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2024年7月31日 (水)

温度差に揺れる夏~『源氏物語』に関する些細なこと29

 このところ、一日のうちでも微妙に涼しい時間があります。

 昨日も、午前中に書斎にエアコン入れて仕事しようと思ったのですが、微妙に涼しめなので、エアコン入れずに仕事しようかと思って温度計見たら…、「34℃」!。

 当然、スウィッチオンです。

 さて、予備校の仕事をしながら古典作品の注釈書を読んでいると、しばしば敬語に対する意識の温度差に驚かされることがあります。

 予備校屋というのは、少し敬語を意識し過ぎます。これは、敬語を頼って主体判定できると生徒さんに分かりやすいためです。ウチのテキストあたりでもしばしばその意識がすこーし過剰になることがあります。

 また、赤本などの過去問解説でも、敬語にさえ注意すれば主体は分かるというようなことが書いてある場合があります。そんなことありえねーだろに。

 敬語の使用というのは、作品によって時代によってその精度や安定度が大きく異なっているので、それだけに頼って主体判定なんて危なくてやってられないはずなのです。本当は。

 敬語に頼って良いのはジャンルでいうと、随筆、歴史物語、つくり物語などであって、説話や軍記や歌物語でこれをやると、痛い目にあいます。そんなの入試問題をたくさん解いている人間にはアタリマエなんですけどね。

 しかし、『源氏』『枕』などの平安中期女流文学の敬語使用の精度安定度は、かなりのものなので、ワタシなどでも、こういう作品の読解には敬語の利用を多めにします。

 一方、注釈書をお書きになる学者さん達は、少し意識が足りないのではないかと思います。『源氏』でも、こんなことがあったり…。

 他にそういう所を二か所見つけてしまいました。いずれも、重箱の隅の隅の隅。些細過ぎることですが…。

 「葵」巻、葵の上の出産を六条御息所が伝え聞く場面です。

 「かの御息所は、かかる御ありさまを聞きたまひても、ただならず。かねてはいと危く聞こえしをたひらかにもはたと、うち思しけり。」

 小学館『新編日本古典文学全集』ではこのような本文を立てて、次のような訳文を付します。

 「あの御息所は、このようなご様子をお耳になさるにつけても心穏やかではない。前前は女君がもうご危篤との噂だったのに、よくもまあ無事に、と妬ましくお思いになるのだった」

近代の注釈書は、『玉上琢彌 源氏物語評釈』、『新潮 古典集成』、小学館『日本古典文学全集』、岩波『新日本古典文学大系』、『岩波文庫』などが同様の立場を取ります。

 我々予備校屋には、「ただならず」に尊敬語ついていないのは、大問題なんですが…。

 ウチの授業だったら、確実に生徒の質問が来ますからね。

 これ実は簡単に解決します。「ただならず」の跡を句点でなく読点にすれば良いのです。『旧大系』はそうなってるのに、なぜ、変えちゃったんでしょうね、「新大系」。

 読点にすると、現代語訳はこんな感じになります。

 「あの御息所は、このようなご様子をお聞きになっても、心穏やかではなく、「以前はたいそう危険な状態との噂だったのに、やはり無事にとは…」と少しお思いになりました。

 これで、まったく自然です。

 また、「須磨」巻、源氏が須磨に落ち着いた後に都に便りをする場面。

 「大殿にも、宰相の乳母にも、仕うまつるべきことなど書きつかはす。」

 『新編全集』だと以下のような訳文を付けて、

 「左大臣殿にも、またそこの宰相の乳母にも、若君をお世話申し上げるうえでの心得などをお書き送りになる。」

 「大殿」に、「『大殿』は、ここではその邸をさす。」と頭注が付きます。

 近代の諸注釈では、『旧全集』『古典集成』がこの立場を取りますが、『旧大系』『玉上琢彌 源氏物語評釈』『完訳日本の古典』『岩波文庫』は「大殿」を左大臣個人と取ります。

 うーーん、なんで、左大臣に尊敬語を付けないで平気なんだ~~~。

 この「大殿」は、左大臣邸ととらねばならないし、左大臣邸の中でもそこに仕える女房達を意識していると取らねばマズいんじゃないんですかねえ。

 というか、「左大臣邸の女房達」と読ませたいから「宰相の乳母」と並列して、かつ尊敬語を付けなかった、と考えるべきなのかも。

 現代語訳は、

 「左大臣邸の女房たちにも、若君の宰相の乳母にも、若君にお仕え申し上げなければならないことなどを書いておやりになります。」

 これで良いんじゃないでしょうか。

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2024年7月30日 (火)

