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2010年9月30日 (木)

色に出でにけり

 今日は、冬期講習の申し込みの関係で休講日のため、内弟子Yの実家に行って来ました。一昨日、娘(仮称ケミ)とYが退院してこちらにご厄介になっているためです。環境が変わったため、ケミは昨日まであまり寝ないで困らせたらしいのですが、昨夜今日とようやくよく寝るようになってくれました。

 今日は、内弟子Yにオシメ取り替えと沐浴を教わりました。Yは早くも堂々たるママぶりで、沐浴なんて手慣れた感じです。もっとも昨日は、かなりバタバタしてケミに泣かれたらしいけど。 

 オシメ取り替えは、今までも見せてもらっているので、今日はワタシがほぼ一人でやってみました。まあまあこんなモンかな~。~o~

 それにしても、母乳とミルクしかお腹に入れてないくせに、排泄物は白くならないんですね。ちゃんとそういう色になります。なんだか不思議。

 昨日は、昼間、立川の授業でした。一時間目、教室に入った途端、生徒全員が笑顔と拍手で迎えてくれました。えええっ?! なんで??

 生徒に聞いてみたら、現代文の○○先生に子供が出来たと教わったとのこと。そう言えば、木曜日に、講師控え室で一緒になった○○先生に生まれたことを言っちゃったんだっけ。うわー、テレくさいやら、嬉しいやら。

 立川では、職員さんも全員知ってて、お祝いに来てくれました。いやー、なんとも・・・。~o~;;;

 夜は町田で高二の授業。なにげなく教室に入ったつもりだったのに・・・。教室に入って、教壇に立った瞬間に、このクラスで一番おしゃべりの子に、「先生、今日テンション高いけど、なんか良いことあったの?!」

 なんでだーーー?! 別にスキップしながら教室に入ったとかじゃないのに。なんで判っちゃったの???~o~;;;;;

  しのぶれど色に出でにけり我が恋はものや思ふと人の問ふまで

は、百人一首にも入った平兼盛の名歌ですが、色に出ちゃうもんなんですねえ。~o~;;;;;  

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2010年9月26日 (日)

小さな手の眠り姫

 昨日と今日、病院へ行って娘に会ってきました。

 まず、小さいな~~、って感じです。あれだけ出てくるのに時間が掛かったのに、こんなに小さいんですね。ちなみに、一昨々日は出産時3450gと書きましたが、それはワタシの聞き間違いで、3430gだったそうです。まあ、あんまり変わりませんが。

 頭や顔の大きさの割に、体の各パーツは驚くほど小さいです。手なんて本当にオモチャみたいです。こんなに小さくてストック持てるようになるかなー、なんて思ってしまうのは、我ながら馬○だと思いますが、でも、その小さな手でワタシの人差し指をしっかり握ってくれました。うん、これならストック握れるナ。~o~

 昨日は仕事の後、午後七時過ぎから八時少し前まで病室にいたのですが、一度も目をあけませんでした。今日は、午後三時から病室にいたのですが、六時近くまで目を開けませんでした。まわりのベッドでは他の新生児たちがビィービィー泣きまくっているのに、ウチの娘だけは、我関せずの超マイペースで眠り続けています。コイツ、大物かもしんない。~o~

 六時近くになって授乳タイムになり、目を覚ましました。授乳してしばらくは全く泣かなかったのですが、ワタシが帰ろうかと思った頃に泣きました。何をやっても泣き止まず、内弟子Yは途方に暮れかかったのですが、ワタシが抱いてあやしたら、ピタリと泣き止んで眠りだしました。うーーーーん、コイツ、カワイイかもっ!~o~

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2010年9月25日 (土)

山と谷の回想

 今日は、仕事が午後からなので午前中のんびりしています。久しぶりにゆっくり眠れた気がします。やはり、一昨日までは、ゆっくり休んでいるつもりでも何処かに緊張感があったのかもしれません。~o~;;

 振り返ってみると、今年はずっとこの緊張感を抱えて暮らしてきたような気がします。一月にこのことが明らかになった時は、なんだか、人生が新しく始まる気がして、本当に嬉しかったなぁ。

