1970年の燗上がり
昨日は、横浜で授業の後、いつもの居酒屋「坐久丸」でした。一杯目、茨城県武勇酒造さんの「武勇 辛口純米」。含むとほのかに熟成香のような香りがあります。サラリと入ってくるのですが、ジワリとした酸とズシっと旨味が残ります。こういう酒、ワタシゃ多分、以前だったら拒否してたと思うのですが、最近、こういうのも良いなと思います。
二杯目、栃木県井上清吉商店さんの「澤姫 きもと純米 真地酒宣言」。ちょっと生酛と思えないキレイな酒で、ジワーっと酸があってほんわりとした旨味甘味なのですが、これは燗上がりするんじゃないかと思い、三杯目にぬる燗にしてもらったら、ハマりました。こりゃ判りやすいウマさ。鮮やかにキレイな酸が浮かび上がります。
この日の坐久丸さんは、何故か坂本九がBGMだったのですが、ちょうど、♪1970年のコンニチハ♪と大阪万博の歌が流れてきました。実は、最近、TVで上海万博の映像を見るたびに、大阪万博のことを思い出していました。ワタシは当時小学校六年生だったのですが、当時の子供の多くがそうであったように、万博大好き、というか万博マニアでした。なにしろ、神奈川県から大阪まで一人で何べんも日帰り入場をしてましたから。~o~
だから、この歌にはちょっと感慨深いものがあるのですが、それにしても、「1970年のコンニチハ」という歌詞は見事ですねえ。当時は誰も何とも思わなかったでしょうが、今になってみると、この歌詞は意味深です。あの時代が鮮明に浮かび上がってきます。
高度成長を遂げた日本が、世界の先進国に向かって、内気な恥じらいと田舎物の無神経と成長のエネルギーと後進国の稚気とを含んだ挨拶をした時代。まるで今の中国のように。
そんな「時代」の空気が四十年も経ってから浮かび上がってくる歌詞だなんて、当時は思いませんでした。こういう「燗上がり」もあるんですかねえ。~o~
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