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2010年5月26日 (水)

甘口への挑戦を支持します

 昨日は、吉祥寺で仕事の後、いつもの居酒屋「わらう月」で夕食。一杯目、新潟県村祐酒造さんの「村祐 無濾過本生清酒 うすにごり」。スペックは判らないのですが、にごりらしいふっくらした甘味を甘酸っぱ系の酸が括るという感じで、甘さの割にはまとまりの良いお酒です。

 二杯目は、茨城県来福酒造さんの「来福 若水 純米甘口」。日本酒度-12、酸度1.5という強烈な数字、「甘口」と名乗るインパクトの割りに、サラっとした軽い甘さとほのかな酸。かなりイケてると思える酒です。

 こういう甘口の酒、どんどん出てきてほしいと思います。某居酒屋さんで聞いた話では、地酒をウリにする居酒屋さんに来るような日本酒好きのお客さんでも、七割は「辛口の酒を」と注文するそうです。でも、「辛口」と注文しといて、「十四代が好き」なんておっしゃるとか。~o~ ~O~

 近年、多くのお客さんがまだ辛口信仰に囚われているにも関わらず、蔵元さんの方はドンドン先を行っている感じがします。イマドキの活躍されている蔵元さんたちは押しなべて日本酒が大好きなので、客よりも先を行って美味い酒を工夫する方が多いんじゃないでしょうか。その先取の心意気が報われる日が早く来てくれないかと願っています。

 それはそうと、最近、ネットを見ていると、時々、歴史的仮名遣いを使いたがる方が目に付きます。一部分、シャレで旧仮名遣いにするのなら全く良いのですが、ご本人たちは、かなりマジメに全文歴史的仮名遣いで書いてらっしゃるみたい・・・。まー、ネットに限らず、昔からこういう方がいたことは確かなのですが・・・。

 でも、我々古文の教師からしてみると、こうした歴史的仮名遣いモドキはちょっと・・・、まー笑止千万と言っちゃあ悪いけど・・・片腹痛いというか、ちとフラストレーションを感じてしまいます。

 ワタシゃ別に仮名遣いなんてものは、通じれば良いと思っています。言葉はコミュニケーションの手段ですから。でも、歴史的仮名遣いのような日本の文化を背負ってきたものを、モドキで使って日本文化のシンパを気取られると、ちょっと・・・。

 どうせ歴史的仮名遣いを使うなら、ちゃんと調べて使ってほしいものです。まー、それでも、正しく使うのは難しいんですけどね。以前、「歴史的仮名遣いを守れ」と主張した学者さんの娘が「かほる」だったという話を紹介したことがありますが、学者でもそんなことをやるくらいですから、本当にキチンと歴史的仮名遣いを使いこなすのは難しいです。

 でも、「だうでもよひ」とか「感ぢられづ」とかってのを見ると、ちょっとゲンナリします。「どうでも良い」の「ど」は「どこ」などの「ど」だし、「よい」の「い」は形容詞連体形の「イ音便」なんです。「感ず」はサ変動詞だし、<打消>の助動詞は「ず」なんです。

 こういうハッキリと間違った歴史的仮名遣いモドキを使って日本文化のシンパを気取るのは、十四代好きの「辛口」好みたいなもの。ただ、「通」を気取ってるに過ぎないように見えてしまいます。お好きなら歴史的仮名遣いを使っても良いし、「辛口」好きを通すなら、それもかまわないけど、ちゃんと判っててやってほしい・・・。まあ、余計なおせっかいですかねえ。~o~;;

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