世界を変える一本
世間では九連休などというお方もいらっしゃるようですが、我々の仕事では、何年か前からGWとは労働強化週間の略語です。しかし、この土日はお休み、つか、デスクワークは死ぬほどあるのですが、無理やりお休みにしました。当然、家族で越後です、雪です、かぐらです。
んで、昨日今日とかぐらでした。快晴の上非常に暖かで雪たっぷり。理想的な春スキーです。昨日も今日も、内弟子Yにたくさん滑ってもらいました。こちらの考えもあるので。
内弟子Yは、先週の丸沼でコブにお悩みモードだったので、なんとか一皮むけてほしかったのです。今日も、なるべく内弟子Y中心。ワタシは娘(仮称ケミ)を背負って、内弟子Yのビデオ撮りでした。
このところ、内弟子Yのコブは良くなったり悪くなったりだったのですが、今日はとりわけ悪い状態でした。朝、第五リフトのコブを滑ったYが、ビデオを見て顔をしかめるほど。悪いクセが全部出ていました。
何処のコブを滑ってもYの状態は改善されません。だんだん滑っている顔が暗くなり、「もう今日は滑りたくありマセン」「今シーズン、もう滑らなくて良いデス」などと半泣きで言い出すほど。こうなっちゃうと、滑りもどんどん悪くなる一方です。自分で状態悪くなっているのが判ると体が委縮するからコケまくり。いやー、マズイことになったなぁ。
でも、正直言って、ちょっと上手く滑れないからと言って「もう滑りたくありません」などと言うのは、許せない話です。スキーは本来そんなに早く上達するものではないのに、スキーをナメてます。「そんなこと言うなら、オマエはもうスキー止めろ!」とキビシイ言葉が口をついて出そうになりました。
昼過ぎにコレ以上はケミを背負って滑るのは無理だという時刻になり、コレが最後の一本だからと見本を見せました。ケミを背負いながら、見本を見せるのは、無理があるのですが、短いコブラインでなんとか。
最後のラインコブで内弟子Yを滑らせました。これでダメなら、まあ今シーズンはダメだろな~。
と思ってビデオを撮っていたら、最初の数ターン、見事な先落としを見せてトップでコントロールする滑りを見せてくれました。これまで、どんなに練習しても出来なかったのに。
「アレって良いんですか~」「アレだっ!アレで良い!」「もう一本行かせてくださいっ!」「行って来~~いっ!」
もう一本滑らせたところ、お見事な雪面コンタクトを保ちながら一本コブラインを滑り切りました。なんでいきなり出来ちゃうんだか。~o~;;
今までコブの頭で回し過ぎてテールで削るだけの滑りだったのをしつこく注意していたのですが、どうしても治りませんでした。頭は理屈を理解していても体がその滑りの安全性を信じていたからです。特に右外足は、なまじっか器用で回せるためにテールで削るクセが抜けませんでした。
それがこの一本では、コブ頭できっちり先落とししてコブ裏の急な部分にスキートップ部を張り付かせトップ部のエッジでコントロール出来ています。モーグラー達が使うテクニックでもあり、昔、ワタシがザウスで我満デモに教わった滑りでもあります。
「なんだか世界が変わりましたっ!」とは内弟子Yの言葉です。我々スキーヤーは、今までできなかった技術が突然出来た時に、滑っている風景が今までとは違って見えることがあります。まさに、世界が変わって見えるわけです。しっかし、今シーズンの最後の一本かというところで、その一本が出るか、ヲイ。
これだから、才能のあるヤツわっ!~o~;;;
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント