけど、コイツのぬる燗のコクと旨みはカブト煮の味付けに十分対抗できるはず。

 ・ヤナギムシガレイの一夜干

 「豊かさと上品さ、深みを同時に感じる一夜干に合う酒のタイプは、日本酒ならば純米吟醸の低温で熟成させた古酒。柔らかく滑らかでありながら、余韻は上品で、なおかつ、熟成によりほのかにナッツのような香りを感じる酒」

⇒「義侠 純米吟醸BY12」~純吟を低温で熟成させて柔らかく上品な感じって、まさしくコレにピッタリ。でも、「ヤナギムシガレイ」なんて食べたことないんですケド。~o~;;

 ホントは、もっといろんな酒をマリアージュさせてみたいけど、なんせ、田崎さんは生や微発泡のタイプについて書いてくれないモンで。~o~;;;

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2010年4月 7日 (水)

試乗の失敗、トレーニングの成功

 昨日、一昨日と来期板の試乗にかぐらへ行ってました。某アルペンのカリスマ店員Yさんに頼んで、来期のコブ板候補、IDoneのMR-CEを借り出して試してみたんです。んで、結論。失敗だ~。~o~

 実は、この板、一昨年、アルペンさんの五竜での試乗会で好印象を得ていたので、まず、間違いなく、来期購入と思っていたのでした。おまけに上村愛子選手使用モデル。ミーハーのワタシとしてはタマリマセン。~o~

 コブ板は、06-07シーズン以来、HartのC5.2SPという板を使ってきました。この板、全日本技術選の選手がコブで使うために開発されたというシロモノで、「米丘スペシャル」とも呼ばれていた物です。サイドカーブはHart社の昔のSL板で、素材はほぼモーグル板ですから、SL板とモーグル板の良いところを備えています。

 素材がモーグル板なので、非常に軽く、コブの中でのトップ落しやリカバリーが容易で、しかも、純モーグル板よりもトップが広いため先落しした時のトップの捉えが楽という、コブ板としては理想の板でした。しかし、さすがに4シーズンも使っては、もうそろそろ限界のはず。

 しかし、あまりにもスペシャルな板であったためオールラウンド性に欠け、08-09シーズンには製造中止になっていました。つまり、現在はもう買えないってこと。後釜探しが焦眉の急となり、MR-CEに白羽の矢を立てていたのですが・・・。

 かぐらでMR-CEを試乗してみて、まず非常に頼りなく感じたことに驚きました。以前、五竜で試乗した時は硬い雪だったのですが、今回はグサ雪。そのためか、コブ以外の所を滑ると、板の軽さが災いしてパタパタします。バンクっぽいラインコブの中でも、トップの捉えが遅く、キョロキョロと不安定な挙動をします。困ったな~。

 そこで、「モーグルポジション」のキープを徹底してみました。「モーグルポジション」ってのは、狭いスタンスで足首膝を十分に曲げたモーグラーの基本姿勢のことで、もしかするとワタシの造語かもしれません。ですが、モーグラーはどんなコブの中でもこの低い姿勢をキープして滑るわけで、必然的に板が体から離れず、常に板の上に重心が位置することになります。それがモーグラーの安定したコブ滑りのポイントなんです。

 実は、ワタシも普段からこのポジションをコブの中で意識しているのですが、やっぱ普通の板だとそれほど徹底してなくても乗れちゃうんで、つい甘くなってました。このポジションを徹底してみたところ、今までのパタパタがウソのように収まり、上手く乗れて来ました。バンクコブの中だと体を丸くしてジェットコースターに乗ってるみたいになりますが、結構いい感じ。やっぱ、純モーグル板は乗り方が限定されるってことか~。

 この乗り方でこんなにいい感じなら、来期はこの板で良いかなーと思ったのですが、ちょっと今までのHartに乗り換えてみたら・・・。この乗り方でHartに乗るとなんだかメチャ楽です。なんかコブが上手くなった気分です。そーか、C5.2SPもこーやって乗りゃ良かったんだ~。

 でも、今までの板の方がこんなに良いんじゃ、ちょっと乗り換えられないよな~。試乗失敗。まー、コブのトレーニングとしては成功なんだけどね・・・。~o~;;;; 