夏のお仕事秋の気配

 今日まで代講です。

 反応の良い生徒さんに恵まれて比較的楽に代講をこなせたなあ…と思っていたら、昨日、代講の追加が入りました。イヤハヤ。

 入院した年配の先生が夏の間は休みたいとのことで、まあ、引き受けるしかありません。

 こちらも、年は年ですから、気を付けませんとね。

 昨日、帰宅してみると、Yが「夕飯楽しみにしてクダサイ」と言うので、何だと思ったらピザでした。

 一月ほど前から、小金井駅近くに「pizza 3110」というキッチンカーのピザ屋さんが来ていて評判が良かったので、食べてみたかったんです。

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 マルゲリータ。

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 ジェノベーゼ。

 確かに、モッツァレラチーズの食感といい、トッピングの鮮度といい、なかなかのものでした。これで1枚1200~1300円なら、我が家的にもオッケーです。

 予約したピザを受け取りに行ったのですが、小金井駅付近を吹く風はもう秋の気配がしました。立秋にはまだ一週間ほど。何とか、栄養つけて夏を乗り切らなければ。

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2024年7月28日 (日)

突然いろいろの夏

 しばらくノンビリお休みのはずだったんですが、木曜夕方、突然の連絡があり、代講の仕事が入りました。昨日から横浜です。年配の同僚が入院したとのこと。のんびり源氏読んでる場合じゃなくなりました。

 娘(仮称ケミ)の方も、今週は夏期講習と宿題で過ごすはずだったのですが、突然、金曜にワクチンを接種することになりました。

 いや、まあ、これは、某〇リエモンがワクチンを打ったというネット情報の影響が…ないとは言いません。~o~;;

 ただ、その前から、陸上部の合宿やNZスキー合宿を控えている状況での新コロナ第11波当来に、頭を悩ませていたのです。かかりつけの病院に問い合わせててみて、今はワクチン接種をやっていないと聞いていたので、どうしたものかと思っているところへ、某ホリ〇モン接種の話を読み、これは探せば打てるのだなと。

 んで、探してみたら、小金井市内に一か所あり、水曜に予約して金曜接種となりました。

 今回はまったく副反応なし。良かったー。

 んで、昨日、突然、Yさんが「今日、昼過ぎにオカジに行きマス」と言い出します。

 近所の和風ジェラード「おかじ」さんは、小金井では有名店なのですが、今まで、貧乏性Yの許容範囲を超える存在として我が家では行ったことがありませんでした。ワタシは興味深々だったんですが…。

 多分、イドバタ―ズの影響でしょう。横浜へ出かける直前に行ってみました。

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 ワタシの「とうもろこし」です。トウモロコシがアイスクリームに濃厚な風味を添えて、んまい!

 ケミさんの「濃厚ミルク」も美味しかったらしいです。

 小金井生活のお楽しみが増えました。

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2024年7月26日 (金)

嵐の日々のとっ散らかった賛美~『源氏物語』に関する些細なこと28

 このところ、小金井には毎日のようにゲリラ的な雷雨があります。涼しくなって結構と言いたいところですが、トイレの窓から吹き込んだ豪雨が我が家にも嵐を巻き起こし、収まるのに二日かかりました。ヤレヤレ~o~;;;;;;

 そんな中で『源氏物語』葵巻を読み直しています。新斎院の御禊に供奉する源氏を見物の人々が賛美する場面です。

 「壺装束などいふ姿にて、女房のいやしからぬや、また尼などの世を背きけるなども、倒れまろびつつ物見に出でたるも、例はあながちなりや、あな憎と見ゆるに、今日はことわりに、口うちすげみて髪こめたるあやしの者どもの、手をつくりて額にあてて見たてまつり上げたるもをこがましげなる賤の男まで、おのが顔のならむさまをば知らで笑みさかえたり」 

 『小学館 新編日本古典文学全集』はこのような本文を立てて次のような訳文を付します。

 「 壺装束などという姿で、女房のいやしからぬ者や、あるいは尼などという俗世を捨てた者なども、倒れたりころげたりしては見物に出ているが、それも普通ならば途方もないことよ、なんとまあみっともないことよ、と思われるところだが、今日は無理からぬといった感じで、口もとがすぼんで、髪を着こめているいやしい連中が、手を合わせて額に当てては君を拝み申しているのもいかにも愚かしいが、その愚かしそうな田舎者まで、自分の顔がどうなっているのかも気づかずに、顔いっぱいに笑みをたたえている」

