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2017年10月14日 (土)

騙されないプライド

 昨日、町田での仕事の後、相模原の親方のもとに予約していたブーツを作りに行きました。骨格が良くなったと言われました。
P10904621
 
 相変わらず、The職人ともいうべきお見事な仕事ぶり。→がそのブーツ。
 
 ブーツの右が、チューンナップから上がってきた娘(仮称ケミ)と愚妻Yの板です。いよいよ、シーズンが始まります。
 
 シーズンと言えば、このシーズン定番の仕事、某赤本の間違え探しも最終局面を迎え、一昨日、某千葉大終了。今年の某千葉大教育は『源氏物語』若菜上巻からの出題でした。
 
 女三宮を垣間見た直後の柏木とそれに気づく夕霧という場面を出題しているのですが、
 
 「かつは軽々しと思ふらむかし」
 
 に傍線を付し、その主語が柏木なのか夕霧なのかを選択肢で出題しています。
 
 この場面、実は、学問的注釈書でも意見が割れていて、小学館旧全集は夕霧が「思ふ」の主体としているのに対し、新全集では柏木が「思ふ」ことになっています。
 
 ちょっと困った箇所の出題なのですが、「思ふらんかし」の後が読点になっているのが味噌。直後の夕霧の心内語と続けて読ませようということなのでしょう。つまり、夕霧が柏木のことを想像している場面なので、主語は柏木のはず。
 
 ちなみに、旧全集の本文は、「思ふらむかし」の後が句点で、新全集の本文は読点です。どっちを見て出題者が作問したか、明かってもんでしょう。
 
 某赤本、見事に騙されてます。まあ、こういう騙しはちょっと悪質だし、騙されるの仕方ないかとは思いますけどねえ・・・。よく見て考えてクダサイよ。
 
 だますと言えば、某我が国の首相が、詐欺罪で起訴中の人を詐欺師と決めつけた上で、自分の奥さんについて、「こういう人だからだまされてしまったんだろう」とかばったそうです。
 
 このニュース、世上では、被告の人権侵害という面と、行政の長が三権分立を犯すという面で問題になっているようですが、ワタシに言わせりゃ、これはプライドの問題です。
 
 首相夫人という影響力のある肩書で動いていて、公務員もサポートにつくような公の立場の人間が、簡単に騙されて莫大な国民の財産をむしり取る片棒を担がされたということに関して、恥ずかしいと思うプライドがこの夫には無いということです。
 
 世の中には、上手い騙し方というのもありますが、一方で絶対に騙されてはいけない立場というのは確実にあります。我々予備校屋は、生徒さんのために絶対に騙されてはならないし、騙されないことをプライドにしています。
 
 「相手がわるい人で、うまくだましたから、ボクちゃんたちだまされちゃったんです~」などという甘ったれた情けない泣き言は、我々の世界では絶対に許されません。
 
 この人、一国の長としてナサケナクないんですかね。プライドないんですかね。
 
 例えば、国民の財産を守る警察官が、例えば、社員の生活を守る会社の経営者が、同じこと言って許されると思ってんですかね、この人。
 
 コドモじゃないんだから、「悪い人にだまされた」が言い訳として成り立ってないって理解できないんですかね。腹立ってきました。
 
 ワタシは、こんな甘ったれのお坊ちゃんを一国の長としているのが、限りなく情けない。もう、こんなのやめましょうよ、国民の方達。

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コメント

早稲田志望の宅浪です。
先日のセンター試験の結果が芳しくなく、1から古文の勉強をやり直したところ、これまで使っていたルールが全然当てはまらないことに気付き、色々調べていてこのサイトにたどり着きました。
識別に関しては例外を覚えていく形で対応しようと思うのですが、読み方だけはどうすれば例外に対応できるのか皆目見当もつきません。
入試本番まで時間がないので多くの文章にあたることは不可能ですが、どうにかならないでしょうか?

自分でどうやって気付けば良いのかを特に理解できないのは、下の2つです。
①装束など人に借りて、月は明かりけれど、顔みえぬようにもてなして、〜(宇治拾遺物語)
②S O(=sv) V
①は「月は明かりけれど」を挟んでSが共通していますよね?
でもこの部分は挿入句とは違う気がするんですが…
②はO自体が凖体法のパターンとOにかかる連体修飾節のパターンがあると思いますが、どちらも毎回誤読します。

投稿: 宅浪 | 2018年1月30日 (火) 12時12分

連投すみません。
これまで自分がやってきた参考書を挙げます。
「必携 古典文法ハンドブック」
「岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」
「古文解釈の方法」
元井太郎の面白いほどもやったことはあるのですが、、文を区切って分析するのを否定されているのが受け入れられなくてやめてしまいました。
ただ、最近は分析しようとして失敗することの方が多いので、やってみようとしてやっぱり意味が掴めない…

