川の流れ孤島の灯り
今日は、立川で授業でした。授業の合間にちょっとテキスト本文に疑問の点を見つけて、『大鏡』の本文を見たくなり、本屋さんに行ってみたのですが・・・。
驚いたことに立川駅の近くにあるO書房さんには、古典全集というものが全く置いてありませんでした。あわてて駅構内のO書房にも行ってみたのですが、同様。けっこう大きな書店なのになぁ。
そう思って考えてみると、何時の頃からか、八王子駅近くのK書店でも、古典全集の類はほんのわずかしか置かなくなっていたのでした。
ほんの十年ほど前まで、駅近くの大きな書店にはたいてい古典全集の類が置いてあったものでした。出講している校舎で何か疑問を生ずると、そういうところへ駈け込んで注釈書のチェックをしてくるというのが、ワタシの奥の手だったんですが・・・。もう使えませんねえ。~o~;;;
しかし、なぜ古典全集を置かなくなったんでしょう。まあ、売れないからなんだろうけど、あんまり売れないのは以前も同じでしょうにねえ。書店に余裕がなくなったってことでしょうか。それとも、もともとそれほど売れなかったのが、完全に売れなくなったってこと?
何にしても寂しい限りです。なんだか、古典文学自体が、巨大な時の流れの中で世の中から捨てられ忘れ去られていくようで。まあ、ワタシゃスキーという斜陽化産業にも関わっているので、そういうのは古典ばかりじゃないんですけどね。~_~;;;;
なんだか心寂しくなったのですが、そんなO書房さんの本棚で、大学の時の恩師の名前を発見しました。なんと、新著です。先生は御年87才のはずなのに・・・。
多分、二、三十年ぶりの新著です。今まで発表なさっていて本になっていない論文をまとめられたらしいのですが、それにしても、先生、まだ頑張ってらっしゃるんだ。うわー、すげー。
世の中の大きな流れの中で、流されずにぽつねんと踏みとどまる小さな島の灯りを見た気がして、なんだかホワリとしました。コレは是非、購入して勉強させてもらわねば。
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