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2020年3月27日 (金)

忙中閑の試乗レポ1~技術の深淵

 本格的に春期講習が始まって、仕事仕事の毎日です。仕事に出かけると、何だか世間は殺伐とした空気で、電車の中で座れてもおちおち寝てられません。みんなマスクの奥で凝り固まってる感じで気が休まらず心慌ただしい毎日。

 家に居る間は落ち着いてられるので、先日のアサマ2000試乗会のレポをまとめてしまいます。

試乗日3/20 曇り時々小雪  硬い整地の中斜面所々アイスバーン(STAGE2)

・Hart Infinity S WC 156cm R=11.5 116-66-102

20200320114700002020032011470001

 個人的には大変元気なスラ板で気に入った。若干、元気過ぎて雪面の荒れを拾ってしまうかもしれないが、若い人なら大丈夫でしょう。ワタシにはダメだけど。

 ただし、愚妻Yは、ちょっと戸惑っていました。Yはこの板の今シーズンモデルに昨年の五月かぐらで試乗していて、大変気に入っていました。その時は、元気さが適度で扱いやすいという感想だったのですが、今回は、「軽快なんだけど引っかかります」「板がキュンと入って来ようとしてコントロールが難しい」とのこと。

 板自体は完全に継続モデルのはずなので、雪質の違いなのでしょう。五月のかぐらは整地とは言え軟雪でしたが、今回のASAMAは、アイスバーンを含む硬いバーンです。

 どうも、Yの小回りは基礎的な小回りなので、ターン始動時にテールを押しずらし始め、ターンの方向を決めてから強いエッジングをして板を走らせているらしいのです。この技術は軟雪でならこの板も扱えます。軟雪なら板のグリップがルーズだからです。ところが、硬い雪だとこの板はターン始動時からエッジが噛んでグリップしたがり、Yがターンの方向を決める前にキュンと中に入って来てしまうというわけです。

 多分、多くの基礎上級スキーヤーはYと同じ技術を使います。そして、その技術しか使えない人は、この板で硬い雪を滑ると苦戦するはずです。

 一方、ワタシの小回り技術は、板を走らせるだけ走らせ、板を踏み始めるのは板が体の外に出てからです。この技術なら、この板はしなやかにたわみビュンビュン走って快適です。要はレーシング的な技術を使えばこの板はコントロール出来るということ。

 Yには、上記のような説明をして「板を体の外に出してから踏め」と指示したら、簡単に履きこなしやがりました。「無理に方向付けをしようとしないで、板が落ちていくのに任せると上手くいきます」とのこと。

 ちなみに、ワタシは、Yの使う基礎的技術の小回りが苦手なので、目下小回りで苦戦しているというわけです。~o~;;

・Volkl Racetiger SL  160cm 127-68-103 R=11.8 

  この板は、今回ワタシは試乗していないのですが、Yの「何てことない板」というコメントについて説明しておきます。Yの使う小回り技術は上記のような基礎的小回りなので、この板は大人しくしていてチャラっと履きこなせるということ。ところがワタシの技術だと、この板のレーシング的な面が引き出されるので、ビュンビュン走る板ということになるのでしょう。

 以前の八海山での試乗レポで、「内足のアウトエッジを使える人なら、この板の真価を発揮させられます」と書きました。つまり、Yの普段の小回りは、ターン始動時に内足のアウトエッジを使っていないということなのです。ターン始動時から外足のインエッジで押しずらしを始めてしまうため、板が十分外に出て行かずたわみ不十分のままターンしていくので、板のコントロールは出来ても板はそれほど走らない、つまり宝の持ち腐れなのです。

 多分、普通の基礎上級スキーヤーは、この宝の持ち腐れをやらかしている人が多いのではないでしょうか。この板の基礎ユーザーの方、ターン始動時にS字ターンの感覚で内足アウトエッジを使い、スラローム的小回りをしてみてください。板が外に出て十分にたわみ、今までにない走りをするはずですから。

 まあ、そればかりだと疲れちゃうので、適当に基礎的小回りを入れてこの板を手なずけないといけないんでしょうけど、ワタシはそれが苦手なので…ねえ。~o~;;

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