 でも、なにしろまだスキーシーズン真っ盛り。放っておくと滑りたがる内弟子Yに、無理をさせないことがその頃の最大の課題でした。それでも、何度か、(少なくとも三度は)ワタシの目の前で転倒しました。

 まー、本人は転んだと認めないのですが、普通の基準でいけば明らかに転倒です。特に、車山の東京都予選二日目が終わって、翌日の決勝に備えてコブの練習をしている時に、競技コートのすぐ外の硬いコブでコケたのを見た時は・・・。本気で絶叫してしまいました。

 回りで練習中の選手の皆さん、あの時はお騒がせいたしました。~o~;;;;

 自宅にいる時も、なるべく気を使っていたつもりだったのですが、それでも、何度か、冷や汗をかきました。内弟子Yはちょっと寝相が悪く、ベッドから落ちないよう常に気を配らねばなりませんでした。また、それを気にするあまり、寝返りを打った内弟子Yを抱きとめようとした手がウッカリ顔を叩いちゃったり。~o~;;;;

 ある時は、ワタシの方が変な夢を見て、飛び起きざまに内弟子Yのお腹を蹴りそうになり・・・、この時も本当に冷や汗をかきました。

 安定期に入る前の女性は精神的にも不安定になると言いますが、普段はあまり怒ることのない内弟子Yもその時期、不安定になってちょっとしたことで怒りました。そのためにYと口論になったことも何度かありました。まあ、口論というよりは、一方的に怒られてたんですが・・・。激高したYが真冬の夜中にウチから飛び出して行きそうになった時が、一番のピンチだったかな。

 一級を取って以降、Yはほとんど滑らなくなり、また、スキーシーズン終了頃には安定期を迎えたこともあって、精神的にも落ち着いてくれました。Yは、ほとんど悪阻らしいものがなく、その点でも楽でした。ほぼ普通の食生活を送れたのはラッキーでした。

 ただ、今年の異常な酷暑は、気の毒でした。なにしろ、妊婦は普通の人よりも体温が高くなるので、普通の人よりも体感温度が1、2度高かったはず。ただでさえ暑がりなのに。よくぞあの暑さを耐えきったモンです。子供は、日本が劇的に涼しくなったちょうどその日に、秋の訪れを待っていたかのように生まれました。

 夏にワタシがNZへ渡った時、Yはもうお腹が大きく、子供の胎動も始まっていましたので、ワタシとしても責任を感じてしまいました。あちらにいる間は自分で気をつけていれば危険なことはないけれど、航空機のトラブルだけは個人ではどうにもなりません。万一の時に備えてYと生まれてくる娘のそれぞれに宛てた遺書を密かに書いて渡航しました。

 今、思い出すと大げさな話ですが、当時は、大真面目だったんですよねー。当然、帰国してすぐに破棄しましたけどね。~o~

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2010年9月23日 (木)

重さを知った一日

 今日、9月23日は忘れられない日になりました。

 実は、昨夜遅く、内弟子Yから電話をもらい、いよいよ始まったことを知りました。昨夜はあまり眠れず、ウトウトとしては変な夢で目を覚まし、朦朧として朝を迎えました。今朝はなんとか仕事に出かけたものの、落ち着かず、普段、のーてんきなワタシらしくもなく、最悪の可能性ばかりが頭を占めていました。

 昼頃に、内弟子Yの両親から電話をもらい、少しはあちらの事情が判って落ち着きましたが、その後も全く事態は進捗せず、休み時間には連絡を待ってイライラして過ごしました。授業をしている間は、集中できるのですが・・・。

 あざみ野の校舎では待っていた連絡はなく、夕方、横浜へ移動してからやっとのことで一日待ち焦がれていた連絡を受けました。3450gもあったそうです。元気な女の子です。~o~

 昨夜、陣痛が始まってから実に21時間。内弟子Yは本当によく頑張ったと思います。改めて、内弟子Yの強さを思い知りました。小心者なので、事態が始まるまではウロウロしているのですが、いざ始まってしまうと、底知れない強さを発揮します。我が弟子ながら、本当にたいしたヤツです。~o~

