何も教えてない
ちょっと前から、娘(仮称ケミ)の読書傾向が変わってきました。
少し前まで、滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』を読んでました。
これは、もちろん原典ではなく、子供向けに現代語訳したものです。図書館で借りてきて熱心に読んでました。かなり面白かったそうです。全四巻を読み終わる時には、大変残念がってました。
そんなものが出版されているんだなあと古典の教師をしている父親は、ノンビリ構えていたのですが、昨日、娘が借りて来た本を見て、驚きました。
『烏に単は似合わない』↓
「じゅナントカの話なんだよ」だそうです。一応、「それは入内っていうんだよ」とは教えて置いたのですが、気になって後で調べたら、平安朝の宮中の世界を八咫烏の世界に置き換えた人気のファンタジーなんだそうです。
フクロウの次はカラスかよ。~o~;;
さらに、『大鏡』。
おおおお、ついこの間、高二の教室で教えたばっかりです。
ちょっと前に、『雨月物語』を借りて来て読んでいました。それが面白かったとかで、同じシリーズをたどって『東海道中膝栗毛』の次に『大鏡』だったというわけです。
「ストーリーで楽しむ日本の古典」というシリーズなのですが、この『大鏡』は…。『大鏡』に取材してあらたに創作したファンタジーだと思いますけどねえ。これに『大鏡』って名前をつけちゃったら、どっかから訴えられそうなんですが。
なにしろ、紫式部が安倍晴明の弟子で猫になって時間旅行するっていうんですから…。
まあ、どういう形であれ、子供が古典作品に親しんでくれるのは良いことです、と古典の教師は言わなきゃいけないんでしょうねえ。
こういうのを読んで、ケミさんは、どういうふうに育っていくやら。
ワタシは何も教えてないんですが。~o~;;;
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