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2015年9月11日 (金)

ヨカッタヨカッタの事情

 今日、ワタシは町田での授業でした。これは、まあつつがなく終了。特別な第一週が終わって、予備校の二学期も普通に始まったという感じがします。普通に授業していけば良いのは楽です。

 今日は、娘(仮称ケミ)が、保育園で祖父祖母参観でした。我が家は、茨城からはるばるババちゃんが参観に駆け付けてくれました。台風の影響がなくて、ヨカッタヨカッタ。ババちゃんは、朝四時起きだったそうですけどね。

 ケミさんは、久しぶりにババちゃん会えて、かなり張り切ったようです。ババちゃんに時間一杯までいろんなものを見せたくて聞かせたくて・・・、ババちゃんとママは大変だった模様。~o~;;

 ワタシの仕事が済んで、夕食時のこと。夕食直前までデスクワークをしていたワタシに対して、内弟子Yが、「なんか、○○さん、今年ずいぶん仕事してますねー」と話しかけてきました。

 確かに、今年は、生徒さんの勉強法に積極的にコミットする方針に切り替えたので、デスクワークが多いのです。暇が合ったらプリントを作ってます。

 その旨を説明したところ、Yは、「そんなに大変なのは、専門にする教科を間違えたんじゃないですか。現代文だったら、良かったんじゃない?」

 「え゛゛゛゛ーーーーーーーっつ」

 イヤハヤ、素人さんは気軽に言いってくれるものです。予備校屋の世界で一番大変で、一番割に合わないのは、現代文なのに、まさか、その教科を口にするとはね。

 どうも、某芸能人になった方をイメージしてしまったようです。~o~;;

 ああいう「芸能人さん」は別にして、マジメにやって一番大変なのは、現代文という教科です。最新の入試トレンドをつかむべく最新の入試問題をたくさん解いて、そのトレンドに合わせて最新の思想界や文学界の潮流をさぐるべく絶えず読書して、しかも、国語力が落ちている最近の生徒さんにそれをフィットさせるべく、様々な工夫をして、話芸を磨いて、自分の個性を際立たせる戦略を立てて・・・、それでも生徒さんのウケがイマイチになるのが現代文です。

 まあ、予備校屋の世界で、マジメにやったら一番難しくて割に合わないのは現代文という教科です。多分、現代日本語という、よく出来る生徒さんならしっかり身につけているツールで勝負せねばならないから大変なんでしょう。

 古文は、いくらよく出来る生徒さんでも、我々とは知識量や経験の量で絶対的な差があるから楽なんです。つか、予備校屋の世界で一番楽なはず。

 本来なら、夫の担当教科が古文でヨカッタヨカッタと、安心してもらわなきゃ、ね。~o~;;

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コメント

 昨日教科書会社の編集者と歓談。現代文の教材に関して意見を求められ、あれやこれや思うところをしゃべりました。作品としては優れているけれども、差別的表現や人権への配慮がないといった理由で、採用されないものがたくさんあります。編集委員会で合意を得ても、教科書検定で不可といわれればそれまでです。とある候補教材を巡って、意見を求められました。「いい教材になると思いますし、授業展開も容易だし、主題もわかりやすいし、編集委員会で選ばれた理由はよくわかります。ただ、どうなのかなあ、これって、この仕事をやや揶揄している箇所が散見され、下手をすると職業差別につながらないかなあ」と申し上げたら、編集者の顔色がみるみる蒼白になり、「確かに、そういわれれば弁解の余地はない。ああ、振り出しだ」と嘆いていました。ことほどさように現代文は難しいですな。
 二学期、私は「若紫」です。「一番楽な」授業で給与を得るのは申し訳ないような気がしますが。

投稿: ニラ爺 | 2015年9月12日 (土) 08時44分

 おっしゃる通り。「差別」や「著作権」といった現代社会の問題と直結しちゃいますからね。現代文の教材作りは大変ですよね。

 「決め台詞一発だけで授業が成り立つ」と、愚妻などは思っていたんでしょう。

投稿: Mumyo | 2015年9月13日 (日) 07時13分

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