 生まれるまでの過程を間近で見ていて、人一人が生まれることの重さを実感しました。今日だけではありません。今年に入ってずっと感じてきました。九か月間、山あり谷ありだったモンなぁー。~_~;;;

 最近の我が家では、あの、二人の子供を放置して死なせた人でさえ、「でも、あの人は二回もコレを成功させたんだから、それだけで偉い人なんじゃないの」なんてことになってました。改めて思うけど、こんな大変なことを二回も成功させて、その成果を自ら無にするというのは、いかに、あの人が深刻に病んでいたということなんじゃないかと。お気の毒としか言いようがありません。

 今日という日は、人が生まれる重さの実感が集約された一日でした。本当に疲れ果てたし、またホッとしました。多分、内弟子Yも大役を終えてホッとしていることでしょう。今はただ、ゆっくり休ませてあげたいし、ワタシ自身もゆっくり眠りたいです。オヤスミなさーい。~o~

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2010年9月21日 (火)

ゴー・トゥー・スィー・ヒポポタマス

 昨日は朝から横浜で授業でした。いつまでも暑さが残る昨今ですが、二学期は着々と進行して、第三週目がほぼ終わりました。雑務も着々と進行して、赤本の間違い探しも、第一弾某J智、第二弾某W大でウチが傾向と対策本を出していない学部と続き、第三弾R教も準備が終わりました。

 今年は、二学期開始早々から、注文生産を受け付ける告知をしています。二学期終わり間際に言われても対応できないので。特に、マイナーなところや関西の大学を受ける人は赤本持ってきてください、とも言っておきました。例年、赤本を入手するのが困難な大学をリクエストされて苦労するので。

 んで、昨日、赤本持ってリクエスト第一弾の子が来たのですが、ナント、B衛大学。

 今までの長い予備校屋稼業で、「B衛医大」を受けるという子は何人も見てきました。しかし、「防E大」を受ける子は初めてだなぁー。思わず、「君、文系だよね」と聞いてしまいました。

 その子の説明によると、B衛大は、定員は少数ですが文系の学科があるのだそうで、将来のG衛隊幹部候補生を養成するらしいです。しかも、今、B衛大受ける子ってけっこういるんだそうで、倍率10倍くらいあるらしいです。

 もっとも、定員に対して合格者を何倍か取るのは、合格した後、他に逃げちゃう子が多いかららしく、本気でG衛隊を目指す子は少ない模様。しかし、ここ数年受験者が増加しているのは、長引く不況のためだとか。確かに、職業として安定はしてるわな。

 しっかし、職業としての安定を目指してる人に幹部になんかなられたら、元G衛隊のスキー友達Tさんは何て言うだろ・・・。仮にも防人(さきもり)ですからねえ。~o~;;;

 んで、受験問題は『万葉集』か何かからかいと思ったら、意外に近世が多くて、『折たく柴の記』『新花摘』『庚子道の記』などなど。難易度的にはそれほどでもなさそうだけど、ちゃんと記述問題も出ます。やっぱ、幹部候補生だから、文章は書けないとってことですかね。

 閑話休題。そう言えば、ここ何年か、学芸大の教師になる学科を志望する子が目立つのも、不況の影響なんでしょうね。世の中の不況って、我々の所には直接的に影響することが少ないのですが、思わぬところで、不況の影を垣間見てしまいました。

 ちなみに、タイトルは、小林信彦だったか筒井康隆だったかの英訳(?)「海ゆかば」。

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2010年9月19日 (日)

恋ぞつもりて

 週末は、また、内弟子Yの実家に行っていました。そこで、たまたま、地元ショッピングモールの広告紙に、先日購入した「男女川」の稲葉酒造さんが取り上げられていたので、土曜日にちょっと車を走らせて、蔵元さんまで行ってきました。

 稲葉酒造は、本当に筑波山の麓にあります。近所には、「来福」さんがあったり、「霧筑波」さんがあったり、やっぱり筑波山からの湧水があるからでしょうか、蔵元さんが多いです。

