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2018年2月 6日 (火)

最後のお風呂と「久保田淳先生」の食卓

 昨日は、授業のない日でした。娘(仮称ケミ)は久々に登校。ワタシは教材改訂のためのデスクワークでした。大人同士のやりとりをせねばなりません。あー、やだやだ。
 
 しちめんどくせー大人への対応に疲れた夕方、グッタリしてリビングに行くと、すでに帰宅していたケミさんが「パパいっしょにお風呂に入ろう」と言い出しました。
 
 実は、最近、娘とお風呂に入っていません。これは、ワタシと時間的に合わなくなっているということもありますが、やはり、もう小学生なのでということもあり、なんとなくお風呂はママと一緒ということになっていました。
 
 愚妻Yは面白がって、「そんなこと言われるのは、もう最後ですヨ」と笑うので、んじゃあ、久しぶりに一緒に入ろうか。
 
 久しぶりに一緒に入ると、ケミさんは自分で全て出来るようになっていました。それもかなりしっかりと。ふーん、成長だな。
 
P10906051  入浴後、再び仕事に戻り、夕食に呼ばれてリビングに行ってみると、食卓に箸と食器がセットされています。よく見ると、箸がポケットテッシュの上に載っています→。
 
 「今日の夕飯はレストランだよ」だと。~o~
 
 ケミさんがやったのだそうです。Yに何も言われないうちに食器を全てセットしてお手伝いしたんだそうです。「ケミさん、そりゃ久保田淳先生だねー」。
 
 中世和歌研究の第一人者久保田淳先生は、大碩学でありながら腰の軽いマメな方で、ゼミの学生が発表すると、「その話は、~の本に載ってましたね」「それは~の歌集に例歌があるはずです」と言い終わらないうちにサッと席をお立ちになり、先生自らその本を取っていらっしゃってゼミの学生全員を恐縮させていたものでした。
 
 ワタシは全く不肖の教え子だったので、先生の学識からは何も学んでいないのですが、せめてこの腰の軽さとマメさだけは受け継ごうと思い、人に言われずともマメに用事をすることを我が家で「久保田淳先生」と呼んでいます。
 P10906061_2
 昨日の我が家の食卓と、小さな久保田淳先生のピースサインでした←。
 
 こんな娘がいたんじゃ、パパはマメに仕事しないわけにいきませんね。がんばろーっと。~o~;;;

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コメント

 いまだにお嬢さんとお風呂には入れるとは!うちは、息子と入ったのは数えるほど、たぶん両手に余るくらいではないか。温泉宿などに連れて行ったときは、母親と一緒に女湯には入らず、そのときばかりは私と入りますが、基本的に母親と入浴しています。そのうち恥ずかしくなるのでしょうが、そのときは一人で入るのではないでしょうか。
 久保田先生、著書でしか存じ上げませんが、お人柄が知れて、参考になりました。大碩学とは、このような学者をいうのだと思います。最近は、我々が学生の頃とは比べものがならないくらい大学がきちんとしてきているのでしょうが、それがかえって先生方の人間性の幅を狭め、学問も小粒になっているような気がしてなりません。

投稿: ニラ爺 | 2018年2月 9日 (金) 18時47分

 久保田淳先生は本当に謙虚な方で、偉そうに学生を使い走りにするようなことをしませんでした。それで逆に学生の尊敬の的になっていました。

 せめてそういうところだけでもマネしなければ、と我が家では、食卓で何か必要になると、率先してワタシが取りに行きます。でも、愚妻からも娘からも尊敬されてないみたいです。~o~;;

>生方の人間性の幅を狭め、学問も小粒になっているような気がしてなりません。

 知人の大学教員と話をすると、文科省の締め付けが厳しくで、忙し過ぎるとボヤいています。こんな文部も科学も省いちまおうという体制では、スケールの大きな学者は出て来ないでしょうね。

投稿: Mumyo | 2018年2月10日 (土) 06時18分

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