「プロ」を思う
昨日今日と八王子でも寒いのですが、スキー場のライブカメラが楽しいことになっています。北日本のスキー場は真っ白!ひゃっほー!
かぐらや丸沼は、オープン目指して降雪機フル稼働中らしく、コースが出来上がって来ていますが、昨夜は天然も降った模様。良い感じです。ひゃっほー!
さて、そんなナイスな天候とは無関係に、唐突ですが、「プロ」の話。英語で「Professional」という言葉は本来、”専門的・職業的”という意味なんだろうけど、日本語で「プロ」というのは、およそ二つの側面を持つ言葉だと思います。優秀な専門的仕事人という側面と職業に徹することの出来る商売人という側面。
例えば、我々の仕事の場合だと、自分で「プロ」だなぁ、と思うのは、肉体的コンディションが最低の時にも教壇で普通に授業できちゃった時。昔、『ダイヤモンドは傷つかない』という映画で、山崎努扮する予備校教師が、酔っぱらって喧嘩してボロボロヘロヘロになりながら、「オレはプロだ」と嘯いて教壇に立つシーンがありましたが、まさしくアレ。~o~
予備校の場合、教師の側にどんな事情があろうと、生徒さんの受験は待ってくれないので、何が何でも、毎週、普段と変わらない授業をしなければなりません。そういう意識を持つ人が「専門的仕事人」なんですね。
まあ、本当に「優秀な専門的仕事人」となると、コンディションの維持にも気を使わなきゃいけないから、体調崩すこと自体、「プロ」とは言えないかもしれないんですけどね。
例えば、リトバルスキーが初めてJリーグに来た時、ジェフ市原の選手寮の部屋の冷蔵庫にビールが入っているのを見て、プロ意識のなさに呆れたという話があります。サッカーのプロたる者、ビールなんて飲んでちゃ体調を維持できないってことのようです。シビアなプロの世界です。
閑話休題。ワタシは予備校屋が専門的知識を持っていること自体には、あんまり「プロ」を感じません。だって、プロになろうとして身に着けた知識でもないし、アマチュアの人だって知識くらい持ってるし。
一方で、ワタシが同業者に「プロ」を感ずるのは、後者の側面、「職業に徹することの出来る商売人」のことが多いです。怪しい参考書を売りまくることの出来る有名講師の方たちなどまさに「プロ」。
以前、某有名講師Xが、自分が教えている公式の反例を持って質問に来た生徒に対して、「僕の言ったこと以外入試では出ないんだよ」と大見得を切ったという話を書いたことがあるけど、これなんか、まさに「プロ」だなぁーって感じです。
だから、ワタシは生徒さんに対して自分が「プロ」だと誇りたくありません。我々の職業にとって、「プロ」的であることは、そんなに自慢できることでもないかなと思うから。
ところが、数日前、本当に良い意味での「プロ」の仕事人を見てしまいました。ワタシの模試関係の仕事について、執筆したワタシだけでなく、他の先生が何人も目を通してチェックし校了、印刷寸前まで行った原稿の誤りを、模試関係の職員さんが最後のチェックで発見してくれたんです。
言い訳をしておくと、我々教師は内容的なことについ目が行ってしまい、形式的なミスは見落としがちです。ワタシも他の先生方も、内容についてのチェックは何重にもしていたのですが、まさかこんなところに・・・という落とし穴を見つけられませんでした。
以前から、ウチの模試関係、テキスト関係の職員さんの優秀さには時々感心させられていたのですが、今回ばかりは本当に感心しました。普通なら、古文の専門家が何人もチェックしているのだから、油断して見落としそうなものなのに、地道に真面目に最後のチェックをしたからこそ発見できたんです。本物のプロ意識のなせる業です。エライもんだ。
こういう人が本当の「プロ=優秀な専門的仕事人」なんでしょう。感謝感謝。~o~
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コメント
以前宮本輝の小説を読んでいて、プロとアマの差はとてつもなく大きいという文章にぶつかったことがあります。そういう文脈でいえば、プロというのはごくごくわずかな人間にしか通用しない言葉だと思います。
私自身は、自分がプロだと思ったことは一度もありません。ただひとつだけ、プロ並みに自慢できることがあるとすれば、この仕事に就いてから本日まで、当日になって休むないしは遅刻するというのは一度たりともないということです。「××先生、今日は体調が良くなく休みで、みなさんは自習です」と言わしめたことがないというのがかろうじてのプロ意識でしょうか。
両親も、冬休みや春休みに亡くなり、授業に支障を来さなかったし、子どものたまたま学校の休みに生まれたし、その点では自分はもとより家族の支えあっての記録かもしれません。
ただ、今後はどうかな。急に子どもが病気やけがをして、当日の朝、「すみません、今日は子どもを病院に連れて行かなければならないので、一日休みます。自習させておいてください」という日が来るような気もしますが。
投稿: ニラ爺 | 2014年11月18日 (火) 09時32分
実は、ワタシもほぼ病欠がありません。昔、めまいの発作を起こして起き上がれなくなった日に、急遽代講をお願いする電話をした後、救急車を呼ぶ電話を掛けたということはありましたが。
でも、これからは娘を理由にしての休講が、もしかしてあるかもしれませんね。まあ、起こってほしくないことではありますが。
投稿: Mumyo | 2014年11月18日 (火) 16時40分