 仕込み水は、敷地内に湧き出している筑波山の湧水を使っているのだそうです。軟水ではないけれど、それほど硬くない水とのこと。飲ませてもらったのですが、確かにそれほど硬くない印象でした。内弟子Yは、「六甲の美味しい水よりもエビアンに近い」と言ってました。どーゆーことなんだか。

 蔵人さんに話をうかがってきました。驚いたことにこちらの蔵では、ほぼ全量精米50%らしいです。つまり、特別純米も純米吟醸も大吟醸も、同じ大吟醸スペック。全量純米は最近よく見るけど、全量純米大吟って・・・~o~;;;

 作りを変えているということのようなんだけど、それで採算取れちゃうのかしらん。中には、大吟醸のつもりで仕込んで、品質から言って、純吟にしようなんてこともあるらしいです。なんとも贅沢な話です。

 しかも、袋吊りで絞っているため、袋の目が詰まっていない段階の「あらばしり」は「にごり」になり、「あらばしり」の次に「しずく」が来て、「手しぼり」が来て・・・、「せめ」はどうするんですかと聞いたら、冷蔵庫の中に置かれている「酒粕」を示されました。「酒粕」にかなり一般で言う「せめ」の部分の酒が残っているらしいです。贅沢だー。

 んで、「すてら 純米大吟醸 あらばしり」を購入してきました。先ほどからいただいているのですが、うーーーーん。

 まず、品の良い上立香があって、含むと口当たり軽く、にごりの軽いマッタリと、甘い含み香と微炭酸の軽い刺激と、品の良い甘旨味と酸があって、微妙なニガ味で切れていきます。うーーーん、んまい!絶妙なバランス。所謂「にごり」はたくさん飲みましたが、これほど品良く、バランスの取れた「にごり」は初めてかもしれません。

 コレ、東京では売ってないんですよね。売り出したらどうなるんでしょう。どこかの酒屋で売り出しませんかねえ。そもそも、こんな贅沢品質の酒を地元だけで捌けるんでしょうか。まあ、そんなこと心配したってしょうがないけど、心配になります。

 蔵元さんの思いがつもって淵となったような酒です。うーーーん、お見事!

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2010年9月18日 (土)

トイレ飯・笑い声のない教室・国語常識欠如

 昨日の某朝日新聞「天声人語」に、友達が出来ないからとせっかく入った大学を中退する学生の話が載っていしました。友達がいない寂しさではなく、友達がいないことを恥ずかしいと感じて耐えられないのだそうです。

 以前から、友達がいなくて一人で食事をする恥ずかしさを隠すために、トイレで食事する若者のことがネット等で話題になっていたのですが、なるほど、彼らには、友達がいないのは寂しさの理由ではなく、耐えがたい恥辱であり、罪悪なんですね。これは、我々の世代には存在しないメンタリティです。

 一方、最近、同僚の講師の方のブログに、教室で、講師の冗談に対して笑い声があがらないという話が話題になっていました。ワタシが三年ほど前にブログに書いた「感情表現欠乏症」を、同僚の方たちも実感してるんですね。

 結局、三年前には、「感情表現欠乏症は他者との距離を適正に保てないからではないか」という結論になったのでした。

 また、四年前に、「携帯電話による同世代との濃密過ぎるコミュニケーション」の害悪について書いたこともありました。当時は、これを携帯の魔力のためと考え、携帯の魔力によって同世代とのコミュニケーションが濃密になり過ぎ、若者から国語常識を学ぶ機会を奪っていると考えたのです。

 今、思うと、これらの話はもしかして、一本の糸でつながるのかもしれません。友達を失う恐怖心が、感情表現欠乏症を生み、一方で携帯電話による濃密過ぎるコミュニケーションを生んでいるのかもしれません。とすれば、友達がいない罪悪感こそが、若者の全ての問題を生み出す諸悪の根源ということにになりそうですが、おそらく、そんなに簡単なものでもないのでしょう。

