ここから、きっと~『「和」の食卓に似合うお酒』田崎真也著
最近、昼間、暇な日が多いので、つい本を買って、電車の行き帰りで読んでしまいました。世界最高峰ソムリエ田崎真也氏の、和食と酒に関する新書です。
まー、ハッキリ言って期待していませんでした。田崎ソムリエが日本酒も好む人であるのは知っていましたが、所詮、この人はワインの人。日本酒の知識なんてたかが知れてるはずだと思っていたからです。
ところが案に違って、けっこう面白いですよ、コレ。和食の素材、和食の料理に関して、田崎さんが合うと思われるワインと日本酒を提示していくのですが、さすが田崎さん、和食の知識も豊富だし、こちらの想像力を掻き立てる文章を書いてくれます。特に、世界中のワインの知識と味わいの描写は秀逸ですし、日本酒に関しても、いちいち飲む温度を指定してくるあたりは、なかなかやるなぁ。~o~
しかし、いかんせん、日本酒の知識が薄っぺらでやや古めかしいです。日本酒の味の区別を、アル添の大吟醸、アル添の吟醸、純米吟醸、純米、山廃造りの純米、本醸造、古酒の七種類くらいしかしてくれないし、たいていの和食食材に対して、「二回火入れの純米酒を冷や、またはぬる燗」が合うことになっています。そんなの世界の田崎ソムリエを頼らなくたって見当つくんでわ・・・。~o~;;
例えば、生酒はどうなのかひやおろしはどうなのか、最近流行の高酸度の酒や低精白の酒はどうなのか、甘酸っぱ系の「三芳菊」や「仙禽」のようなニューウェーブはどうなのか、酵母や米の種類や仕込み水の硬度の違いはどうなのか。火入れまでの期間を短くしてフレッシュな味わいの食中酒を目指す宮城の酒や伝統的な越後の端麗辛口はどうなのか、にごりやおりがらみや発泡系や直汲みなどの微炭酸はどうなのか・・・・。
田崎さんの食事とワインを合わせるマリアージュの知識と繊細な味覚と文章力は、こちらの想像力を掻き立てるものがあるだけに、最近の日本酒について、もう少し勉強していただけると、もっと楽しく有意義な和食と日本酒のマリアージュの本が出来るんでしょうけどねえ・・・。
でも、和食と日本酒の相性の研究は、この本が出発点になる気がします。ここをタタキ台にして、何かが始まるんじゃないか、そんな幸せな予感を抱かされてしまいました。まー、そんなに簡単でもないんでしょうけど。
| 固定リンク
コメント
ご無沙汰です。
師匠、まずは、おめでとうございます。
さて、師匠もご存じかも知れませんが、愛宕山にある田崎さんの和食のお店に行って田崎さんとご意見を交わしてみては如何ですか?
早い時間に行けばお店に居ると思いますので、日本酒のお話をして差し上げると喜ぶのではないでしょうか。
その感想など又書いて頂けると嬉しいです。
http://www.tasaki-shinya.com/restaurant/restaurant.html
繰り返しになりますが、おめでとうございます。
それから、サプライズ未だ有るようですね、ペンションYのKさんが今は言えないけどと意味深なお話がありました。
投稿: taiji | 2010年4月 6日 (火) 09時58分
先日はお目にかかれずに残念でした。
ウチは、えーと、まあそういうわけで、ありがとうございます。~o~;;;
田崎さんと意見交換とは、Taijiさん、大胆なご意見ですが、そんな恐れ多いこと出来るわけないすよ~。~o~;;
でも、田崎さんのレストランに関しては、内弟子Yも興味を持っている様子なので、いつの日か、うかがってみたいと思っています。
ところで、もうNYに帰られたんですよね。
投稿: Mumyo | 2010年4月 7日 (水) 07時18分
昨日NYCに戻りました。
田崎さんの事では、僕は大胆な意見と思っていません。
なぜなら、僕がレストランSに行った時、気楽にお声を掛けて頂きました。
ワイン教室も開催しているので、その時に行けばもっと多くのお話が出来ると思います。
次の冬に、又一時帰国しますので、内弟子さんのご苦労を労って、愛宕山にあるレストランTでお祝いしましょう。
投稿: taiji | 2010年4月 7日 (水) 08時16分
おおお、それは大歓迎!是非、その「お祝い」ってヤツを!
あ、いや、もちろん、「一時帰国」の方も大歓迎なんですよ。~o~;;;;
投稿: Mumyo | 2010年4月 8日 (木) 09時39分