衝撃の終幕その三~泣かせてくれない僥倖
大回りと小回りの二種目終わった段階で合格まで一点のビハインドになってしまいました。しかし、今のYなら十分逆転できます。総滑は野沢で二回も80点を出している得意種目ですし、コブも練習十分。どちらもYのベストが出せれば81点は取れます。
総滑は、ほぼ練習通りの滑りでした。Yのベストと言って良いと思います。コレは、行ったか・・・と思ったのですが、80点でした。コートが短かったため、大回りのスピード感をアピールしきれなかったかもしれません。あと、10mコートが長ければ・・・。
などと言ってみても仕方ありません。コブで81点取れば良いだけのこと。総滑の得点を見たYも、覚悟を決めた良い表情をしていました。
コブ種目は斜面を変えてグングンコースで行われました。まさに、我々がコブ修業に励んだバーンです。グングンコース下部には深いラインが一本と浅いラインが一本ありました。逆転を目指すYは、当然深いラインを行かなければなりません。
全受験生には一本のインスペクション兼練習が認められました。Yは深いラインで練習。「このラインで行きます」と力強く宣言してスタート地点に上りました。よしっ!
舞子のプライズ検定は全種目テクニカルから始まります。テクニカルの人達が滑っている間、ワタシと娘(仮称ケミ)はゴール地点でYの快走を期待しながら待っていました。先ほどの練習の出来から言って、深いラインを練習通り滑れば加点は十分にあり得ます。もし、81点で逆転合格だったら・・・いやー、オレ感激して泣いちゃうだろなー。
と思っていたのですが・・・。
Yのスタートが近づいて、スタート地点に出てきたYクン、深いラインとは別の場所で構えています。ヲイっ!そこは浅いラインの上だっ!~o~;;;;;;;;;;
Yクン、浅いラインを普通に降りてしまいました。特に見せ場もなく、安全なコブ滑りでした。うわーーーー、なんてこったい。
当然、81点が出るはずもなく、80点止まりでした。なかなか師匠を泣かせてくれませんねえ・・・。ゴールしたYに説明を求めたところ、テクニカルの人達が滑ったためにスタート地点のコブの形が変わってしまい、深いラインがどっちだか判らなくなったんだそうです。いやはや・・・。なんてアホなフィナーレだい。
しかし、この勘違いは、実は正解だったということが後に判明しました。
検定終了後、念のためと思い、病院に向かいました。CTスキャンには異常なく、先生の見立ては「単なる脳震盪でしょう」とのこと。転倒直後に病院に来なかったことについてお説教され、二週間の安静を言い渡されました。
これで、Yの今シーズンのクラウン受験は全て終了。ガッカリしただけの終幕のはずでした。
ところが、帰宅後、念のため「脳震盪」をネットで検索して、ちょっとビックリ。脳震盪は頭部に強い衝撃を受けて脳が揺すぶられた結果、一時的な意識喪失や記憶の混乱、眩暈などを起こす病気なのですが、実は、脳震盪で本当に怖いのは、脳震盪を起こした後、脳が混乱した状態で再び強い衝撃を受けることによるセカンドインパクトシンドロームと呼ばれるものなのだそうです。
セカンドインパクトは重い脳障害を引き起こし、場合によっては死に至るのだとか・・・。
つまり、最後のコブで、Yが勘違いせずに予定通り深いラインに入り、完走できれば合格だったんでしょうが、一か八かの滑りで、もし、転倒した場合・・・。ワタシとケミさんは別の意味で泣くことになったかもしれないんです。~o~;;;;;;;;
良かったヨー、勘違いして。Yクン、ラッキー!!~o~
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