 そもそも、友達がいないことを若者たちが何故罪悪と感ずるようになったのでしょうか。そこには、日本人特有の、エキセントリックな存在を許容しない、イジメにつながるメンタリティがあるでしょう。「友達がいない人間=エキセントリックなヤツ」と他者から決めつけられて集団から疎外されることを、過剰に恐れ、やがて罪悪とまで感ずるということなのでしょう。

 また、感情表現欠乏症や携帯による濃密過ぎるコミュニケーションは、結果だけではなく、原因としても作用しているように思います。感情表現が下手だから、友達が出来にくかったり、携帯という皮相的なコミュニケーションのツールがあるから、深く他者とコミットする能力の成長がスポイルされるのかもしれません。また、携帯というツールで仲間の情報ネットワークが発達するゆえに、ネットワークから外れる恐怖心が煽られるのかもしれません。

 多分、トイレ飯・感情表現欠乏症・国語常識の欠如という、イマドキ若者のメンタリティを示す三つの現象は、それぞれが原因になり結果となり深く絡まり合って、イマドキ若者の心象を形作っているんじゃないでしょうか。

 まー、こんなことを分析してみたところで、どーなるもんでもなく、また、ワタシがどーしようというのでもありませんが、もうすぐこの世に登場するウチの娘には・・・、将来、トイレ飯だけはしてほしくないなぁ。~o~ 

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2010年9月16日 (木)

短き蘆の十人十色

 ここんとこ涼しくなってきましたが、一昨日昨日とテンテコ舞の忙しさです。授業は順調なのですが、赤本の間違え探しに加えて、模試の仕事とテキストの仕事と授業で使うプリントの作成が重なり、デスクワークで・・・、とかなんとか言いながら、ちゃんと飲む物は飲んでるし、寝る時間は確保してるんですけどね。~o~;;

 そんな中で、痛感させられたことがあります。授業用に和歌修辞の練習問題のプリントを作っているのですが・・・和歌修辞は難しひ。

 自分の中では、ある程度の理論的理解はしているし、生徒さんへの説明を明快にする自信もあるのですが、なんせ、練習問題に取り上げる和歌の修辞に諸説あり過ぎて、どーにもなりません。

 たとえば、『百人一首』にも採られ、『新古今和歌集』にも入集している伊勢の代表歌、

  難波潟短き蘆のふしの間も逢はでこのよを過ぐしてよとや

など、専門家の書いた注釈書を見ると、無茶苦茶です。

 この歌をワタシは、

 ①「難波潟短き蘆の」が序詞

 ②「よ」は、「世」と「節」の掛詞

 ③「蘆」「節」「よ(節)」が縁語

と取りたいのですが、手元の諸注釈を見ると、

・①②③すべて採用   角川ソフィア文庫「百人一首」島津忠夫、ちくま文庫「百人一首」鈴木日出男。

・①のみ認定  新潮文庫「百人一首」安東次男

・②③のみ一部認定  角川ソフィア文庫「新古今和歌集」久保田淳

・③の一部のみ認定  新潮古典集成「新古今和歌集」久保田淳

・全て認めず   小学館新編日本古典文学全集「新古今和歌集」峯村文人 

 ほとんど十人十色の惨状です。和歌学会の重鎮、久保田淳先生なんて、一人二役やってます。~o~;;

 もちろん、久保田先生は、ソフィア文庫を書く段階でお考えを改めたということだと思います。「君子は豹変し、小人は面を革む」とは言いますが、久保田先生は本当に誠実な方なので。

 しかし、碩学久保田淳をしてこの状態ですからねえ。うっかり、練習問題なんて作れないんですよねー。~o~;;;

 修辞法の認定がこれだけバラバラになるというのは、修辞法の定義が学問的にも曖昧な部分を残しているからです。そんな学問的に曖昧なことは、入試で出題しなきゃ良いんですけどねえ。出ちゃうんですよね・・・。出題者の皆さん、教育現場の末端のことなんて考えてないんですかねえ。~_~;;;

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2010年9月13日 (月)

