言葉の力と肉体の再現性
一昨日、八王子に帰ってきました。
一昨日の夜は、早速、身内だけの祝杯とビデオを見ながらの反省会でした。あらためて見直してみると、うーーん、コイツ、上手くなったなー。~o~
今年は理論的な理解が出来てきて、良い滑りの再現性が非常に高くなったのですが、それは、「山タク」「ニュートラル」「ススメススメ」という三つの言葉の力によるものでした。
内弟子Yは、先シーズンの終わりに山田卓也デモにマジックをかけてもらい、右ターンの外向グセが治ったのですが、それが今シーズンに入っても注意事項の第一番でした。右ストックを横に突き、それを引く一連の動作を、彼女は「山タク」と呼んで、いつも呪文のように唱えていました。
今シーズンは、丸沼での佐藤麻子さんのレッスンで始まったのですが、そこでニュートラルを作る基本練習をさんざんやらされました。この時に、エッジを緩めてニュートラルを作り内足主導での切り替えに備える動きを「ニュートラル」と呼んで二つ目の呪文にしていました。
同じく麻子さんのレッスンで、外股関節を回して外足を滑らせる低速練習をさんざんやらされたのですが、これが内弟子Yは下手でした。どうしたら良いか判らないようだったので、ワタシが、「外足を前に出すようにすれば良いんじゃないの」と教えたところ、急にこの動きが出来るようになりました。彼女は、これを「ススメススメ」と呼んでいました。
山回りの最後にエッジを緩めて行ってニュートラルを作り、内足主導で切り替え、上体を内向させる先行動作を行うことで軸を作って谷回りし、外股関節を回して外足を滑らせ板の前後差を無くしていく。この一連のターン動作を、「ニュートラル」→「山タク」→「ススメススメ」という三つの呪文に置き換えることで、明確に意識化し体に理解させたのです。
ターン動作を言葉に置き換えていくことで体に再現させようとするのは、まさにスキー教程の世界なのですが、彼女がユニークなのは、それを自分なりの短い単語に置き換えてしまった点にあります。自分の言葉だから忘れにくいし、短い単語だからターン中も意識化しやすく体で再現しやすいんでしょう。
早い話が、「内足主導で切り替えて、上体を内向させて軸を作り谷回りを行う」なんて頭で考えながら滑ってたら間に合うわけないけど、これら一連の動作が、「山タク!」の呪文になってれば早いモンね。
言葉の力が運動の再現性につながったってことですね。ネーミングの天才ならではの上達法なのかもしれません。
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