綿を千切る日のあれやこれや
昨日、今年度の受験生相手の授業が終わりました。これから先は、高1高2の授業が一週数時間という日々です。
以前なら、こうなると、ほとんど山籠もりの生活だったんですが、娘(仮称ケミ)がいますんでね。
今年はデスクワークもほぼないので、小金井でわずかな雑用、あとは『源氏物語』と米津玄師漬けの生活です。ある意味理想かもしれません。
春に「若紫」を読んでいたのが、昨日、「紅葉賀」を読了。ずいぶんのんびりと読んでいます。
これは、「些細な事」シリーズには入らないんですが、「紅葉賀」巻末近くの藤壺立后を語る部分で、
「御母方、みな親王たちにて、源氏の公事知りたまふ筋ならねば」
の部分を近代の諸注釈は皆、「この『源氏』は広く皇族一般とみる説をとり」(小学館『新編古典文学全集』)とするのは、何故なんですかねえ。
『河海抄』には、「若宮の御外舅親王達にて、人臣にて御後ろ見すべき人なしと云也」とあり、この「源氏」を臣籍降下した皇族の意で取っています。その方が言葉の取り方としては自然だし、そもそも、ここでさりげなく語られる源氏の宰相昇進の記述との脈絡もついてくるのに。
まあ、どちらで取っても誤りとは言えないだろうから、良いんですけどね。
などと考えているうちに、窓の外に何やら落ちて来ました。オイオイ、小金井に雪だよ。
綿を千切ったようなとは言いますが、まさしく、芝居で降らす綿のような雪です。
高層マンションも雪に霞んでいます。
ヤレヤレ、こんな日にこれから仕事かよ。~_~;;;;
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