人形買い講釈
昨日は娘(仮称ケミ)の初節句のための人形買いでした。何日か前からあたりをつけていた近所の人形屋に家族三人で出かけました。八王子は古い町のためか、ウチのご近所に人形屋が二軒もあります。そのうちの一つ甲州街道沿いの「三ツ木屋」さんに行ってみました。
初節句の準備を扱った落語に「人形買い」というのがあります。同じ長屋の神道者の子供の初節句のために、月番の男が長屋の金を集めて人形買いに行き、値切って浮いた金で一杯飲もうとするが、同じ長屋の占い者の先生と講釈師に人形の相談をしたところ、占いと講釈で金を取られてしまうという話。そんな落語を思い出しながらの人形買いでした。
「三ツ木屋」さんは創業百年余りという老舗であるためか、ご主人はまだ若いのですが薀蓄をたくさんお持ちで、人形に関する話をたくさん聞かせてもらいました。
お節句の人形は縁起物なので、昔から「縁起物は三月掛けしない」と言って、三か月に跨って飾るというのを嫌うのだそうです。だから、三月の節句の人形を一月中から飾るというのは拙く、二月の節分を過ぎてから飾るものなのだとか。
お内裏様とお雛様は、昔は向かって右にお内裏様、左がお雛様だったのですが、明治天皇が向かって左にいる写真を撮らせたところから、それ以来、関東では向かって左にお内裏様を配するようになったとか。
三人官女は真ん中で座る女性だけ眉がなく、よく見ると口の中が黒いが、これは真ん中の官女が年齢の高い中臈で結婚しているという設定になっているためで、口の中が黒いのは既婚者であることを示すお歯黒なのだとか。
その他、この地に昔から住まっている方ならではの八王子地元ネタなどもうかがい、内弟子Yとともに、へえーーへえーーの連続で、ためになるひと時を過ごしました。内弟子Yは、ご近所の幼稚園は弁当持参だが、最初にカワイイ系弁当を作ってしまうと、その後、ずーっとカワイイ系を作らねばならず苦労しますよという話に一番感銘を受けていた模様。~o~;;
人形は、住宅事情に合わせて、それでも精一杯見栄えのする物、しかも、内弟子Yがパッと見て「コレ!」と気に入った物を購入できました。こんなに講釈を受けると、落語では金を取られることになってるのですが、逆に少しオマケしてもらい、良い買い物でした。将来、ケミがこの人形を気に入ってくれると良いのですが・・・。ケミは人形買いの間、ずーーっと内弟子Yの背中ですやすや可愛い寝息を立てていました。~o~
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