ただのカタマリ?!
タイトルは、今朝のケミさんとの会話から。誕生日プレゼントの水筒を喜んでくれたケミさんに、「水筒には何か絵が描いてあったの?」と尋ねたところ、白雪姫と七人の小人だったようです。「そっかー、そんな絵が描いてあったのかー」と感心してみせるパパにケミさん、さも当たり前という調子で、「何も描いてなかったら、そんなのただのカタマリだよ。ただの石だよ」~o~;;;;
そんな会話から始まった一日は、何故かカタマリに縁のある日でした。
今日は、昼間授業のない日だったので、赤本の間違え探しと模試関係の仕事をしました。何とか予定通り、完成。今年は、赤本NG大賞を早々と発表していまったのですが、それに近いのを一つ、新たに見つけてしまいました。千葉大の文・法経は、今年『更級日記』を出題して、
何さまで思ひ出でけむ なほざりの木の葉にかけし時雨ばかりを
という作者の和歌の解釈を求めているんだけど、赤本執筆者の方、この「何さまで」を「何様で」と取っちゃったみたいなんですね。
もちろん、これは、「何/さ/ まで」と切れて、「どうしてそれほどまで」と訳さねばならないところ。主な諸注釈はそうなっているはずです。有り勝ちな勘違いではあるし、時間が無かったんでしょうけど・・・ねえ。~o~;;;
このように、古文では、言葉のカタマリを何処で切るかが大事です。自分の解釈が何だか変だとなったら、まず言葉のカタマリの区切り方を考え直す必要があります。まあ、そういうことに慣れている専門家は、滅多に間違えないんですけどね。
さて、今日の夜は、町田で仕事でした。予定通りの電車に乗って、さて、もうすぐ町田に着くという矢部駅で、突然、電車が動かなくなりました。「ただ今、淵野辺駅で人身事故が起こりました」という車内アナウンス。ぐげーっ。
電車は一時間以上止まっちゃって動きませんでした。我々乗客も車内で一時間以上カタマってました。うわー、補講だよ、こりゃ。やれやれ。
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コメント
「入試問題正解」にあたってみたところ、「どうしてそれほどまで」という解釈をしていました。
ご存じかどうか、この「入試問題正解」は、2012年版から国語は、「私大編」と「国公立大学編」に加えて、「追加掲載分」という三冊立てになり、経済的負担が大きくなりました。ちなみに千葉大学は、「追加掲載分」に掲載されています。
それにしても赤本の執筆者は、「更級日記」くらいの有名な作品ならば、「古典文学全集」なり「古典集成」なりを参考にしないのでしょうかね。
投稿: ニラ爺 | 2014年9月25日 (木) 12時28分
そうなんですよね。なんで、調べなかったんでしょう。
調べた方が執筆が楽でしょうにねえ。たまたま手元に注釈書が無くて、図書館に行く時間も無かったってことなんでしょうか。謎です。
投稿: Mumyo | 2014年9月25日 (木) 23時20分
岩波文庫ですので、詳しい註がなく、「何様で」と、歌の解釈不明のまま読んでいました。「なに/さ/まで」ときちんと区切れば、三ー五区の解釈もしっかりとれますね。
投稿: 侘助 | 2014年9月26日 (金) 09時01分
そうですね。この場合、二句切れで倒置になり、
「なほざりの木の葉にかけし時雨ばかりを/
何さまで思ひ出でけむ」
(いい加減に木の葉に掛けた時雨ほどの、その場かぎりのことを/どうしてそれほどまで思い出したのでしょうか)
と解釈すると、一首全体の解釈もスッキリします。
投稿: Mumyo | 2014年9月26日 (金) 17時42分