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2010年4月10日 (土)

春の冒険とちょっとした「ここから」

 一昨日は吉祥寺で仕事の後、普段であれば、いつもの居酒屋「わらう月」へ行くところなのですが、ちょっと思いついて八海山常連仲間のN君に紹介された居酒屋「鮮魚屋」へ行ってみました。

 魚屋さんが経営している居酒屋なのだそうですが、繁華街から外れた場所にあり、しかも、入り口が判りにくいために、ちょっとした冒険気分でした。若い男女二人で板場を仕切っているようなのですが、このお兄ちゃんの板さんの方がなかなかの日本酒マニア。メニューにもなかなか良い筋の蔵が入っているし、ワタシの見たことのない銘柄が四つほど含まれていました。

 しかも、ここの店のうれしいのは、ミニグラスで注文できること。一合で頼んでも良いのですが、ミニグラスでいろんな種類を飲むことも可能になってます。これは地酒マニアにはうれしいシステム。なかなかやるなぁ、お兄ちゃん。~o~

 当然、見たことなかった四つの銘柄を次々頼んでみました。四つとも比較的糖度が低く、どちらかと言えばサッパリと爽やかな酸を感じさせるタイプだったのは、こちらのお兄さんの趣味なのでしょう。その中では富山県富美菊酒造さんの「羽根屋 純米吟醸 槽しぼり」と石川県宮本酒造さんの「夢醸 純米吟醸」に好感を持ちました。

 どちらも大変小さな蔵なのですが、マジメな酒造りで現在売り出し中らしいです。んで、これをアジの刺身に合わせてみました。先日、記事にした田崎さんの本によると、アジの刺身は、「純米酒でも特別純米酒のような爽やかさも感じられるふくらみのあるタイプを、タタキなら10度くらいの温度で」とのこと。「羽根屋」でも「夢醸」でもこの条件にほぼ合います。刺身自体も美味しかったし、んー、満足。

 さて、このついでに田崎流のマリアージュに合いそうな酒を、今まで飲んだものの中から考えてみました。

 ・マグロ大トロ

 「トロの脂の風味をより楽しむのであれば、甘口と称されるタイプで、数年間熟成させ、ほんのりと山吹色に変化しナッツ様の風味の備わっているような長期熟成酒がよいと思う」

⇒「旭興 特別純米生原酒 二段式酸基醴もと仕込み」~田崎さんの言う熟成じゃないけど、甘口で長期熟成に負けないコクと風味は、この酒でしょう。

・サーモンの刺身

 「サーモンの脂の香りと柑橘類の風味もよく合うので・・・日本酒のタイプは、大吟醸酒のように華やかで爽やかな香りのあるものである。純米大吟醸ではなく、醸造用アルコールを使った、よりシャープな味わいの大吟醸酒をさらに爽やかに味わうために5~10度の温度で合わせるとよい」

⇒「まんさくの花 別格大吟醸」~華やかで爽やかでシャープな感じの大吟醸というと、コレくらいしか思いつきません。

 ・ホタテの刺身

 「柔らかな甘みと上品な旨み、滑らかな酸味のバランスはホタテ貝の身質によく合う。・・・香りの穏やかなタイプの吟醸酒を10~15度の温度で」

⇒「花陽浴 純米吟醸 山田錦」~上品で穏やかな吟醸酒というと、まずコレが思い浮かびます。「愛乃澤純米吟醸 山田錦50 オレンジラベル」なんかも良さそうです。

 ・ホヤ

 「大吟醸酒の華やかな果実香はまったく合わない。ならば、純米酒かというと、香りが上品で、滑らかな味わいの純米酒では、ホヤの苦味に負ける。山廃造りの純米酒のように乳酸やアミノ酸量の多いタイプがよく、2度の火入れを経て1年以上熟成せさ、香りが穏やかでミネラル香がより強調されたタイプの酒を、45度くらいの燗で甘味度合いを上げ、ホヤの苦味を酒の甘旨味で包み込むように味わうとよい」

⇒「旭興 玄米仕込み 生酛純米」~田崎さんはホヤにシェリー酒を合わせると言ってますが、ならばシェリー酒のような香りを持つこの酒でどうでしょう。山廃じゃなくても生酛ですから、その点でもOK。この酒を燗にした時の甘旨味なら、ホヤに負けないはず。

 ・マダイのカブト煮

 「一般にマダイのカブト煮の味付けは、キンキよりも濃い味に仕上げる。したがって、酒の味も、より濃い印象を持ったもので、例えば、3年ほど熟成させた山廃造りや、精米歩合が70%ほどの純米酒で、色がほのかに山吹を帯び、ナッツやカラメル、樹脂や枯葉などの香りを感じるような日本酒をやはり燗で味わう。コクのある味わいと、複雑な香りにより、濃く味付けされたカブト煮とマッチする」

⇒「竹鶴 合鴨農法16BY」をぬる燗で~3年はちょっと過ぎてるけど、コイツのぬる燗のコクと旨みはカブト煮の味付けに十分対抗できるはず。

 ・ヤナギムシガレイの一夜干

 「豊かさと上品さ、深みを同時に感じる一夜干に合う酒のタイプは、日本酒ならば純米吟醸の低温で熟成させた古酒。柔らかく滑らかでありながら、余韻は上品で、なおかつ、熟成によりほのかにナッツのような香りを感じる酒」

⇒「義侠 純米吟醸BY12」~純吟を低温で熟成させて柔らかく上品な感じって、まさしくコレにピッタリ。でも、「ヤナギムシガレイ」なんて食べたことないんですケド。~o~;;

 ホントは、もっといろんな酒をマリアージュさせてみたいけど、なんせ、田崎さんは生や微発泡のタイプについて書いてくれないモンで。~o~;;;

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