 この訳文は、「をこがましげなる」の部分を二度訳しています。実は、頭注に

 「『をこがましげなる』は、上を受ける述語で、しかも下に続く修飾語」とあるのを反映させた訳なのです。

 これは、ちょっと変わった読み方ですが、ちょっと和歌的な解釈かもしれません。「人まつ虫の声すなり」を「人を待つ、松虫の声がするようだ」と掛詞の箇所で二つの文脈を乗り換えるように解釈するのと同じやり方でしょう。『完訳 日本の古典』もほぼ同じ頭注にほぼ同じ訳文が付きます。『岩波書店 新日本古典文学大系』にも同趣旨の頭注がついています。

 この部分、そのままでは解釈しにくいというわけで、『玉上琢彌 源氏物語評釈』は、

 「この底本によるならば、『見たてまつりあげたるも』でいったん切って、『をこがまし』に相当する語を補って理解するか、『見たてまつりあげたるもをこがましげなる』で切り、連体止めとして読むかしなければならないが、いずれも無理である。今、河内本および別本により改める」

という注を付して、

 「見たてまつりあげたるも、をこがまし、あさましげなるしづのをまで」

のように「あさまし」を補った本文を立てます。

 この『玉上評釈』の注に示された二つの解釈のうち後者を『旧全集』は取ります。『完訳』や『新大系』『新全集』は前者を、文脈乗り換えというアイデアを持ち込んで発展させたものでしょう。

 多分、文脈乗り換えを持ち込むのは、『完訳』から参加された故S先生かと思います。

 『新潮社 古典集成』と『岩波文庫』は、この箇所に特別な注をつけません。『文庫』が『新大系』を継承しなかったのは、『文庫』から新たに加わった執筆協力者、今井氏、陣野氏、松岡氏、田村氏のどなたかが、文脈乗り換えに反対意見をお持ちだったのかもしれません。ちょっと内部事情を伺ってみたいところですが…、教えてくれないでしょうねえ。

 さて、これだけ近代の諸注釈の解釈が取っ散らかった状態だと、ワタシごときの読みを打ち出しにくいのですが、でも、まあ、良いでしょう。このブログじゃ今までもイロイロやってるから。

 ワタシの考えはこうです。この部分、紫式部の頭の中は結構整理されてたんじゃないかしらん。

 まず、それほど卑しくない者達として「壺装束」の女と「尼」を取り上げます。次に下賤の者を取り上げるのですが、まず「女」。「口うちすげみて髪着こめたる」はどうしたって下賤の女です。この下賤の女の描写は同格「の」を挟んで「見たてまつり上げたる」まで続き、それを係助詞「も」で受けておいて、今度は下賤の男「をこがましげなる賤の男」を持ち出して、「まで」と受け、下賤の男女の描写として「おのが顔の…笑みさかえたり」が続くと取ります。

 この解釈のポイントは、「口すげみて…あやしの者どもの」の「の」を同格と取って「見たてまつり上げたる」の下に「女」を補うこと。今までの諸注釈の無理な解釈は、「の」を主格に取って「見たてまつり上げたる」の下に「姿」や「の」を補ってしまったところに起因するものだと思います。

 その思い込みさえ外してしまえば、意外と整理された文章だったんじゃないかしらん。訳文は、

 「壺装束(つぼしょうぞく)などという姿で、女房の卑しくない者や、また尼などの俗世を捨てた者なども、慌てて倒れたり転んだりしては見物に出て来ていたことも、いつもは、「行き過ぎたことよ。ああ憎らしい」と見えるのに、今日はそのようなことも当たり前であって、歯が抜けて髪を表衣(うえのきぬ)の中に着込めている卑しい者達で、手を合わせて額に当てながら源氏の君を拝見している女達もいかにも愚かしい様子である卑賎の男まで、それぞれ自分の顔がどんな様になるかを気にせず満面の笑みをたたえています。

 くらいになります。そんなに無理な訳文じゃないんじゃないかしら。

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2024年7月22日 (月)

ムラの夕涼み花火未遂

 昨日は、〇〇村子供会でBBQの予定だったのですが、井戸端会議メンバー、通称イドバタ―ズがこのところの何日間かの酷暑に恐れをなし、予定変更。我が家の駐車場で夕涼みの夕餉となりました。

