潮騒の宿からのながめ~これから戦う相手
昨夜、父の仮通夜があったので、相模湾に面した漁師町に来ています。父の家から少し離れた民宿に泊まっているのですが、今朝は潮騒で目を覚ましました。窓の障子を開けると、海に浮かぶ朝日、入り江にかかる橋、打ち寄せる波が見渡せます。平和な漁師町です。
親父は、もう何年も前から「俺ぁ、もうやるべきことは全部やったから、何時死んでも良いんだ」と言って、自分が死んだ時の準備をしていましたし、少しも苦しむことのない大往生だったので、我々兄弟は、皆、穏やかに父の死を受け入れることができました。まぁ、残された母の心のケアがちょっと心配ですが・・・。
母の孤独がこれから我々の戦う相手です。
さて、こんな田舎に来ても、地震のこと、停電のこと、原発事故のことなどがよく話題になります。
昨夜、潮騒の中で考えたのですが、多分、我々日本人がこれから戦わなければならない相手は、まず電力消費です。いくら計画停電などと言っても、これをこれから何年も続けるわけにいきません。原発がもうあてにならない以上、消費を抑えるしかありません。ワタシのマイミクでそちらの関係のお仕事をしている人によると、エアコン、シャワートイレ、食器洗浄機、衣類乾燥機、ホットカーペット、それに待機電力などにより、家庭の消費電力はバブル期より増加しているのだとか。
これらの与えてきた快適性が、これからの我々の敵になります。
そして、もしかすると、それよりも緊急性の高い相手が、原発に関するデマ。少しの間にずいぶん親しい人達から、いろんな話をうかがいましたから、よほどたくさん飛んでいるんですね、デマ。
それらの中には、ある程度の事実も含まれているのかもしれませんが、ほとんどは一年経たないうちに、笑い話のネタに出来るような荒唐無稽のものだと思います。今、具体的に書き込むのは、却ってデマを広めることになるといけないのでしませんが、そのうち笑い話として紹介できる・・・と信じたいです。
災害時にはよくあることだと思いますし、特に原発事故の被害は、まったく目に見えず大半の人にとって理解できない技術の果てのことなので、ある程度デマが飛ぶのは致し方ないのですが、それでも、我々は、精一杯理性を働かせ、見えざる放射能の恐怖と戦って、それらが伝播することを防がねばなりません。
そうしなければ・・・、日本の社会の安定は崩壊してしまいます。こういう時に、一番怖いのは人間、人の心に住む「恐怖」という鬼だと思います。
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