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2010年4月 3日 (土)

ここから、きっと~『「和」の食卓に似合うお酒』田崎真也著

 最近、昼間、暇な日が多いので、つい本を買って、電車の行き帰りで読んでしまいました。世界最高峰ソムリエ田崎真也氏の、和食と酒に関する新書です。

 まー、ハッキリ言って期待していませんでした。田崎ソムリエが日本酒も好む人であるのは知っていましたが、所詮、この人はワインの人。日本酒の知識なんてたかが知れてるはずだと思っていたからです。

 ところが案に違って、けっこう面白いですよ、コレ。和食の素材、和食の料理に関して、田崎さんが合うと思われるワインと日本酒を提示していくのですが、さすが田崎さん、和食の知識も豊富だし、こちらの想像力を掻き立てる文章を書いてくれます。特に、世界中のワインの知識と味わいの描写は秀逸ですし、日本酒に関しても、いちいち飲む温度を指定してくるあたりは、なかなかやるなぁ。~o~

 しかし、いかんせん、日本酒の知識が薄っぺらでやや古めかしいです。日本酒の味の区別を、アル添の大吟醸、アル添の吟醸、純米吟醸、純米、山廃造りの純米、本醸造、古酒の七種類くらいしかしてくれないし、たいていの和食食材に対して、「二回火入れの純米酒を冷や、またはぬる燗」が合うことになっています。そんなの世界の田崎ソムリエを頼らなくたって見当つくんでわ・・・。~o~;;

 例えば、生酒はどうなのかひやおろしはどうなのか、最近流行の高酸度の酒や低精白の酒はどうなのか、甘酸っぱ系の「三芳菊」や「仙禽」のようなニューウェーブはどうなのか、酵母や米の種類や仕込み水の硬度の違いはどうなのか。火入れまでの期間を短くしてフレッシュな味わいの食中酒を目指す宮城の酒や伝統的な越後の端麗辛口はどうなのか、にごりやおりがらみや発泡系や直汲みなどの微炭酸はどうなのか・・・・。

 田崎さんの食事とワインを合わせるマリアージュの知識と繊細な味覚と文章力は、こちらの想像力を掻き立てるものがあるだけに、最近の日本酒について、もう少し勉強していただけると、もっと楽しく有意義な和食と日本酒のマリアージュの本が出来るんでしょうけどねえ・・・。

 でも、和食と日本酒の相性の研究は、この本が出発点になる気がします。ここをタタキ台にして、何かが始まるんじゃないか、そんな幸せな予感を抱かされてしまいました。まー、そんなに簡単でもないんでしょうけど。

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2010年4月 2日 (金)

月やあらぬの日々

 ここ数日、体験授業と春期講習でウチにいます。この時期は、夏や冬と違って、それほど忙しく仕事があるわけではないのですが、一日のうち一時間でも仕事があれば、スキーに行っちゃうわけにゃいきませんからね~。~o~;;

 今日は横浜で某W大対策の講座でした。さすがに春からW大対策なんて受ける子はマジメな子が多くて、授業後も質問者が列をなしたのですが、その中に某出版社の問題集を持ってきた子がいました。その問題集に載っている文章についての質問です。

 『伊勢物語』第四段。在原業平と二条后高子とのロマンスを語る一節で、入内によって女を失った業平の次の絶唱で名高い章段です。

  月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ わが身ひとつは 元の身にして

  (月は昔の月ではないのか、春は昔の春ではないのか、私だけが元の身であって)

 この歌の、「月やあらぬ」「春や昔の春ならぬ」の「や」が<疑問>なのか<反語>なのか、解説を読んでもどうやって決めたら良いのか判らないという質問なのですが、そりゃーそうだ、そんなこと誰にも決められないもの。~o~

 この名歌は、その名高さにも関わらず、つか、名高いからこそ、<疑問>説と<反語>説の両説が古来並び立って結論を得ていません。古今集の諸注を見ると、<疑問>説の方が古そうで、近代の研究者達の支持も受けているようですが、理屈屋の本居宣長あたりが強力に<反語>説を主張したり、近代でも、金子元臣や窪田空穂なんかは<反語>派。