 大人達がテーブルと椅子を用意して子供達がピザを買いに行っている間に、乾杯。和やかなムラの飲み会となりました。この日の夕方の我が家駐車場には不思議に涼しい風が吹いてくれて、快適でした。

 後でつくづくYとも話したのですが、小金井に転居して隣人に恵まれています。娘(仮称ケミ)は最初の年から人生最良の時だったわけですが、我々もご近所さん付き合いで不満を感じたことがありません。何故だか〇〇ムラはみんな良い人。

 ここへの転居を決めたのはこの頃。「吉祥寺で用」などと書いているのが実は不動産屋での契約だったりします。ドタバタで決めたわりにはラッキーだったよねー。

 子供達は、食事の後、花火を買いに行って花火大会…

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 になりかけたのですが、結局、涼風が仇となり、「風があるから今夜はやめとこう」。

 まあ、りょうほお良いのは頬被りってか。

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2024年7月21日 (日)

前半終了の豪雨

 昨日はちょっとバタバタした日でした。

 朝、九時、三人そろって車で出かけました。この日にレーシングコーチの店で娘(仮称ケミ)のマテリアルを受け取ることになっていたので。

 お店について、まずブーツの最終チェック。来シーズンのケミさんは黄色のF社ブーツでシェルの硬さがなんと110。

 昨年までは70でした。~o~;;;

 インソールもシダスで本格的に作りました。うーーん、これだけ変わると、どうなるんだろう。

 SL板は150cm。SL用ストックも110cm。もう我々と変わりません。

 まあ、Yの身長には並びかけてますからね。

 11時半過ぎに御茶ノ水を後にし、帰宅したのですが中央高速は大渋滞。途中から下を使って帰宅は午後1時少し前に。

 ワタシだけ急いで着替えて立川へ。立川で午後の授業があったんです。

 三回目の共テ対策講座でした。まあ、無事に終了して帰宅。

 夕食前のデスクワーク中に雷鳴が轟き渡り、豪雨。こんなに間近で雷鳴がなり続けたのは小金井に来てから初めてです。しばらくPCのコンセントを入れられませんでした。

 夕食時の酒肴は、例によって

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 お父さんの夏期講習前半の収入がコレに変りました。

 今年はこれでしばらくお休みが取れます。本格的に仕事再開するのは八月です。

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2024年7月19日 (金)

梅雨明け打ち上げ15年

 昨日、関東地方は梅雨明けしたそうです。夏らしい天気でした。

 仕事の方も、夏期講習は粛々と進んでおり、一昨日昨日は横浜での共テ対策でしたが、無事終了。

 夕方、電話をして予定が変わりました。

 実は、今年の打ち上げ&同居記念日のお店を、家族三人の投票で「ごほうび」の焼肉屋さんと決めていたのですが、電話してみたら、「最近は土日のみ営業」とのこと。急遽、同点一位だったこちらに切り替え。

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 お通しと春菊のお浸し。手前のお通しは、もずく酢と思いきや、魚卵系が混ざってい、んまい。しょっぱなからハイレベルです。

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 ケミさんはいきなり握りでした。10貫握りのはずが、1貫サービス。かなり、気合が入った握りだった模様。ケミさんよく食べました。

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 Yさんは大好きな鰻の白焼き。

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 これまた大好きなハモの湯引き。

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 ワタシは大好きな茨城県来福酒造さんの夏酒「Raifuku SP」。爽やかな甘旨味。んんん、ゼイタクだー。

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 刺し身五点盛のはずが、親方の御好意により…、んんん?これは何点盛なのだ。

 どうやら、「結婚15周年、おめでとー!」という乾杯の時の音頭を親方が聞いてくれてのサービスだった模様。コレは嬉しいです。

 中でも、中トロとタコの炙りが絶品でした。親方ありがとう。

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 ワタシの二杯目は、山形県亀の井酒造さんの「超辛口大吟醸 虹色ばくれん」。これまた、ゼイタクだー。

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 Yクンはナスの揚げびたしにも感心。明らかにYの素人料理とは一味違います。

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 最後は、「アワビの肝ソース」を頼んでみたら、何やら洋風…なんだけど、コレが、んまい!!

