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2013年4月24日 (水)

泣くな、オトコの子!

 一学期第二週の今週は、毎日、目の回る忙しさで授業をし合間に模試の仕事もしています。正直、ブログなんて書いている余裕はないのですが、でも、今日は書いておきたいことが起こってしまいました。

 今日の昼休みのこと。教えていないクラスのオトコの子が、何故か質問に来ました。一般的な学習法の話だったので、気軽に応じたのですが、彼は、昨年、国語三教科の中で古文に八割以上の時間を掛けて必死で勉強したにもかかわらず、センター試験の古文で大失敗。今年どのように勉強したら良いかというのです。

 昨年の勉強の仕方をかなりキチンとメモして説明してくれました。論理的に考える能力のある子のようです。ところが、その中に、某有名講師Aの名前が・・・。~o~;;;;;

 なんでも、某有名講師Aの文法・単語・古文常識の本を三冊とも三回やり、隅から隅までみっちり暗記したんだとか。ナルホド、努力の量に対して結果が伴わなかったわけです。

 この某有名講師Aという人は、どんなことでも暗記させたがります。文法の本でも暗記万能主義は鼻につくのですが、古典常識の本などでも、暗記暗記暗記と暗記を強要します。ところが、この人の古典常識の本というのは・・・。

 まず、細かい知識の誤りがいたるところに散りばめられています。例えば、最初のページ。「覚え」という語について、この人は、「『世間で覚える』の発想で評判の意味になる」などと説明しています。こんなのはちょっと古語辞典を引けば、誰でもデタラメだと判るはずです。「覚え」が「評判」の意味になるのは、「覚え」に受け身の意味があって、世間で思われることだからです。

 以下、細かい知識の誤りが延々と続きます。いちいち指摘するのは面倒だし、誤り自体は小さな無害な物が多いので、まあ許容するとして、問題なのは、所々に「難関校志望者は覚えてください」「入試に頻出」などという暗記の強要が付いていること。

 さらに宮中の建物、宮廷行事なんかの説明が変に詳しかったりするのも困り物。こんなこと古文読むのに必要ないだろうってことまで書いてあり、そこにも「多くの大学がさまざまな角度で問題を出しました」「難関校では出題されます」などという脅かし付き。

 申し訳ないけど、「白馬節会」について「あをうまのせちゑ」という読み以外のことを聞いてるのは、見たことがありませんが・・・。

 あっちで脅かされこっちで脅かされして、マジメな彼は、散々時間をかけてこの本を端から端まで暗記したんでしょう。その結果、国語の勉強の八割の時間を古文に費やし、古文の得点が三割ちょっとだったと・・・。

 「買ってはいけない」バナシを交えて、彼のやった本がどんな代物なのか説明してあげたら、彼はいきなり泣き出してしまいました。うーーん、長いことこの仕事をしているけれど、講師控室で男の子にこんなに泣かれたのは初めてかも。

 まあ、女の子に泣かれたこともないかもしれませんが・・・。~o~;;;

 しかし、こんなことになったのは、誰が悪いんですかねえ。彼にこれらの本を推選したのは、いったいどこのどなただったやら。責任者出てこーい。

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投稿: あれは2年も前のことでした | 2013年4月25日 (木) 15時07分

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