古文研究法という参考書がオススメなのでしょうか

投稿: 宅浪 | 2018年1月30日 (火) 14時04分

>宅浪さん

 少し、慌てていらっしゃる感じが文面から伝わってきますが、まず、落ち着きましょう。~o~

 「使っていたルール」というのがどんなものなのか、具体的に読み取れないのですが、そこを教えていただけますか。

 また、①の文に関してですが、これは、もちろん、挿入句とは言いません。挿入句というのは、一文の形をもった語句が説明や感想として挟まれることを言うのであって、多くの場合、古典文では係り結びなどを伴います。

 現代語では、
「早起きしようと思ったのに、寝坊しちゃった。」という文の間に、「寝不足気味だったからだろうか」という一文を挟んで、
「早起きしようと思ったのに、寝不足気味だったからだろうか、寝坊しちゃった。」などとなるのが挿入句。

 ①であなたが示した「月は明かりけれど」一文の形を持たず、単に逆接的に下につながる条件句です。訳してみましょう。

 「装束などを人に借りて、月は明るかったけれども、顔が見えないようにふるまって」

 現代語にした時に、特に不自然な判りにくい表現とは感じられないはずです。

 ②に関しては、具体的に古典文を示してください。何せ、ワタシは、英文法の記号が苦手なものですから。

 また、参考書ですが、
「岡本梨奈の・・・」という本を知らないので、この本に関してはコメントできません。他の本は立派な参考書だと思います。
しかし、『古文研究法』はあまりお勧めしません。古すぎるし、量があり過ぎて、今からやり直すには無理がありますから。

投稿: Mumyo | 2018年1月31日 (水) 04時59分

返信ありがとうございます。

①について
(Aさんが)装束を借りる
月が明るい
(Aさんが)顔が見えないようにする
上のように一回主語が月になってAさんに戻ってきていますよね?
「活用語+てでつつ」の前後でS同じというルールで考えると、おかしいと思うのですが…
>一文の形を持たず
とはどういうことでしょうか?

②について
模試などで何度も苦しめられているハズなのですが、見つかりませんでした…
一応、現代語で書いてみると以下のような文です。
私は彼が盗みを働くのを見た。
私は彼が大事にしていたものを捨てた。
この文で、体言が省略されていたり、主語が片方しか書いていないとどっちの主語か分からなくなります。

参考書について
元井先生の参考書はどうですか?
他に有名どころだと、山村実況中継や東進の吉野がありますが、何かオススメのものがあれば教えてください!

投稿: 宅浪 | 2018年2月 1日 (木) 03時15分

W大志望ということは、本番まで早ければ11日ですね。時間が切迫しているので、答えられることを取り急ぎ申し上げます。

 >「活用語+てでつつ」の前後でS同じというルール

それを「絶対的に守られるはずのルール」と考えてはいけません。あくまで、「そうなりやすいので取り合えずそう読んでみよう」くらいに考えてください。

 接続助詞「て」の機能は古典文も現代文もほぼ同じです。現代文で考えましょう。

 「月が明るくて、切なくなった。」

 ハイ、誰が「切なくなる」んですか。まあ、そういうことです。

>>一文の形を持たず
とはどういうことでしょうか?

 「一文の形」とはセンテンスを結ぶ形であり通常なら、句点(。)を打てる形です。接続助詞「ど」では通常ならセンテンスを結ぶことはありません。

>私は彼が盗みを働くのを見た。
私は彼が大事にしていたものを捨てた。
この文で、体言が省略されていたり、主語が片方しか書いていないとどっちの主語か分からなくなります。
  
 うーーん、問題の古典文がこの通りだとすれば、内容によって判断するしかないんでしょうねえ。

 最後に参考書ですが、今から新たな物をやるのは、時間的に難しいと思います。新しい参考書を渡り歩くのは、焦った受験生が失敗する典型的パターンです。参考書については、今持っていらっしゃる「必携 古典文法ハンドブック」「古文解釈の方法」をもう一度確認するくらいにしておいて、過去問の演習の方に重点を置くというのが現実的に有効な対応でしょう。W大なら、受験する学部のものを、時間的に可能なら7~8年分くらい、現代文とセットにして時間を計って解き、時間配分の練習をしておきましょう。

投稿: Mumyo | 2018年2月 1日 (木) 09時12分

相談に乗っていただいてありがとうございました。
無事、受験終了しました。
正直、自信はないのですが、ダメだったらもう一年頑張ろうと思います。
接続助詞のルールではなく、述部や常識を使って主体判別するやり方にも多少慣れたので、古文の勉強法が掴めたような気持ちでいます。
「古文攻略のマストアイテム」という参考書に常識を使った場面把握の仕方とかが乗っていて、直前期に使っていたのですが、とても良かったです。
あと、滑り止めで受けた関西大学の古文を解いていて、ある程度選択肢を参考にするのもアリなのかなと思いました。

投稿: 宅浪 | 2018年2月22日 (木) 11時37分

 お疲れ様でした。
落ち着かないかもしれませんが、
しばらくはオリンピックでも見て休んでください。

投稿: Mumyo | 2018年2月22日 (木) 15時15分

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