 三人とも大満足でした。

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 帰り際に、「カワイイから写真撮って」というYのリクエストにお応えして看板のネコをパチリ。

 あの日から15周年を幸せな気分で祝うことが出来ました。15年、ねえ。なんだか、一夜の夢のような…。

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2024年7月14日 (日)

上手くいっても嬉しくない

 金曜から夏期講習が始まっています。

 今年は早く始まり、中休みを挟んでだらだらと長く続きます。

 まあ、肉体的には楽なので、お爺さん向けのスケジュールなのかしらん。

 金曜土曜は共テ対策教材でした。今年からテキスト作成者が代わり、びみょーにやりやすくなりました。

 それにも助けられて、非常に上手くしゃべれました。ほぼ計画通り。パーフェクトに近いんじゃないかな。

 生徒さんはけっこう集まっているし、予備校的には成功と言えるんでしょう。

 にもかかわらず…すっきりしないんだよね。なにしろ、不透明なことをしゃべらなきゃいけないんで。

 どなたのせいなんですか、ねへ。

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2024年7月12日 (金)

十四年ぶりの里帰り

 昨日は、家族三人でYの実家に行ってきました。

 このところ毎月の恒例になっている実家訪問ですが、今日は、久々に娘(仮称ケミ)と一緒でした。昨年同様の「ババちゃんのためのプール」です。

 昼食は、五人で、例の「とむとむ」でした。ケミさんは生まれてから初めてです。

 実は、生まれる前のこの頃は何度も来ていました。この人は実に14年ぶりです。懐かしかったそうです。

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 ケミさんの頼んだホットサンドセット。

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 ワタシは初めてのカレーセットでした。

 昼食の後、お義母さんとケミさんはプール。久々のプールでしたが、満足してもらえた模様。

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2024年7月10日 (水)

ホッとする日のタコ

 定期テストの終わった娘(仮称ケミ)が、お小遣いでこんなものを買ってきました。

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 イマドキ女子中学生ですねー。

 けっこう喜んでます。

 それとは関係なく、一学期終わって夏期講習前の今日は、恒例健診の日でした。たまたま予約が取れてしまったので、昨日休肝日にして行ってきました。

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 毎度お馴染み桜町病院。ここは、行くだけで魂が洗われる気分になります。この時期はどうも空いているらしく、しかも今日はそれほど暑くならず、快適でした。

 今年は朝計っていたため、血圧も全く心配なし。病院でも上127下85でした。

 毎年、ちょっとイヤな思いをする大腸がん検診も一回目は無事終了。いやー、ホッとします。

 まあ、結果を聞きに行くのはだいぶ先なんですけどね。

 ホッとしたところで、今日は、夫婦で国分寺へ買い物に出掛けました。

 ケミさんはレーシングスクールのTRなので、時間に余裕のある我々は、買い物終了後、Yクン念願の銀だこ居酒屋国分寺店へ。

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 タコ焼きは美味しかったけど、ここは狭すぎてどうも、ねえ。

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2024年7月 9日 (火)

静かな鬱屈からの暴発とその手当て

 賢木巻を読み直しています。

 十一月初めに桐壺院崩御の後、源氏周辺の寂寥と不遇が語られ始めます。

 翌年、源氏24才の春、源氏は朧月夜尚侍の元に忍んで逢瀬を持ち、三条宮の藤壺の寝所への強引な接近という事件を引き起こしします。

 これらが、秋の藤壺出家につながり、また、翌夏の右大臣邸での破滅的な朧月夜との密会につながるのですから、この源氏24才の鬱屈と暴発が物語を大きく突き動かすのは明らかなので、ここが物語作者の腕の見せ処であり、読者の側にしてみても大事な読み処なんだろうけど…。

 不気味なくらい静かに、源氏の側の政治的不遇、除目の際の寂寥や左大臣家の逼塞が語られる一方で、源氏の周辺の女君達は、右大臣六の君が尚侍に、朝顔の姫君は斎院になります。

 源氏の暴発の始まる朧月夜尚侍との逢瀬の直前に、朝顔斎院への文通を語って、

 「昔に変る御ありさまなどをば、ことに何とも思したらず、かやうのはかなし事どもを紛るることのなきままに、こなたかなたと思しなやめり」

 (女君達の昔と変わったご境遇などを、大将の君は特に何ともお思いになっておらず、このような何ということもないお便りなどをお気持ちの紛れることのないままに、あちらへこちらへと思い悩んでいらっしゃいます。)