筑波嶺のみねより落つる

 昨日、一昨日と内弟子Yの実家の茨城に行っていました。こういう馴染みの少ない土地へ行くと、必ず目につくのが酒屋。「地酒」という看板に誘われて、つい、入ってしまったのですが、なかなか面白いです。

 やはり地元の蔵元さんということで、来福酒造がメインなのですが、見たことのない蔵元さんの酒も置いています。そんな酒の一つ、「男女川」に心惹かれ購入してきました。

 『百人一首』にも入っている陽成院の、

  筑波嶺のみねより落つる男女川(みなのかは)恋ぞつもりて淵となりぬる

 による名前です。

 稲葉酒造場という大変小さな蔵元さんで、女性の杜氏さんなんだそうです。「男女川 特別純米 無濾過生」は、非常にキレイな品の良い酒です。含むと、ジワリと軽い甘味と米の良い香りが湧いて、微かなニガ味とともに切れていきます。まあ、兵庫県産山田錦を50%に研いているわけですから、当然と言えばそれまでですが、んまい!

 しかし、女性の杜氏さんだと、どうしてこう品の良い酒になるんでしょうか。酵母は男女の区別をしないはずなのにね。

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2010年9月11日 (土)

初秋の燗

 台風が過ぎてやっと秋めいてきました。今日あたりは、また気温が上昇するらしいのですが、それでも夏の濃密な空気ではなく、なんとなく秋です。

 ここんとこ自宅の冷蔵庫でなんとなく持て余していた酒を、昨夜は燗にしてみたのですが、驚いたことに全て燗上がりします。まるで魔法のように美味くなりました。

 栃木県飯沼銘醸さんの攻めブレンド「うしろ姿 無濾過生原酒」。最近、あちこちの蔵元さんでやってる大吟醸吟醸の攻めをブレンドしたものです。レアな酒だし、香りは良いのですが、とにかく重くてクドクて、五勺以上続けて飲めません。一升瓶で購入したのですが、ちょっと持て余していたものを、昨夜、ぬる燗にしてみたら、コレが見事にハマってしまいました。

 良い香りが残る、というより、冷やよりも一層香りが立ちます。含むと米の甘味がサラっと軽く、適度な甘旨味。あのどうしようもない重さは何処へやら、飲み易くていくらでも飲めそう。とにかく、んまい!~o~

 茨城県岡部合名会社さんの「岡部 純米吟醸 中取り生詰 一年氷温熟成」。冷やで飲むとむやみに淡麗で、ほとんど水のようです。水の旨味はあるのだけれど、これではミネラルウォーターと変わらないと思っていたのですが、燗にしてみたら、旨味が出てきました。もとが淡麗だけに軽やかな美味さ。コレも燗に限る酒ですね。

 岐阜県所酒造さんの「房島屋 純米 7号酵母 超辛口」。超辛口を狙ったのは判るのですが、冷やでは味がバラバラの印象。ところが、燗にすると見事にまとまります。乳酸の香りも爽やかだし、んまい!

 なーんてやってると飲み過ぎちゃうんですよね。昨夜はPCの前でうたた寝してしまい、今朝は寝過ごしてしまいました。~o~;;;;

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2010年9月 9日 (木)

人の運命ってものは・・・

 どーも、最近、仕事や体調の面ではまあまあなのですが、ブログ的には絶不調です。書きたいことがあると時間がないし、時間のある時は書きたいことがないし、昨日のように時間も書きたいこともある時は、他のヤボ用にハマってしまうし・・・。

 つーことで、しばらくぶりの更新です。二学期の授業はほぼ順調に進んでいたのですが、昨日は台風の影響で夜の授業が休講。午後はかなり時間があったので、ちょっと残っていた模試の仕事を終わらせ、ブログ更新しようかと思ったのですが・・・。まー、そーいうことでっつ。~o~;;

 最近、また、赤本の間違いさがしをやっています。昨年いろいろあった某J智大学ですが、今年は、そのためなのかどうなのか、大きく入試問題の作り方を変えました。今まで、十年以上続けていた全問マークセンスをあらため、国文学科志望者にのみ記述問題を出題することにしたのですが、コレがまた大変な問題で・・・。~o~;;

