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2011年3月 9日 (水)

南の島に吹きつける風

 昨日、何気なくTVをつけて、「とくダネ」という朝の情報番組を見ていた時のこと。キャスターの小倉智昭がNZ地震についてオープニングトークで得意そうに語っているのを聞いて、ちょっとイヤな気分になりました。

 小倉さんが言うには、NZは日本と同じように地震大国だと思われていて、耐震建築の研究も進んでいるという報道があるけど、それは違う。NZに住んでいた大橋巨泉によると、NZは地震が日本より少なく、そのためNZは地震に対する備えがなくて、プレートの上に住んでいながら耐震構造も緩かったんだというんですが。

 これは確かに事実だと思います。NZは日本ほど地震が頻発するわけではありません。したがって、耐震建築の研究が進んでいるという報道にはワタシも首をかしげていました。でも、今この時に、そんなことを鬼の首取ったように得意げに言われても・・・ちょっと困ります。というか、ワタシのNZ在住の友人たちが聞いたら、多分、泣いて悔しがることでしょう。

 ワタシのクィーンズタウン在住の友人モトさんは、フェロートラベルのガイドをしながら地元でB&Bを営んでいるのですが、クライストチャーチの震災が一段落した後、彼女のB&Bはキャンセルの嵐に遭っているのだそうです。所謂、「風評被害」です。

 中越震災の時もそうでした。震源地の小千谷、長岡地区に対して、八海山は距離的に近い位置にありながら、ほとんど被害を受けませんでした。直下型地震で、狭い範囲にしか被害を与えない地震だったからです。しかし、震災の後のシーズン、お客さんは減少しました。「中越地震」という名称であったため、中越地区全体が風評被害を受けたんです。

 クィーンズタウンは、クライストチャーチから500kmも離れた街なのですが、同じNZ南島中部で、クライストチャーチを経由して街に入ることが多いため、近い場所のように見られてしまうのでしょうか。QT自体にはまったく地震の被害はないのに、早くもキャンセルの嵐。観光の街QTの経済は大打撃を受けること必至です。

 日本のマスコミは地震の被災地を興味本位で取材します。そのこと自体は、一般人の被災地に対する関心を喚起して募金活動などにもつながるので、必ずしも悪とは言えません。しかし、地震のあった地域に対して、耐震建築の遅れている危険な所だということを必要以上に強調した報道をするのは、現地で復興に向けて必死に立ち上がろうとする人たちに足払いを食わせることになるのではないでしょうか。

 NZは確かに耐震建築の点において日本ほど進んでいないと思います。しかし、それは地震そのものが日本ほど多くないからであって、これからNZに旅行することが日本にいるより危険だということにはなりません。したがって、NZは耐震建築の遅れた国だと日本の皆さんにことさら伝えることは、あまり視聴者にメリットをもたらすことではありません。にも拘らず、彼がオープニングトークにこの話題を選んだのは、結局、自分が他のマスコミとは違うのだと自己主張したかっただけなのではないでしょうか。

 しかし、その結果、南の島には風評被害という冷たい風が吹き付けるのです。

 本当なら、ワタシとしてはここで、震災地復興のためには募金なんかより、NZに旅行してお金を落としてあげるのが一番だと言うべきところなのですが、何せワタシ自身、家庭の事情でこの夏はNZに行けそうになく、なんとも・・・。

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コメント

お久しぶりです。私も全くその通りだと思います。 なので、一旦は躊躇したクライストチャーチ行きも、今年の夏も変わらず行く予定です。

もちろん、街中で浮かれて遊ぶことは出来ないと思いますが、まずは行ってあげることが大切かなぁ~って、今は感じています。

投稿: meito | 2011年3月10日 (木) 07時52分

お久しぶりです。書き込みありがとうございます。

 今年の夏もいらっしゃるんですね。うらやましい。

 ワタシも二月までは、今年は子供の面倒をみなければならないのであきらめ、来年家族で行こうと決めていたのですが、こうなってみると、ちょっと気持ちが揺らぎます。かみさんと仕事が許してくれたら、一人で行こうかなぁ。

投稿: Mumyo | 2011年3月10日 (木) 19時34分

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