 とありますが、こういう書き方で男の心の深奥に溜まっていく暴発へのマグマを予感させようとしている…んだろうか。

 ちょっとした言葉の端々から、底意地の悪い語り手の真意を忖度していくのは、うーーん、田舎者には難しいよなー。

 さて、そんな静かな暴発が、一昨日、この暑さにヤラレて夏バテ気味のYにもあり、特別暑くなるという予報のあった昨日は、娘(仮称ケミ)の定期テスト終了とYの慰労を兼ねてお食事会でした。

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 毎度お馴染みの小金井駅前お値打ち中華の名店。

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 前回同様の揚げナスの炒め物。

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 ケミさん、今回は冷やし中華でした。

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 イカと大葉の炒め物は好評。

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 右が空心菜のニンニク炒めはYに好評。左は大海老春巻き。

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 牛肉とキノコの炒め物は、ちょっとビールが進み過ぎる味でした。次回は鶏肉系を頼もうかしら。

 試験をまあまあの結果で終えたらしき中学生は何やら満足、Yクンも夏の鬱屈を少しは解消してくれた模様。

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2024年7月 6日 (土)

楽でもやもや不透明

 昨日、一学期の受験生の授業が無事終了しました。

 今まで一学期の終わりは、ギリギリで予定通り終わるかなー…終わった!というカタルシスがあったのですが、今年あたり、終わるかなーという大変さもありませんでした。

 まあ、今年は授業の時間割を少し楽にしたということはありますが、それにしても楽に終っちゃったなー。

 でも、共テの「導入」はちょっとストレスだったかも。なにしろ、新課程とやらで先行き不透明、またまた「五里霧中」なのでね。

 何か変化させれば入試改革だと思ってる輩は、何十万人かの迷惑を考えるべきだよなー。

 おまけに最終日は、大変な質問者が何人か来てしまって…。

 最近、ウチの予備校では六月入学というのを認めているのですが、古文未修者で六月入学となると、うーーーむ。

 どうやって他の子にに追いつかせるんだか。

 本人の並外れた努力に期待するしかないけど…これまた不透明。

 おまけに、世の流れの子が、またまた難しい質問を…。なんだか自分の無力を思い知らされたようでモヤモヤ。

 まあ、でも、終わりましたから。

 娘(仮称ケミ)の方は定期テスト中。英語は無事にクリアした模様。今日と月曜の数学がヤマか。

 今年は我が家の朝顔はちと遅いです。

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2024年7月 3日 (水)

おしゃべりと食欲と僥倖のコミュニケーション

 今週で一学期が終わります。月曜火曜は順調に終了。

 今日は梅雨も明けそうな夏らしい天気でした。先々週の具合がまだ心配だったので、今週も母の施設へYと二人で面会に行ってきました。

 我々が部屋へ入っていくと、母はベッドに寝たまま何かしゃべっていました。

 ところが、近づいて行くと目が開いていません。ずっと寝言をしゃべり続けている模様。

 その寝言が、先週とほぼ同じ不明瞭な発音なので、まったく理解できません。どうしたものかとベッドサイドにしばらく立ちすくんでいました。

 しばらく経つと母はうっすら目を開け、最初は焦点が定まらなかったのですが、ワタシが目に入ったらしく、こちらに向いてしゃべり出しました。

 それでも、何をしゃべっているのかしばらく分からなかったのですが、ワタシの名前を呼ぶようになり、「せんせ」と言います。

 てっきり、ワタシの仕事のことを言っているのかと思い、「今日は仕事が休みだからお母さんに会いに来たんだよ」。

 それでも、ワタシの名前を読んで「よ〇〇〇せんせ」というので、Yが、「そうそう、〇〇サンは予備校の先生なんですよ」と答えたのですが、まだ、ワタシの名前を呼んで「よ〇〇〇せんせ」。

 「介護の先生呼んでくれ。お腹減ったから」

 と言いたいのだと分かるまでに、かなりおしゃべりをさせてしまいました。

 介護士の方が来て、食事を採らせてくれました。まだ、流動食です。

 身体はほぼ動かせません。わずかに口と右手を動かせるだけ。

 生にしがみつくように、おしゃべりを続けてくれます。

 時々、声に力のあるハッキリとした口調になってくれて、ワタシの名前を呼んで「いくつになった」「66だよ、お母さん」。

 やっと僥倖のようなコミュニケーションが取れました。

 今日はなかなか帰れませんでした。でも、二週間前より、ハッキリした口調が増えていた…と思いたいです。

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