春雨に濡れてまいるは
春雨の降る今日この頃ですが、昨日、Eテレ「にほんごであそぼ」を娘(仮称ケミ)とともに見ていたところ、「絵合わせかるた」というコーナーで、「春雨じゃ濡れて行こう」が出てきました。
この「絵合わせかるた」というのは、格言ことわざの類を、かるた形式にして下の句を当てるんですが、「春雨じゃ」と言われて、「濡れて行こう」が出て来る子供っているのかしらん。~o~
と思っていたら、傍で家事をしながら見ていた内弟子Yに尋ねられました。「何デスか、コレ?」「月形半平太の台詞」「ふーん、さすが古文の先生」「いや、コレ古文は関係ない」
そもそも、「春雨じゃ濡れてまいろう」は格言でもことわざでもないし、月形半平太なんて国民的常識とはもう言えないですよね。ワタシも月形半平太の名台詞というところまでは知っていましたが、今回、ブログネタにするのに検索してみたら、「月形半平太」は新国劇の代表的演目で、映画化もされているとか。
ワタシの年代ですでに、新国劇なんか見てないし、映画も見ていません。ただ、月形半平太の名台詞として、どこかで見たり聞いたりしているんですよね。だから、ワタシの年代では、「国民的常識」にかなり近い名台詞だったろうと思います。江口寿史の漫画にだって、「月様、雨が」「春雨じゃ食べて行こう」というギャグがあったくらいだから。
しかし、内弟子Yの年代だとどうなんでしょうね。我が内弟子Yは、恐らく同世代の中でも特別常識ハズレだろうからなあ。
ずっと以前、国民的常識の「モノガタリ」が失われていっているということについて、書いたことがありました。「モノガタリ」の喪失は文化的にちと拙いことになりそうなんですが、この程度の名台詞だとどうなんでしょう。春雨に誰が濡れて行こうと、日本の文化の行く末には影響なさそうですねえ。
まあ、国民的常識と思っていたことが失われていくのは、上の世代の人間には寂しいことなんでしょうけどね。
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