 現代の注釈書だと、同じ小学館古典全集の『古今集』小沢正夫は<疑問>、『伊勢物語』福井貞助は<反語>。ところが、新潮社古典集成の『古今集』奥村恒哉は<反語>で『伊勢物語』渡辺実は<疑問>。それぞれのシリーズでアッチャコッチャでんがな~。~o~

 簡単に違いを言えば、<疑問>だと月や春が昔の通りではなく感じられると言っていることになり、<反語>だと昔のままだと言っていることになります。

 <反語>ととった場合に、「わが身ひとつは元の身にして」との関わりが問題になります。「さて身にしてといふは、身ながらの意にて、かくとぢめたる所に、昔のやうにもあらぬことよ、といふ意をふくめたる物なり」という宣長の論法なんかはかなり強引な感じがして個人的にはイヤなのですが、これも、一首全体を倒置として、

 「わが身ひとつは元の身にして、月やあらぬ 春や昔の春ならぬ」(自分一人が元の身であって、月が昔の月ではないなどということがあるか、春が昔の春でないなどということがあるか、いや、月も春も元のままのはずだ《それなのに何故か、すべては変わって見えるのだ》)

 と解釈すれば、不可能な解釈ではありません。個人的にはこれもちと理屈が勝ちすぎていて好きにはなれず、<疑問>説を採る方が好みかなとは思いますが・・・。

 まあ、なんにしても、両説並び立つ状態である以上、受験生にどちらかを決められるはずはないので、この問題集も、その旨、説明しておいてくれると良かったのですが・・・。

 ちょうど、この歌、春期講習の別のテキストに載っていて、つい数日前、授業で説明したばかりでした。さすがにウチのテキストは両説あることを前提に作っています。まあ、当然と言えば、当然なのですが。

 ところで、春期講習で我々が一番気まずいのは、講習の教室で去年一年見た顔を再び見てしまうこと。スマン、役に立てなかったと謝りたい気持ちになります。反対に春期講習で一番うれしいのは、休み時間中に合格の報告があること。今日も一人来てくれました。もう二年も顔を付き合わせていた子だけに、これはホッとしました。

 どちらにしても、「春や昔の春ならぬ」。前者の子は<疑問>で、後者の子は<反語>だと思うんでしょうかねえ。~o~

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2010年4月 1日 (木)

第十一回無名講師日記アクセスランキング

 暇な日に思い出すアクセスランキングですが、今回は、たまたまちょうど暇な日が四ヶ月目の区切りの日でした。

 09'12/1~10'3/31はこんな感じでした。

1.トップページ              9578

2.スキー板試乗              925

3.終わりの日のために~格闘系のビンディング調整(07'5/21)  666

4.スキー                   568

5.「良心」の死~『古文研究法』小西甚一著 (07'6/2)    482

6.お試しアパッチ(09'2/23)                  331

7.予備校                    302

8.古文の参考書                217

9.2009年03月                                     203

10.今年最後の試乗会~Blizzard乗り比べ(09'5/4)    192

 前回と比べてアクセス数が飛躍的に増えて、トップページのアクセスが1.5倍くらいになってます。これは、これまでの十回のアクセスランキング中でもダントツの新記録。なんでだー??

 しかも、二位、六位、十位とスキー板試乗系が非常に多くランキングしています。一年前の第八回も「「スキー板試乗」独立記念~私の愛したカービングスキーⅡ」なんてのが八位に入ってますから、これは、もしかすると季節的なものがあるかもしれません。

 前回前々回の五位に引き続いて、なぜか「2009年3月」がベストテンにランクイン。もうこうなると、ちょっとミステリアスです。理由をまーったく思いつきません。なんでだー。????

 ベストテン圏外だと、「古典文学」が11位、「のだめカンタービレ」が14位と健闘しています。「予備校屋から見た正しい予備校の選び方 その二」(06'3/6)なんて古い記事がここ数日アクセスを増やし、とうとう20位に入ってしまいましたが、これも季節のせいなんですかねえ。

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