全中26'参戦記2~とまどうシンデレラガールの大輪の花
水曜の朝、我々夫婦は比較的ゆったりと目覚めました。まあ、比較的というのは、昨年に比べてということですが。
ホテルを午前7時50分に出ました。野沢着は道路の渋滞もあって8時半過ぎ。なんと、第3駐車場です。
この日は女子GSで、一本目スタートは9時半。急いで行ったYは、スタート地点に向かう娘(仮称ケミ)に「一本目から行きなさい」と一言声をかけることができたそうです。
快晴ではあってもそれほど気温は上がらず、絶好のレース日和でした。ケミさんは20番スタート、絶好のスタート順です。
すぐ前の13番スタートの後輩Aちゃんと夢への扉合宿で仲良くしていた福島のRちゃんがDFして、ちょっとイヤな雰囲気の中、ケミさんの順番です。
ゴールエリアから見える急斜面を、今まで見たことがないほど攻めた感じで滑り降りてきました。後で、コーチからもホメられ、新潟県のコーチで来ていた元SAJデモのHさんにも「縦に来てたので驚いた」と激賞される滑り。52秒95は、トップの前年度優勝者Sさんと3秒04差の13位でした。
実は、ケミさんは、レース前、「今シーズンの目標は、全国の大会で20位に入ること」と言っていました。それでさえ、頑張って言ったもんだと思っていたのに、その目標を軽く越えています。我々夫婦はちょっとビックリしました。
ところが、ケミさん自身が一番ビックリしたらしく、滑り終わっておろおろしています。「滑ってる時は速くないと思っていたのに、どうしてこんな順位なの」
さて、困りました。親としては13位を守ってほしいのです。しかし、こういう時、守りに回るようなことを言っては逆効果です。「自信を持って、上を目指しなさい」
とは言ってみたものの、娘の動揺を収められたのかどうか。
チームメイトのお父さんで某医大の教授の方に話をしたところ、「速くないと感じていたのに速いというのは、『ゾーン』に入っていたということでしょう」と言ってくださいました。コレだよ。
二本目の備えて捕食を取るケミさんに、「よく聞きなさい。今、教授に話したら、『速くないと感じて速いのは、「ゾーン」に入ったんじゃないか』って。異常に集中力が高まるとそうなるんだって。ケミさん、今日はそうなれる日だから、自信を持って余計なことを考えずに目の前のセットに集中しなさい」
このアドバイスが功を奏したのかどうか。後で、スタート地点にいた人に聞いたら、「ケミちゃん見たことないほど集中して、すごい気合で飛び出して行きました」とのことだったので、まんざら悪くもなかったのでしょう。
ゴールエリアから見える急斜面に飛び出して来るスピードが他の選手と違います。後でコーチの撮ってくれた動画を見ると、有力選手が軒並み失敗して減速している上部の難所を、ただ一人減速なしに通過していたとか。後で聞いたら、ここの滑りは副主任コーチのアドバイスの賜物だった模様。
急斜面の振った旗門を攻めてきて、緩斜面の難所ダブルゲートを内傾角を取ったフルカービングで抜けて、ゴールに飛び込んできました。この時点でトップに立ちます。
直後の選手に抜かれるものの、しばらく二位を保ち、一本目のベスト5である最後の五人に入る前に6位。あと一人誰か失敗すれば10位入賞です。すげー。
まず、東京二強の一人Sさんが上部の難所で転倒。おおっ、10位入賞確定。
ところがその後の北海道の有力選手もDF。最後に滑った前年度優勝Sさんも上部の難所にヤラれ、なんと、ケミさん8位!!
ウチの娘が、全国の8位に入ってしまいました。我々夫婦は、信じられず、おろおろ。
ケミさん自身が、まるで信じられない様子で戸惑うばかり。チームメイトに「おめでとう!」と抱き着かれて初めて泣き出しました。
表彰式で皆さんに祝福された彼女は、初めて華やかな満面の笑顔になりました。シンデレラガールの笑顔でした。
二本目だけなら全国の5位でした。彼女はこの二年ほど伸び悩んで本当に苦しんでいました。
その苦労が大きな花を咲かせたねえ、ケミさん。おでめでとう。
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コメント
今年もJsportsで観戦しました。
ご両親の献身的なサポートや本人の懸命な努力の一端をこのブログで読ませていただいているので、こちらまで涙が出そうでした。
本当におめでとうございます。そして素晴らしい滑りでした!
投稿: 鬼気迫るただの一読者 | 2026年2月 7日 (土) 04時09分
ありがとうごさいます。
家族三人とも、GSレースの翌々日くらいになってようやく落ち着きました。
Yはまだ時々、「しんじらんなーい」って言ってますけどね。
投稿: mumyo | 2026年2月 7日 (土) 06時44分