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2016年3月30日 (水)

暇つぶし技術論

 春期講習の真っただ中なのですが、今日は夜だけ仕事の日です。ちょっと暇なので、スキーのことを書きます。

 スキーのことを書くと宣言しておいて、まあ、ナンですが、暇なもので、話がアッチコッチします。一昨日、今年度の予定表が送られてきました。まだ確定はしていないのですが、今まであまり行ったことのない校舎に行かされることになったりして、ちょっと変化があります。通常授業が微減で夏期講習が少し増え、結果、仕事量は昨年度とあんまり変わらないかな。

 毎年、この季節は、今年度の仕事量と収入を予想できる季節でもあります。そういう意味で、我が家の経理部長Yクンは少し安心した模様。~o~

 閑話休題。スキーの話です。今シーズン、Yクンは飛躍的に技術が向上したのですが、そのうちの一つが、大回り板をたわませられるようになったこと。富士見の検定までは狭いコートだと大回り種目でも小回り板を使用していました。富士見の後のトレーニングで大回り板でのターン弧を縮められるようにしたわけなんですが、これにはいくつか理由がありました。

 一つは、大回り板を使った方が高速や悪雪での安定感を得やすいからなのですが、もう一つ、最近の技術の流れから言って、その方が点が出やすいと思ったんです。

 この何年か、都技選の高得点者の大回りを見ているとターン弧が小さいんです。代表の人達もそうですが、密かに内弟子Yのお手本と考えているK夫人の大回りなどもそうです。

 このあたりは、何年か前の「ハイブリットスキーイングからの解放」 が影響しているのかもしれません。ハイブリッド時代は板を踏むことさえご法度で、踏んでたわませて走らせるなんてあり得なかったわけです。その時代は当然、大回りは板のRのままでした。

 ところが、ハイブリッドの闇が明けてみると、板を踏んでたわませることが大事ということになりました。踏んでたわませる滑りを評価するわけですから、同じRの板ならターン弧の小さい方を評価するというわけです。

 そういう滑りが地方予選で高く評価されるという流れは、当然、テククラ検定の評価の方にも来ます。テククラ検定だって、今や、踏んでたわませて走らせなきゃ高い評価はされないはず。内傾角が作れてスムーズなら良いという時代は終わってます。Yの受けた野沢の事前講習の先生も同じ趣旨のことをおっしゃっていたとか。

 それに、大回り板を使った方が動きが止まらないということもあります。小回り板で大回りをすると傾けてRに任せればターンできるから動きが止まりやすいと思います。このあたり、小回り板を使った野沢二回目のYの大回りなどがそうでした。

 大回り板をたわませて小さなターン弧を作れるようになった今のYの大回りは、たわみもどりによって板が走ります。当然、見栄えもします。舞子で脳震盪直後にも関わらず80を出せたのは、そういうことなんだと思います。

 今日の午前中、暇だったのでネットをフラフラしていたら、テククラ検定に関するサイトで、「クラウンに合格したかったら小回り板で大回りの練習をしろ」と主張する記事を発見し、ちょっと驚きました。もちろん、コレは、傾くことを覚えるための練習メニューの提案なんでしょうけど、誤解を与えやすい書き方ですね。

 少なくとも、今現在の技術の流れから言うと、本番の大回り種目で小回り板を使うのは、少し損するんじゃないかと思います。現在は、そしておそらくこれからもしばらくは、板をたわませてターン弧を縮める技術を見せることがクラウン合格のためには必要なんじゃないかと思います。

 もちろん、本物の技術を持った人は、ある程度の小さなRの板でもそれを見せられるでしょう。だから、全種目小回り板で合格する人も当然います。

 でも、それが難しいことであるのは、全日本技術選に小回り板使用の総滑という種目があることからも明らかなように思います。受かるかどうかギリギリの普通の技術の人間は、可能なら難しいことを避ける方が賢明というものでしょう。 

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