 国文学科志望者に課された古文の問題は、『平中物語』からの出題で、主人公平中が、受領の娘を口説いて関係を結ぶのだが、雑用があって娘の所へ通うことが出来ないでいるうちに、絶望した娘が出家してしまうという話。他の学科の受験生とほぼ同じような設問があって、最後に、国文学科志望者のみに、こんな設問が用意されています。

  「この話を通じて作者は何を言いたかったのか。『色好み』の語を用いて、わかりやすく説明せよ」

 ワタシも長いことこの仕事をやって、いろんな入試問題を見てきましたが、コレほどの難問で、しかもみごとに練れていない設問は、あまり見たことがないかもしれません。

 まず、この問題文の中で作者ははっきりした自分の主張などを述べていません。それゆえ、問題文を読むだけでは、作者の言いたかったことなど皆目判りません。このエピソードを『平中物語』に取り上げた時に、作者には何か意図があったのでしょうが、それは『平中物語』全体の中でこのエピソードを読んで初めて判るはずのこと。この問題文から得られる情報のみを用いて説明することは、我々でも不可能です。

 それゆえ、「『色好み』の語を用いて」という導入に従って、見当をつけにいくことになるのですが、この「色好み」という語は純粋の学術用語なんでねえ・・・。~_~;;;

 ここでいう「色好み」は一般的な「好色」という意味ではありません。そういう意味でとってしまうと、答案は書けないでしょう。学術用語としての「色好み」は折口信夫の「色好み論」に始まります。それは、王者の美徳として幻想されるものであり、「女性のそれぞれに対して身分、家柄や容姿・才知など、そのよさを識別して愛着を持ち、それにふさわしい処遇を与える恋愛道徳の理想」(『源氏物語辞典』學燈社)などと定義されるものです。

 この「色好み」は、中古の物語を勉強する人間にとってはほぼ常識で、特に、『伊勢物語』や『源氏物語』を研究するには必須のタームです。しかし、専門で研究している学者さんにとって常識でも、一般的には・・・、つか普通の高校生には・・・。

 この時の某J智大学国文学科受験生の答案を、是非拝見したいものですが、さぞかし、みんな苦戦したんでしょうね。お気の毒に。こんな出題は、ハッキリ言って、出題する側の無知、怠慢のなせる業です。でも、この問題で運命決められちゃった受験生もいたんでしょうからねえ・・・。

 まあ、人間の運命ってそうやって決まっていくものだと言ってしまえば、それまでなんですが・・・・。~_~;;;

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2010年9月 5日 (日)

恥は一時の恥

 今日は、内弟子Yの実家に行っていました。二人で昼食を取りに行った時のこと。

 韓国料理屋のランチで、半ライスがついたのですが、その半ライスにお代わりのサービスがあるのかどうか、ちょっと判らなくて二人でモメた末に、内弟子Yいわく、「まあ、『恥は一時の恥』だから、頼んでみましょう」だって・・・。~o~;;;;;

 うーーん、意味は判るし、ある意味、真理を言い得ているんですけどねー。

 内弟子Yの言葉には、時々、こういう無知ゆえの真理みたいなものが含まれています。本物の無知にしては言い得ているので、判って言っているギャグなのかと思わされることがあるのですが、でも、よーく聞き直してみると、単なる無知だったりするんですよねえー。~o~;;

 でも、思うに、無知だからって単に他人に「聞く」ばかりでは、「一時の恥」以上にはならないような気がします。コイツみたいに「聞かぬ」を通して自分で考え出しちゃうことの中に、意外な真理が孕まれていくのかもしれません。何でもすぐに教師に聞きたがり、暗記したがる昨今の受験生には、ちと内弟子Yを見習わせたいような・・・。

 ってほどのことでもないかネ。~o~;;;;;;

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2010年9月 4日 (土)

まとまらない日の種種雑多

 火曜日の徹夜がいけなかったのか、それとも、NZでもらってきてしまったのか、軽く夏風邪気味で体調イマイチのところへ二学期の最初に配布するプリントの準備に毎日追われ、とどめに、毎日毎日残暑残暑ざんしょざんしょ・・・・。

