満たされないことの幸せ
一昨日は、横浜の居酒屋「坐久丸」さんで、栃木県井上清吉商店さんの杜氏さんを囲むお酒の会がありました。井上杜氏かなり元気のある明るい方です。お腹に元気が詰まってるって感じですか。~o~
一杯目、「澤姫 大吟醸 真・地酒宣言」。抑え目ながら華やかな上立香があり、含むと口中奥の上顎に華やかな含み香と刺激がジワーッと広がり、わずかな苦味があって静かに消えていきます。甘垂れしないように苦味をわずかに残すタイミングで火入れしているのだとか。含み香の広がりに最初ついていけず、思わず咽てしまいました。コレはンマイです。
二杯目、「澤姫 きもと純米」。サラッと入ってくるのですが、酸が強く、微妙に甘酸っぱ系かも。意識的に重くならないように設計してあるのだとか。お燗の方が真価を発揮する感じです。三杯目、「澤姫 山廃純米」。キレイでジワッとくる酸と旨味。コレはンマイ。ぬる燗がまた判りやすい美味さ。一番好みかも。四杯目、「澤姫 若人醸酒 特別本醸造」。サラッとしていて奥に軽い旨味。飲みやすい酒です。五杯目、「澤姫特別純米無濾過生原酒」。もうこの辺は、かなり酔ってますが、生らしく瑞々しい美味さ。
最後はけっこうフラフラでした。それにしても、井上杜氏さん、エネルギッシュに語る覇気のある方でした。YK35の同じような酒ばかり入賞する全国新酒鑑評会に、地元の米・地元の酵母を使って挑み続けているのだとか。真・地酒宣言と名乗っているのもそういう意図なのだそうです。
地元の米地元の酵母での金賞入賞は、おそらく今のシステムが続く限り永遠に満たされることのない願いです。杜氏さん本人も承知していることだと思います。しかし、挑み続けることに楽しみがあり、幸せがあります。
でも、そういう挑戦をする蔵元さんは他にも広島県金光酒造さんなんかもいますし、こういう蔵元さんたちの挑戦が、鑑評会というシステム自体を動かしていく原動力になるかもしれません。
さて、今日はW杯決勝トーナメントにアリジャパンが登場する日です。八年前の日韓W杯の時は、GL突破した時点で監督から目標達成、次戦はご褒美というような発言があり、イレブンもホッとして満足しきってたし、日本中が満腹感に浸ってしまいました。その結果が、あの妙な雰囲気の不完全燃焼の敗戦だったことはまだ記憶に新しいところ。
今回のデンマーク戦終了後、一番驚いたのは、選手達が誰一人として満足していなかったことでした。まー、岡田さんは目標ベスト4と公言していたわけだから、意地でも満足とは言わないだろうし、本田君の優勝宣言は、まあアレはアレとして、中澤も長谷部も次を見据えた発言をしていたのは素晴らしいことです。
スキーなんかでもそうですが、満足しちゃったら進歩は止まるし、そもそもそっから先、楽しくありません。まだまだ満たされていないアリジャパンは、それ自体幸せだし、また、そんなチームを国の代表として応援できることは、我々の幸せでもあるのかも。
頑張れ、アリジャパン!まだまだ行けるぞっ!
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