 つーわけでブログ更新どころではありませんでしたが、それでもなんとか体調も回復し、これと言った急ぎのデスクワークもなく、今日は完全オフの日。こんな日にブログ更新しなければと思い、事実、いろいろ書きたいネタもあるのですが・・・、まとまんないっす、暑くて。~o~;;;

 というわけで、とりとめもなく、種種雑多なネタを並べてみましょう。

 一昨日、横浜の居酒屋「坐久丸」さんに久々に行ってきました。相変わらずな感じでいろいろ飲んだのですが、栃木県渡邊酒造さんの「旭興 生酛純米 とちぎ酒14 八割八分みがき」が、んまいっ!端麗で平板になり易いとちぎ酒14という酒米の特徴を生かして精米歩合88%という低精白で仕込んでいるのだそうですが、わずかに香る乳酸や高めのアミノ酸度がもたらす複雑な旨味。それでいて雑っぽくならないところがグッドです。岩ガキと合わせてみたのですが、鮮烈でした。渡邊酒造ってやっぱスゴイと思います。

 さて、今日はオフの日のため、自宅でサッカー雑誌の片づけなどしながら、W杯クループリーグのvsオランダ戦の録画を見直しました。ポゼッションは圧倒的にオランダですが、日本チーム、よく戦ってるし、どちらかと言うと日本ペースです。特に前半はスナイダーに仕事をさせてないし。

 後半、リードされてからの攻勢も見事でした。ただ、欲を言えば、俊輔があのチームにはフィットしてないです。動きにもメリハリがない感じだし、彼のところでボールを奪われたり、攻撃が停滞したり・・・。もしかすると、俊輔を入れずに、もうしばらく松井を引っ張っても良かったかも。

 それと、出色なのは長友のスピード。しかも後半、オランダの動きが鈍ってくるにつれて勢いをましていきます。彼だけが異次元のスピードでTV画面の中に突進してきます。持久力だけでなく、瞬間のスプリントもあり、何度か長友がらみでチャンスが出来ました。特に、俊輔が入った直後、ペナルティエリア左サイドでボールを持った大久保の脇を駆け抜けていった時のスピードは、回りの選手とは別の動物のようでした。絶好調時のエトーみたいに。

 もし、大久保がシュートを選択せずに、スルーパスを出していたら・・・。まー、結果はわかんないですけどね。

 ちょうど片づけていた2006のサッカー雑誌に「近未来日本代表」っていう特集があったのですが、この時、長友は全く名前が出てきません。完全に無名選手だったんです。この時、U-19の右サイドは内田君だし、左サイドバックには浦和の堤君なんかが入っています。

 この頃に若手の注目選手は平山だったり、カレン=ロバートだったり、U-16の柿谷君だったりします。平山はともかく、カレンも柿谷君も今J2のチームでくすぶってます。うーん、期待通りに伸びてくる選手って少ないんですよねえ。でも、期待されずに伸びてくる長友君なんかもいるしなぁ。

 ちなみに、今、清水で不動のボランチになってる本田拓は、この時から「次世代ガットゥーゾ」なんて言われてます。この選手、多分、ザッケローニのお気に入りになりそうな気が。~o~

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2010年9月 1日 (水)

小さな秋大きな夏

 今日は、朝から立川。今日から本格的に浪人相手の授業が始まりました。「とうとう夏が終わりました。今日から二学期の授業です」なんて教室じゃ言ってますが、外はままだ猛暑日で、もわーーっと夏だったりして・・・。なんだかなー。~o~;;;

 長年使っていたワープロ専用機がとうとう壊れ、PCにWordを入れて仕事で使い始めました。そのため、二学期開始時に配布していたプリントを打ち直さねばならず、昨夜はちとヂゴクでした。ほとんど徹夜でした。その割に授業の方は絶好調でしゃべれました。もっとも五時間目終わったところで燃え尽きて真っ白な灰になっちゃいましたが。

 つわけで、今夜はもう明日に備えて寝なければ。~o~

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